「蔵の町」のさきがけ、「リノベーションの達人」にみるオシャレ再生方法

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街のイメージは一度決まると、なかなか変わらないものです。
しかし、当然のことながら、どの街にも人を惹きつける魅力はあり、またその魅力を伸ばしていこうという努力も日々続けられているのです。

江戸時代、四宿として栄えた街道の街・北千住。交通のアクセスもよく、繁華街としても発展している街ですが、いままでは若者ウケする街ではありませんでした。

ところがここ数年、その若い世代を中心に注目を浴びているのです。その理由はいくつかありますが、ひとつにはオシャレスポットから下町的雰囲気への懐古主義的トレンドがあげられます。

歴史的にも北千住は日光街道沿いという交通の要衝にあるうえ、商家などが建てた蔵が現存する都内有数の「蔵の町」でもありました。その存在を見直し、区などの役所と商店街、さらに北千住在住のアーティストなどが協力して再生・保存を図ることにしたのです。

具体的には文化財としての指定・保存、あるいは商店やアトリエとしての再利用です。とくに後者は、生活空間、商業空間としての再生であり、リノベーションでもありました。また、前者の文化財指定などは、文化的リノベーションともいえるでしょう。

もちろん、北千住の再生計画は「蔵」だけではありません。古くからある寺社なども一体となり、街ぐるみで築き上げたものなのです。

このように、北千住の試みは既存の建物を大胆に再利用し、新たなライフスタイルへ導くリノベーションのベーシックなスタイルの成功例ともいえるでしょう。

リノベーションマンションのメリットは「家庭の団らん」

もちろん、リノベーションへの関心の高まりは、北千住だけに限ったことではありません。どちらかというと、マンション選びの選択では、優先順位が低くなりがちだったリノベーションへの注目はむしろ高まっているといえるでしょう。

その理由のひとつは、人々の生活が“回帰・懐古傾向”にあるということ。リノベーションの最大の特徴といえば、リフォームと違って既存の設計にとらわれず、部屋数などを大胆に作り直すことができることですね。そこにいまのトレンドである回帰・懐古傾向がマッチするのです。

まず、ファミリーを中心に考えた場合、みんなが集まる居間の心地よさが魅力となります。リフォームと違って部屋割り自体を変えてしまうこともできるリノベーションでは、家族の数に合わせて居間を大きくすることも小さくすることも可能です。

とくに「家庭の団らん」の必要性が叫ばれているいま、家族が居間に集まってリラックスして話せる環境はありがたいものです。それだけに、既存の2部屋、場合によっては3部屋をぶち抜いて大きな居間スペースを確保する人が増えているのです。

これだと、小さな子どもが少々、居間ではしゃぐことがあったとしても、両親は余裕を持って対処することができます。また、掘りごたつなどの日本情緒あふれる設備をデザインすることも可能です。掘りごたつを囲んでの家族団らんなどは、さぞかし良き時代の日本社会を思い返すノスタルジー感にもあふれていることでしょう。

もうひとつの回帰・懐古傾向があらわれているのが、「土間」の存在です。土間などというと、昭和の時代の生活空間…と思っている人も多いかもしれませんが、実際にはリノベーションでの土間人気はなかなかのものです。都会で庭を持つことは簡単ではないですが、生活空間に広めの土間を作ると、庭の概念自体が広がるようでもあり、気分は相当変わってきます。

また、土間はデザイン、空気感の問題だけではありません。

たとえば、いま多くの人に見直されている自転車。都会のマンションなどでは2台目の自転車置き場に困る!という思いをした人もいることでしょう。

しかし、土間を作ることで、自転車を置くスペースが確保されます。お気に入りのスポーツ自転車などなら、常に目につくところにあるとリラックスする効果もあるのではないでしょうか?

これはなにも、自転車に限ったものではなく、割とカサの張るもの…たとえばサーフィンなどでも同様です。

このように、居間や土間などを大胆に配置することができるのがリノベーションなのです。冒頭にあげた北千住の試みでもわかるように、すでに「あるもの」を有効利用することで、新たな生活空間も生まれます。リノベーションもまた、マンションの大きな選択肢のひとつではないでしょうか。

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