住宅ローンは年収の何倍までがベスト?首都圏の新築の年収倍率は10倍越えの格差に…

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「家を買うなら年収の何倍が適当か?」という話は、これから住宅を買おうと考えている人にとっては気になる話題ですが、一般的にはサラリーマンで年収の5倍程度なら、無理なく買える範囲といわれています。

この住宅の価格と年収の比率は「年収倍率」と呼ばれ、住宅ローンの融資審査の際に、金融機関が融資金額の判断基準の目安とするためにも使われています。

その一方で、あるエリアの平均住宅価格と住民の平均年収の比率を算出したものも「年収倍率」と呼び、住宅の買いやすさ、買いにくさを表す指標となっています。こちらの年収倍率が、このところ拡大しているようです。

不動産専門のデータバンクである(株)東京カンテイは2016年7月18日、「都道府県別 新築・中古マンション価格の年収倍率2016」を公表しました。これは、県民経済計算の所得とマンション価格から新築・中古マンションの年収倍率を算出したもので、2015年に販売されたマンションの価格をもとに算出されています。

これによると、「新築」マンションの価格(70平米に換算した価格)の年収倍率は全国平均で7.66倍と、前年に比べて倍率0.49ほど拡大し、1992年の水準(7.64倍)を上回ったといいます。1992年といえば、まだまだバブル景気の余韻が強く残っていたころで、地価の高騰により住宅価格が庶民の手に届かないほどの高さになっていた時期でした。いまの年収倍率は、そのときを上回る格差となっているというのです。

とくに首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)では、新築マンションの価格が前年に比べて12.7%も上昇する一方で、平均年収は逆に515万円から4万円ダウンして511万円になったため、ついに10倍を突破して10.99倍となりました。

都道府県別では神奈川県(11.70倍)、東京都(11.30倍)、千葉県(10.43倍)、埼玉県(10.33倍)と、首都圏の1都3県すべてで10倍を超えたのは、バブル期以来のことです。

このほか、中部圏(愛知、岐阜、静岡、三重)でも7.12倍(倍率0.38拡大)、近畿圏(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)でも8.39倍(倍率0.44拡大)など、全国のほとんどの地域で年収倍率が拡大しています。ちなみに、年収倍率がもっとも低かったのは意外にも関東にある栃木県で、5.40倍でした。

首都圏から沖縄まで、年収倍率からわかる地域別・マンションの買いやすさ

中古マンション(築10年、70平米換算)における年収倍率のほうに目を向けると、全国平均で5.18倍と前年に比べて倍率0.26ほど拡大しています。これまでは4倍前後を推移していたようですが、2011年ごろから中古マンションの価格が上昇傾向に入り、年収倍率もそれにともなって拡大傾向になっているようです。

首都圏では平均価格が前年から5.7%アップして3420万円になる一方で、平均年収が下がっていることから、年収倍率は6.69倍と前年から倍率0.41ほど拡大。とくに東京は8.57倍と、倍率は0.96も拡大しています。その一方で埼玉は5.47倍、千葉は5.20倍と、前年とほぼ変わらず、しかも全国平均とも同じ程度であるため、中古マンションが比較的買いやすい地域となっています。

このほか、中部圏では4.51倍と倍率0.32の拡大、近畿圏では5.74倍と0.28の拡大という数字になっています。このなかでは京都が7.53倍と、東京に次いで全国2位という高い年収倍率となっていますが、これは、京都の中古マンションが全国富裕層からのセカンドニーズの対象として需要が高まりつつあるからのようです。

そして全国3位は沖縄で7.04倍。意外なところですが、年収は全国平均より82万円低いにもかかわらず、マンション価格は全国平均より200万円以上高いことが、その原因となっています。

住宅ローンの金利が1%以下となっている一方で、マンションの年収倍率は拡大を続けています。サラリーマンにとっては年収の5倍程度が買いやすい住宅価格の目安です。買う時期と場所選び、新築にするか中古にするかなど、慎重に考えていく必要がありそうです。

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