2018年 地価公示価格からみる不動産マーケット

ライフステージ:エリア投資

不動産価格を調査した公的な指標の一つ「地価公示価格」の2018年版が、国土交通省から公表されました。「地価公示価格」をもとに、7つのエリアに分けて、最新の不動産マーケットをお知らせいたします。ご自身で所有されている不動産や、購入を検討しているエリアのマーケットが、どのように推移しているのか等、今後のライフプラン形成に是非お役立てください。

三井不動産リアルティ鑑定室の見立て

東京圏の住宅地は、都心部、城南、城西エリアでは安定局面の様相がみられ、相対的に割安感のある城東、城北エリアの上昇率は依然高く、東西の価格差が以前より少なくなってきています。今後については、引き続きオリンピックを見据えた市場の動きに関心が集まっていますが、低金利の継続、ローン控除等、住宅取得の外部環境は依然良好であり、かつ、良好な住宅ストックの充実等、内部的な好環境ともあいまって、当面、住宅市場は安定して推移するものと思われます。
3大都市圏、その他の政令指定都市の住宅地については、良好な取得環境から、引き続き、安定局面が続いていくものと考えられます。また、好調な企業業績等を反映して堅調な株価も、不動産市場に継続してプラスに作用しています。

関東エリアの地価公示価格

H30首都圏エリア

■東京都
東京都全域でみた場合、住宅地・商業地・工業地とも、対前年平均変動率は5年連続でプラスとなりました。上昇率が最も高かったのは、6.1 %の荒川区で、5.6 %の北区、5. 5%の文京区および品川区がこれに続いています。一部の高額マンションでは鈍化傾向が見られているものの、都心部のマンション需要は底堅く、低金利環境が継続していることもあり、実需層の住宅取得意欲も根強くなっています。また、周辺区では、利便性や割安感から積極的な需要がみられ、前年より高い上昇率を示しました。

■神奈川県
神奈川県の住宅地の地価は0.1%の上昇となり、上昇・横ばい地点の占める割合も68.6%(前年66.8%)と増加しました。総額がかさむ地点では需要に一部弱さが見られますが、都心アクセスに優れ、駅徒歩圏内で利便性が高く、地勢が平坦な住宅地の需要は堅調です。また、都心アクセスに劣り、駅徒歩圏外で利便性が低く、地勢に起伏のある住宅地では、人口減少・高齢化が進行し、依然として下落幅が大きくなっています。

■埼玉県
埼玉県の住宅地については、県南部の東京近郊エリアを中心に上昇し、平均変動率0.5%と2年連続でプラスとなりました。県北、秩父地域は下落傾向が継続しているものの、下落幅は縮小しています。個別の変動率順位を見てみると、住宅地の変動率1位(川口市大字小谷場)地点は、隣接街区でのマンションの新規開発とともに、土地区画整理事業による道路拡幅で利便性向上が図られた地点、2位(さいたま市緑区美園5丁目)および3位(東松山市箭弓町1丁目)は、駅から徒歩圏の通勤・通学に利便性の高い地点となっています。

■千葉県
千葉県の全用途の対前年平均変動率は、平成26年以降、上昇傾向となっています。住宅地の対前年平均変動率についても0.4%(昨年0.2%)と堅調で、沿線別でみると、総武線・京葉線・東西線沿線(市川市~千葉市中央区、千葉市美浜区、浦安市)、都心と鉄道で直結する松戸市、鎌ケ谷市等の計20市区で上昇が見られました。

■茨城県
茨城県内の平均変動率の動向については、住宅地・商業地において下落(平成5年から26年連続の下落)したものの、その下落幅はいずれも6年連続で縮小しました。工業地においては、平成5年以来25年ぶりに上昇へと移行しました。

関西エリアの地価公示価格

H30関西エリア

■大阪府
大阪府の住宅地は対前年平均変動率が0.1%と10年ぶりに上昇しました。また、商業地は4.9%と5年連続で上昇しました。住宅地を市区町村別にみると、上昇率上位は、大阪市西区10.5%、大阪市浪速区7.6%、堺市北区4.6%、大阪市北区4.5%、大阪市福島区4.2%となりました。「利便性に優れる徒歩圏内の住宅地」で地価が上昇傾向にある一方で、「利便性に劣る徒歩圏外の住宅地」で下落傾向が続いており、住宅地の二極化が鮮明となっています。

■京都府
京都府域における地価の対前年平均変動率について、住宅地は0.3%と10年ぶりに上昇しました。また、商業地は5年連続の上昇となり、全体としては3年連続で上昇しています。個別の順位を見てみると、住宅地の価格および上昇率上位1位は、京都市上京区室町通となり、価格・上昇率ともに3年連続の1位となりました。

■兵庫県
兵庫県全体の地価は、住宅地で△0.4%の下落、商業地で1.7%の上昇となりました。住宅地においては、神戸市および阪神南地域で引続き上昇し、その他の地域では、住宅地・商業地ともに下落が続いているものの、概ね下落幅が縮小しています。住宅地・商業地のいずれも、都市部と地方部の地価の二極化が継続し、都市部の中についても利便性の高い地域とやや劣る地域との二極化が進んでいます。

■奈良県
奈良県の地価は、昨年同様下落基調にあり、全用途の対前年平均変動率は△0.3%の下落、住宅地は△0.5%の下落、商業地については0.4%の上昇となりました。個別の変動率順位を見てみると、住宅地の上昇率上位は、学園北1丁目3.7%、内膳町5丁目3.3%、西大寺国見町1丁目3.2%、右京4丁目2.8%、西大寺国見町2丁目2.5%となっています。

■滋賀県
滋賀県の全用途の平均変動率は△0.4%となり、10年連続で下落となりました。地価の動きは二極化傾向が継続しており、大津・南部地域の駅から徒歩圏内の住宅地域やJR線主要駅周辺の商業地域を中心に上昇地点が見られる一方で、人口減少が続く地域やバス圏等の利便性の低い地域を中心に下落が見られています。

中部エリアの地価公示価格

H30中部エリア

■愛知県
愛知県の対前年平均変動率は、住宅地では6年連続、商業地では5 年連続の上昇となりました。上昇幅は住宅地、商業地ともに拡大しています。地域別の地価を見てみると、住宅地では、名古屋市、尾張地域、西三河地域の上昇幅が拡大し、知多地域、東三河地域については下落幅が縮小しました。住宅地の変動率上位5位までの地点は、名古屋市中区、昭和区、豊田市および長久手市の地点となりました。

■岐阜県
岐阜県の対前年平均変動率については、住宅地が△0.7%、商業地が△0.4%、工業地が△0.3%、全用途平均が△0.6%となりました。住宅地および商業地において26年連続で下落となり、工業地においても10年連続で下落となっているものの、住宅地、商業地、工業地および全用途の下落幅は前年より縮小しています。

■三重県
三重県の対前年平均変動率は、全用途および住宅地で△1.4%、商業地で△1.3%と下落傾向を示しました。住宅地、商業地とも26年連続の下落となっているものの、今回は、宅地見込地を除くすべての用途で下落率が前年より低くなりました。

中国エリアの地価公示価格

H30中国エリア

■広島県
広島県の平均変動率は住宅地で0.6%、商業地で2.0%、工業地で1.3%と、全用途で上昇しました。広島市平均では、住宅地は4年連続で、商業地は5年連続で上昇となっており、上昇幅も拡大しています。区別平均では、安佐北区を除く7区において上昇し、安佐北区においては下落幅が縮小しました。

■岡山県
岡山県の平均変動率は全用途で△0.3%と26年連続で下落しているものの、前年に引続き、下落幅は縮小しました。市町村別に見ると、住宅地平均では、岡山市、早島町において上昇、そのほかの市町村においては下落となりました。

札幌エリアの地価公示価格

H30札幌エリア

■北海道
北海道の宅地等の価格は、依然として多くの市町で下落が続いているものの、これまでの地価下落による底値感などを背景に、下落幅が縮小した市町が多くあったことや、札幌市で住宅地、商業地の上昇が続いていることなどから、全用途の平均変動率は昨年に引き続き2年連続で上昇となりました。

東北エリアの地価公示価格

H30東北エリア

■宮城県
宮城県の平均変動率は、住宅地で2.7%、商業地で4.8%、工業地で3.5%と全用途で上昇しました。住宅地は全国2位の上昇率となり、なかでも仙台市の住宅地については、戸建住宅・マンション素地ともに需要が引き続き堅調です。特に、地下鉄東西線(平成27年12 月開業)の駅周辺での住宅地需要が旺盛で、上昇幅が昨年より拡大した地点が見られます。また、地下鉄沿線以外の郊外でも住宅需要は堅調です。

九州エリアの地価公示価格

H30九州エリア

■福岡県
福岡県全体における平均変動率は全用途で2.4%、住宅地で1.8%と4年連続の上昇となりました。住宅地の上昇市町数は21市町から25市町に増加しています。個別の変動率順位を見てみると、福岡市東区の鉄道沿線の住宅地が大幅に上昇しており、千早4丁目(変動率1位)や筥松2 丁目(同2位)といった地点が上位を占めたことが特徴的な動きとして挙げられます。


〔参考ページ〕
国土交通省 平成30年地価公示 http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/H30kouji_index.html
各都道府県 地価調査ホームページ
・東京都 http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/kijunchi/chikakouji.html
・神奈川県 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f4920/
・埼玉県 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0108/tikatyousa-tikakouzi-top.html
・千葉県 https://www.pref.chiba.lg.jp/youchi/toukeidata/chika/
・茨城県 http://www.pref.ibaraki.jp/kikaku/mizuto/tochi/chika.html
・大阪府 http://www.pref.osaka.lg.jp/yochi/chika/koji.html
・京都府 http://www.pref.kyoto.jp/youchi/tochi.html
・兵庫県 https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks19/h30tikakoji.html
・奈良県 http://www.pref.nara.jp/4878.htm
・滋賀県 http://www.pref.shiga.lg.jp/c/tochitai/chika/koji.html
・愛知県 http://www.pref.aichi.jp/soshiki/tochimizu/0000029550.html
・岐阜県 http://www.pref.gifu.lg.jp/shakai-kiban/kaihatsu/kokudo-riyo/11654/chika/kouji-seido.html
・三重県 http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0003300012.htm
・広島市 http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1300077163472/index.html
・岡山県 http://www.pref.okayama.jp/page/551844.html
・北海道 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stt/chika.htm
・福岡県 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/chikakouji30.html
※掲載地図については(財)土地情報センター「地価公示時系列データ平成30年版」の対前年変動率をもとに色づけを行っております。

ライフステージ: エリア投資

※本記事は記事執筆時点での情報に基づいています。