システムキッチンにフルオートバス…進化する最新住宅設備

ライフステージ:暮らし

先日、国立科学博物館で、「生き物に学び、くらしに活かす」(2016年4月29日~6月12日)という企画展が開催されました。バイオミメティクス(生物模倣)という分野で、一見、難しそうな研究ですが、実は「~くらしに活かす」というテーマの通り、我々の生活、とくに住環境に大きく関係しています。

このバイオミメティクスは、生物模倣というように、生来、昆虫や植物などがもっている体の構造や、生きるための機能を解明し、それを工学的に応用して暮らしに活かす研究です。

たとえば、私たちの住環境を支える建物にとっては天敵ともいえるシロアリですが、彼らが根城にする巣は、実はエネルギー効率に優れていることがわかったのです。それをもとに省エネの観点から、建物・室内の空調システムを有効的に使う研究がすでに進んでいます。

もっとも、研究自体は50年代から始まっており、蓮の葉にヒントを得た揮発塗料、それにいまや衣類の簡易ファスナーとして欠かせないマジックテープなども、バイオミメティクスの成果のひとつなのです。

このように、生物学と工学がクロスした研究が進んでいくと、我々の生活にも大きく影響していきます。そして、日進月歩の研究に負けないように、暮らしの必需品である住宅設備もまた、著しい進化を見せているのです。

たとえば、日本人が大好きなお風呂――。その入浴をより便利にしてくれたものに、フルオートバスがあります。

フルオートバスを一言でいえば、お風呂のお湯を「入れる」「沸かす」操作をボタンひとつで自動的に管理してくれるものです。もちろん、温度もその人の好みの熱さを指定すればOK。しかも、自動的に追い炊き管理もしてくれるという優れモノです。分刻みの日常生活を送らざるを得ない主婦(主夫)やビジネスパーソンにとっては、実に心強いシステムといっていいでしょう。

また、経済的にも非効率な「冷めたお湯を何度も沸かす」ことを避けるため、昔のように家族が時間を合わせて入浴するということは、もはや難しいでしょう。その点、フルオートバスなら、必要最小限のエネルギー消費で個々の都合を優先できることも嬉しいポイントです。

「良い」から「より良い」へ…進歩し続ける最新の住宅設備

このように、住環境の進化は「良い」は当たり前で、いまは少しでも「より良い」ということが目標となっており、またユーザーもそれを求める傾向にあります。

けっして世の中が「贅沢になった」という言葉だけで片付けられる時代ではありません。「時は金なり」という言葉が示すように、いま暮らしている社会では、物事を効率よく進めることは、多忙な日常生活を送る現代人にとって、より大事になっていくでしょう。

そして、より良い住環境のメリットを追求することは、現代社会の大敵といえるストレス対策ともつながっていきます。

お風呂と同様、大切な水回りであるシステムキッチン・シンクにしても、一昔前なら、水洗いに「静音」のキッチン・シンクが求められるようになるとは考えられませんでした。水のはねる大きな音は当然であり、避けられない生活音……という考え方が常識だったからです。

最新の工学技術など、さまざまな技術の進歩によって、そして都市空間における人間らしい暮らしを追い求めるなかで、フルオートバスや静音キッチン・シンクは開発・改良がなされています。

冒頭のバイオミメティクスを利用した住環境の革新も、ストレスの少ない、より良い生活のために、一翼を担っていくことでしょう。今日より明日、明日より明後日…ユーザーが求めるワンランク上の設備が、科学技術のインセンティブにもなっていくはずです。

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