Lifestyle / 2017 07,17

房総の海と生きていく暮らし

自分の人生のど真ん中にサーフィンがある暮らし。十代の頃から漠然と描いていたライフスタイルを実現させた、佐藤さんのストレスフリーな毎日とは。

佐藤 克典さん

(モアナ・コースタル・サービス)

寝ても覚めても、頭の中に思い浮かぶのは
南房の波と、海で過ごす時間の心地よさだった。

Chapter.01

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房総半島の南に位置する鴨川市江見町でサーフショップを営む佐藤さんの一日は、タンブラーにお気に入りのコーヒーをドロップして、夜明けの海岸線をいつものサーフスポットを目指して車を走らせる波チェックから始まる。10年前にこの地に『モアナ・コースタル・サービス』という自身のお店を構えてから、変わること無く続いている毎朝の日課だ。
「波チェックをして、波が良ければ開店前に海に入っています。毎朝サーフィン出来ることって、すごく贅沢なことですよね。ここに移り住むまでは休みの日にしか出来なかったことですから。」

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十代の頃に出合って以来、大好きになったサーフィン。その頃は地元の八千代から九十九里に通う日々を送っていた。九十九里の特に片貝から太東までのエリアはプロサーファーも多く、コンテスト志向のサーファーが集うメッカだ。佐藤さんもそんなエリアで明日のトッププロを目指すサーファーたちに混ざって練習に励んでいた。

そんな時、突然佐藤さんの人生に転換期が訪れる。当時務めていた外資系企業が日本での事業から撤退することになったのだ。時代はちょうどバブル経済が崩壊し、世の中が混沌としていた1995年。普通なら人生最大のピンチと言ってもおかしくないそんな状況でも、佐藤さんにとっては、その頃すでに漠然と頭の中に思い浮かんでいた“夢”を現実にする好機に感じた。

「これを機に、もっとサーフィン中心の人生を送ろう!」

自分の人生のど真ん中にサーフィンを位置づけ、それを生業にするために選んだ次の仕事、それはサーフショップの経営だった。もちろんショップ経営のノウハウなんてまるでない。でもサーフィンで出逢った仲間達の協力と、毎日大好きなサーフィンにかかわっていられる嬉しさで、苦労もまったく苦労と感じることなく、稲毛の駅前に「アルトイズ・サーフ」サーフショップをオープンするまでになった。

ショップ経営も軌道に乗り、順調にサーフィンライフを重ねていたある冬の日、たまたま暖かさを求めてやって来た南房の温暖な気候と自然溢れる美しい風景に、それまで通っていた九十九里とは違う、心の安らぎを感じた。若い頃は誰かと競い合って波に乗ることも、真冬の冷たい海でサーフィンすることも全く苦ではなかったけれど、もうそんな向き合い方から卒業するときだったからかもしれない。

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寒流の影響で水温の低い九十九里よりも、冬でも華が咲き誇り、黒潮の影響で伊豆下田と変わらない温かい海の南房エリアへ。そしていつの間にか、南房エリアのパーフェクトな波と、のんびりと海で過ごす時間の心地よさが、いつも頭の中に思い浮かぶようになっていった。

「いつかは自分も海辺で波とともに暮らしたい。」
そう思い始めたら、もう気持ちを抑えることは出来なかった。

「千葉で生まれ育って、サーフィンに行くのも千葉の海だったので、最初から房総以外に移り住む選択肢は無かったです。それも、温暖な気候と白い砂浜、それと海と山が近くて自然豊かな南房エリア。もうここしかないって思っていました。」

story_img4//www.youtube.com/watch?v=Q0e_GFSvfuY