【専門家が語る不動産投資】投資物件購入の「物件選びのポイント」とは?

ライフステージ:投資
タグ: 税金・制度

■「物件選びのポイント」は「目的」によって異なる

不動産投資の物件購入する際の物件選びのポイントについて整理してみたいと思います。

不動産コンサルタントの仕事をしていると、よく、「いい投資物件があったら教えて下さい!」と言われることがありますが、「いい物件」とは一体、どういう物件でしょうか?
もちろん、特段のネガティブな事情がないのに、相場より圧倒的に安く、持っていても利回りが高くて儲かる、売却しても転売益が出て必ず儲かるような物件があれば、誰にとっても「いい物件」と言えるかもしれません。
しかし、そういった超掘り出し物件が一般の方に回ってくる確率は非常に低いのが実情です。

では、どういう物件が「いい物件」なのかというのは一概には言えないと思いますが、少なくとも物件評価の側面からは、「いい物件」は「購入の目的によって異なる」と言えるでしょう。
例えば、地主・資産家の方が「相続税対策」を目的として投資物件を購入する場合と、会社員の方が銀行から融資を受けて複数物件の買い増しを視野に入れた上で、「副収入獲得」を目的として投資物件を購入する場合とでは、物件評価の側面による「いい物件」の基準は全く異なってくるからです。

■購入目的別の物件選びのポイント

それでは、「目的」別に「物件選びのポイント」を具体的に掘り下げて行きましょう。
まず、

①目的:相続税対策、対象:地主・資産家等 の場合

相続税対策として投資用不動産を購入するのは、相続財産の課税評価額(以下、「相続税評価額」という)を下げて、相続税額を減らすためです。
相続税を算出する際に計算される財産は、「プラスの財産」とされる、現金・預金や株式、土地、建物、生命保険金などの評価額の合計から、「マイナスの財産」とされる借入金や税金、買掛金など、加えて葬儀費用などを差し引くことで求められます。
現金・預金や有価証券は時価で評価されるのに対し、不動産である建物と土地は時価でなく次のような基準で評価されるため結果として、他の資産に比べて相続税評価額を圧縮することが出来ると言われています。

建物の評価額:「固定資産税評価額」が用いられます。
固定資産税評価額は、一般的に、建築費用の50〜60%程度の評価となることが多く、その分、相続税評価額を圧縮できます。
また建物を賃貸している場合は、評価額が固定資産税評価額から更に30%が控除されます。

土地の評価額:基本的に「路線価方式」(路線価が指定されていない地域の場合は「倍率方式」)で評価されます。
路線価方式では、その土地が面している道路に付けられている「路線価」に対して、土地の面積をかけることで評価額を計算できます。(土地の形状が複雑な場合などは、一定の補正を行います。)
路線価は国税庁のホームページ「財産評価基準書」に掲載されています。
一般的には、路線価方式で評価された場合、地価公示価格の80%程度の評価が目安となります。
(参照:https://pro.mf-realty.jp/column/detail/68/
また、その土地上の建物で賃貸経営をしている場合は、「貸家建付地評価」となり、さらに評価額を20%前後、圧縮することが可能となります。
加えて、小規模宅地の特例まで使用することが出来れば、そこから更に大幅に評価額を減らすことが可能です。
更に、物件購入に当たって、融資を受ける場合、借入金は相続税評価額から差し引くことが出来るので、節税効果を発揮します。

このように、賃貸不動産は、相続税評価額を圧縮する効果があるため、相続税対策に多く用いられます。この評価減の効果を大きくする物件というのは、「時価」と「相続税評価額」の乖離が大きな物件(「時価」より「相続税評価額」が低い)と言うことが出来ると思います。
例えば、市場価格3億円の物件の相続税評価額が1.5億円といったケースです。こういった物件は、「相続税評価額」の圧縮効果が高い、つまり相続税の節税効果が高いと言えるでしょう。
路線価は、実勢価格の80%程度を目安として設定されることになっていますが、実際には地域によって、バラツキが大きく、東京都心部では、路線価が実勢価格の50%程度といった地域もあります。一方で、地方では路線価が実勢価格を上回っているところもあります。
ですので、相続税対策としては、一般的に東京都心部の物件のほうが地方の物件よりも節税効果が高くなり、投資対象として適していると言えるでしょう。

ライフステージ: 投資
タグ: 税金・制度

※本記事は記事執筆時点での情報に基づいています。