【専門家が語る不動産投資】賃貸不動産の維持コストを削減して手取りを増やす方法

ライフステージ:投資

■賃貸不動産の様々な維持コスト

賃貸不動産を所有・運営して行くには、光熱費、修繕工事費、管理委託費、保守点検費用、保険料、税金など様々なコストが生じるものですが、それらの中には、適切な対策を講じれば、削減できるものがありますので、今回は、具体的な削減策を複数、お伝えして行きます。
当たりまえのことではありますが、収入が同じでも、コストを削減できれば、利益は増えます。今回、お伝えする削減策の中には、初期投資が必要なものもありますが、なるべく、賃貸オーナーが初期投資のキャッシュアウトをせずに導入できる方法をご紹介いたします。

■共用部電気代などの光熱費の削減

まずは、賃貸不動産の共用部分にかかる電気代の削減策について、具体策を挙げさせて頂きます。

1. LED照明の初期費用0円導入

これは共用部分の照明を蛍光灯等から、LED照明に切り替えることによって、ランニングの電気代と管球交換コストを削減できるというものです。
標準的な蛍光灯の寿命が12,000時間なのに対し、LED照明は40,000時間と3倍以上、長持ちします。
東京都でも、集合住宅共用部の照明LED化を促進しています。
(参照:http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/home/index.html

① 省エネ効果

② 寿命で交換の手間もカット

但し、LED化にあたっては導入コストが必要となり、これが、導入の足かせになりがちです。そこで、LED化の導入コストを、一括支払いではなく、リースやレンタル方式にするという方法があります。
この方法ですと、毎月の電気代が下がった額の範囲内に、リース料またはレンタル料がおさまれば、賃貸オーナーとしては、当初のキャッシュアウト無しで、導入コストの手出し感なく、電気代を削減することが可能になります。
なお、導入にあたっては、以下のような点に気を付ける必要があります。

LED器具のメーカー・品質・保証等LEDへの切替方法(照明器具ごと交換か、管球のみの交換か)照明器具を交換する場合は、古い器具の跡が隠れるのかリース、レンタルの契約期間と期間終了後の取り扱い等

2. 電力会社の切り替え

ご承知の通り、2016年4月に電力小売りが全面自由化され、電力会社を自由に選べるようになりました。電力自由化以前は、地域ごとに決められた旧一般電気事業者(東京電力、関西電力等、以下、「地域電力会社」という)の電気料金プランしか契約できませんでしたが、電力小売りの全面自由化により、様々な会社が電力を消費者に直接販売できるようになり、賃貸不動産も、電力会社の切替により、電気代を削減できるようになりました。
物件が所在する地域や、消費電力量等にもよりますが、東京電力などの地域電力会社から、別の電力会社へ切り替えることによって、数%(目安として3~10%)程度の電気代の削減は可能になっています。
電力の契約には、従量電灯(照明等)、低圧電力(動力。エレベーター、給水ポンプ等)と、高圧電力(一括受電方式)があり、物件によって異なりますので、対象となる物件の契約内容、電力使用量に応じて、適した電力会社を選択する必要があります。
なお、電力会社を切り替えても、電気の質は変わりません。電気の質が落ちる、停電が増えやすくなることはなく、これまで通り安定した電気の供給を受けることが可能です。
万が一、切り替えた電力会社が倒産、事業撤退となった場合でも、次の電力会社へ切り替えるまでの間、地域電力会社が電気を届ける義務があるため、電気が使えなくなることはありません。とはいえ、既に、倒産、事業撤退した新電力会社が多数あるのは事実ですので、料金だけではなく、会社の規模・資金力や実績、電力の調達ルート、解約違約金の有無等も確認の上、切り替えを実施することをオススメいたします。

3. 電子ブレーカーの導入

ここでは、一般的な賃貸マンションを想定して、ご説明させて頂きます。
一般的にマンション共用部の電気料金には、電灯と動力の2種類があります。

電灯(従量電灯):共用廊下や階段の照明を点灯させる電力
動力(低圧電力):エレベーターや給水ポンプ等を動かす電力

電子ブレーカーは、このうち、動力(低圧電力)の電気代の基本料金を削減するものです。
電力会社は、低圧電力の料金プランを「負荷設備契約」(動力設備のモーター容量の総合計を基本料金として契約する契約)と「主開閉器契約」(ブレーカーで、施設内で同時に使用できる電力量の上限を制限した契約)の2種類用意していますが、通常は、負荷設備契約で電力会社と契約を結んでいます。これを、電子ブレーカーを用いることで「主開閉器契約」に変更し、基本料金を大幅に減らすことが出来ます。

おおまかな原理は以下のようなものです。
ご自宅に電気のブレーカーが付いているはずですが、ドライヤーとエアコンと電子レンジを同時に使っていたら、ブレーカーが落ちてしまったといった経験があるかと思います。家庭用の一般的なブレーカーは許容範囲以上の電流が流れると、配線等を守るために電流を遮断します(いわゆるブレーカーが落ちます)。
一方、電子ブレーカーは電流値をコンピューターで制御しており、許容範囲以上の電流が流れてもJIS規格の許容範囲内の時間内は遮断せずに作動するというものです。
一般的なマンションでは、動力(低圧電力)を使用する設備として、エレベーター、給水ポンプ、機械式駐車場等がありますが、例えば、負荷設備契約では全てのモーター容量を合計した19kWが基本契約電力となるとします。しかし、実際には常時稼動し続けるものは給水ポンプで、容量全体の過半を占めるエレベーターや機械式駐車場は長い時間連続して稼働することはありません。そこで電子ブレーカーと主開閉器契約を組み合わせると基本契約電力を6kWぐらいまで削減することができるといった具合です。
これにより、毎月の低圧電力基本料金が13,000円以上、安くなります。(契約容量、基本料金の削減幅は物件によって異なります。)

但し、電子ブレーカーの導入コストが必要となりますので、これもまた、一括支払いではなく、分割払いやリースを利用することで、電気基本料金の削減額の範囲内で、支払いを吸収できれば、導入当初の支払い無しに、手出し感なく、コスト削減を実現することが可能です。
導入にあたっては、電子ブレーカーの販売価格(工事費用を含む)はもちろんのこと、コストの回収期間を含めた費用対効果、削減する基本契約容量の設定に無理がないか(現地調査の実施の有無)、電子ブレーカーの耐用年数、保証・保守内容等を確認・検討した上で、判断する必要があります。

ライフステージ: 投資

※本記事は記事執筆時点での情報に基づいています。