不動産の価格推移について検証!今後の買い時は?

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不動産の価格推移について検証!今後の買い時は?

不動産の購入を考える際「物件の価格がどう推移しているのか」「いつが買い時なのか」は気になるポイントです。また、不動産購入検討者の多くが、2020年東京五輪前後の不動産動向に注目しています。

さらに、大阪でも万博の決定と共に、東京五輪のような不動産市場の活発化が期待されています。東京、大阪を含む国内の不動産市場は今後どのような価格推移をみせるのでしょうか。

この記事では、国土交通省などが公表する不動産価格に関わるデータを参考に、不動産の価格推移の状況を確認するとともに、今後の不動産の買い時はいつなのか、ということについてまとめています。

不動産価格の推移をチェック

不動産価格の推移をチェック

はじめに不動産価格の推移を見るために「地価公示」をチェックします。この情報から最近の土地価格の動きを知ることができます。

日本の地価がわかる、地価公示とは?

日本の地価がわかる、地価公示とは?

国土交通省が毎年1回、1月1日時点における標準地の1平方メートルあたりの地価(公示地価)を調査し公表しますが、これを「地価公示」といいます。ここで示される「公示地価」は土地の評価や取引の基準にもなる、日本の代表的な地価指標の1つです。

国土交通省の「平成30年の地価公示結果の概要」によると、全国平均では住宅地の平均変動率(基準地価ごとの変動率の合計を基準地の数で割った数字)が昨年の横ばいから10年ぶりに上昇しました。

その背景について、全国的に雇用・所得環境が改善するなかで、「交通の利便性が高い地域を中心に地価の回復が進展している」と国土交通省は分析しています。東京・大阪・名古屋の三大都市圏における住宅地では地価が上昇をみせており、とりわけ東京は頭ひとつ抜けている状況です。以下のグラフを見るとそれが良くわかります。

主要都市の住宅地における価格推移

三大都市の中でも東京圏と名古屋圏は5年連続して上昇しましたが、大阪圏では昨年の横ばいからわずかに上昇となりました。札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方四市も5年連続の上昇となり、上昇幅も昨年より拡大しています。

■国土交通省が公表する主要都市における住宅地価格推移

(資料:国土交通省 2019年9月21日時点の情報です。)

主要都市の商業地における最高価格の推移

続いて、住宅地の地価にも影響をおよぼすといわれる、商業地における地価の最高価格の推移を参考に見てみましょう。

■国土交通省が公表する主要都市における商業地の最高価格推移

(資料:国土交通省 2019年9月21日時点の情報です。)

全国主要都市での地価の最高価格は3年連続の上昇となっており、なかでも大阪圏は住宅地がわずかな上昇でしたが、商業地の上昇率は三大都市圏で最も高くなりました。さらに地方四市では、住宅地だけでなく商業地でも上昇するなど上昇傾向を強めていることがわかります。

これらの背景には、訪日外国人の増加や街の再開発などの進展より、主要都市の中心部において店舗やホテルの進出意欲が強いことが挙げられており、特に商業地の地価は堅調に推移しています。

公示地価と不動産価格指数の違いは?

公示地価と不動産価格指数の違いは?

国土交通省は公示地価のほかに「不動産価格指数」を公表しています。これは不動産価格の動向を示す統計データです。

前述した地価公示は地点単位の土地価格水準がわかるのに対して、不動産価格指数は広域的な不動産取引の時間的変化を把握できます。さらに、直近の不動産価格の動向が確認できる唯一のデータです。

では、実際の不動産価格指数を見てみましょう。

住宅の不動産価格指数

国土交通省によると、2019年5 月の不動産価格指数は、住宅地、 戸建住宅、マンション(区分所有)全てにおいて、前年と同じ月の指数と比較した場合で上昇しており、54か月連続で上がっていることがわかりました。2010年の平均を100とした住宅総合指数は115.6となりました。

■国土交通省発表、2019年5月の住宅価格指数

国土交通省発表、2019年5月の住宅価格指数

(資料:国土交通省 2019年9月21日時点の情報です。)

上記グラフを見ると、2013年以降、緑線で示されているマンションの価格が急激に伸びていることがわかります。戸建てや宅地については、ほぼ横ばいが10年以上続いており、マンションとの差が開き続けていることがわかります。これは住宅地が飽和状態にあることを示しています。特に首都圏をはじめとした大都市圏において、戸建て住宅の建設量は約10年間ほとんど変化がありません。

【令和元年8月】東京・横浜・千葉・埼玉の不動産価格推移

【令和元年8月】東京・横浜・千葉・埼玉の不動産価格推移

次に5年連続で地価が上昇している、東京、横浜、千葉、埼玉など、首都圏におけるマンション・建売住宅価格の推移を見ていきます。

マンション市場動向

不動産経済研究所の「首都圏マンション・建売市場動向2019年8月度」によると、2019年8月、首都圏では1,819戸のマンションが販売されました。前年の同月には1,502戸が販売されており、それと比較した場合21.1%の増加となっています。

発売戸数を地域別で見ると、東京都区部1,201戸(全体比66.0%、前年同月比117.2%増)、都下129戸(同7.1%、22.9%増)、神奈川県374戸(同20.6%、167.1%増)、埼玉県63戸(同3.5%、71.0%減)、千葉県52戸(同2.9%、89.3%減)で、東京都のシェア率は73.1%となっています。

■地域別の発売戸数とシェア率

(資料:不動産経済研究のデータをもとに作成。2019年9月21日時点の情報です。)

また、マンション1戸あたりの価格は6,405万円、1平方メートルあたり単価89.5万円。前年同月比で戸あたり1,045万円(19.5%増)、平方メートルあたりの単価は10.7 万円(13.6%増)でいずれも上昇しています。

続いて、地域別平均価格と1平方メートルあたりの分譲単価を下記の表で見てみましょう。

■2019年8月の地域別マンション平均価格と1平方メートルあたりの分譲単価
地域 地域別平均価格
(万円)
前年同月比
(%)
1平方メートル
あたり分譲単価
(万円)
前年同月比
(%)
東京都区部 7,173 -1.6 98.5 -17.9
東京都下 5,990 +18.4 92.0 +26.2
神奈川県 4,649 -7.9 66.7 -5.5
埼玉県 4,915 +18.6 70.0 +13.3
千葉県 4,121 +6.5 57.2 +11.5

(資料:不動産経済研究所のデータをもとに作成。2019年9月21日時点の情報です)

東京都区部で販売されたマンションの平均価格は7,173万円、神奈川県は4,649万円でしたが、この2つの地域では前年の同じ月と比較して販売されたマンションの価格が下がりました。

一方、東京都下は5,990万円、埼玉県は4,915万円、さらに千葉県は4,121万円と販売価格が高くなっていることがわかります。1平方メートルあたりの分譲単価も同様の上り下りをみせており、特に東京都の上昇率は26.2%増と大きく価格が上がりました。

建売住宅市場動向

続いて建売住宅の価格の動向をみていきます。不動産経済研究所によると、2019年8月の新規発売戸数は全国で320戸、前年の同じ月が272戸だったことと比較すると17.6%増となりました。また、前月の販売戸数375戸と比較した場合は14.7%減となりました。

2019年8月の地域別発売戸数は東京都126戸(全体比39.4%)、千葉県55戸(同17.2%)、埼玉県92戸(同28.8%)、神奈川県47戸(同14.7%)で、マンション販売戸数と同様に東京都が高いシェアをしめています。

続いて、地域別建売住宅平均価格を下記の表で見てみましょう。

■2019年8月の地域別建売住宅平均価格
地域 建売住宅平均価格(万円)
東京都 7,227.8
神奈川県 6,199.7
千葉県 3,923.6
埼玉県 3,922.5

(資料:不動産経済研究のデータをもとに作成。2019年9月21日時点の情報です。)

8月の地域別平均価格は東京都7,227.8万円、千葉県3,923.6万円、埼玉県3,922.5万円、神奈川県6,199.7万円となっています。

また、8月の1戸あたりの平均価格は5,558.6万円で、前月比総額では108.8万円減(-1.9%)、前年同月比総額では1,099.1万円増(+24.6%)となり、地域別建売住宅平均価格は昨年より上がっていることがわかります。

今後の不動産市場に影響を与えるトピック

今後の不動産市場に影響を与えるトピック

東京2020オリンピック・パラリンピックの開催決定後、東京では大規模再開発やインフラ整備が進んでいます。また、大阪は2025年万国博覧会(万博)の誘致に成功。万博開催地である夢洲までの鉄道延伸をはじめとした交通インフラ整備をはじめ、万博開催による経済波及効果を見込んだ不動産開発が計画・実施される可能性が高いとみられています。

これらの事柄は今後の不動産市場に影響を与えるのでしょうか、詳しく見てみましょう。

東京オリンピック・パラリンピック後の影響は?

東京五輪の開催が迫ってきました。不動産の買い時を知りたいと思っている人にとって最大の関心事は、五輪終了後の不動産価格の上下落ではないでしょうか。

東京五輪のためにつくられた選手村は、閉幕後にマンションとして販売されることになりました。このため当地の晴海や勝どきなどのエリアには不動産市場の影響が出ることが予想されていますが、他のエリアに関してはそれほどの影響は出ないと見られています。

また、「五輪後に不動産が暴落するのでは」という考え方の背景にあるのは、建設投資費の減少です。しかし、国土交通省の予測では2022年度の建設投資は、現在より少し増える水準だとされています。

現在、東京では建設設備の老朽化による潜在的な建て替え需要が強まっていることに加え、マンションも一戸建ても工事が遅れており、建設に時間を要する状況になっています。それは、五輪関連施設の建設需要などによる建設労働者不足が原因です。

ピーク時には約600万人いたという建築職人ですが、現在は400万人まで減少していることに加え、平均年齢が60代と高齢化しています。今後これらの職人が引退することを考えると人材不足はさらに深刻化しますが、建築需要がおさまる気配はなく、かつ建築費用が抑えられることもないでしょう。

2025年開催、大阪万博の影響は?

ポスト東京五輪となったのが、2025年大阪国際博覧会(万博)です。大阪圏の動向が注目を集めるなか不動産サービス会社のJLLは、大阪万博が大阪の不動産市場に与える影響を分析しました。

それによると、万博により都市インフラの整備や都市機能を担う不動産の開発が促進され、国際都市「大阪」の魅力を発信することで、世界のビジネスを引きつける絶好の機会になると予測しました。建設や不動産をはじめ、大きな波及効果を生むと見ています。

東京五輪では建設などインフラ整備にともなう経済効果は早い段階から確認でき、それよりも早い時期から地価上昇が始まり、不動産価格が跳ね上がりました。JLLは、大阪万博も、インフラ整備と再開発による不動産マーケットの価値向上を予想しています。

不動産の価格推移から買い時を見極める?

不動産の価格推移から買い時を見極める?

納得できる不動産購入をおこなうためには、不動産価格の推移や市場の動向を見極めることが重要です。不動産会社の担当者にまかせっきりにするのではなく、自らも不動産情報を収集し、状況を理解したうえで、最終的に心の底から「買ってよかった」と満足できることが理想です。

ここまで、公示地価や不動産価格指数、首都圏の不動産価格推移などの市場動向をみてきましたが、今後も主要都市ではマンションや戸建て住宅の価格が大きく下がることはなさそうです。

しかし、マイホームなどの不動産購入は市場の動向だけに影響されるものではなく、個人個人の事情を優先して考えるべきでしょう。例えば、購入を検討している人が早期に不動産を取得すれば、住宅ローンを早く完済できます。今後の人生100年時代を考えると、早めに住居を確保しておくことも大切、という考え方もあります。
また、買い時を待っている間は、継続して賃貸家賃を払うことになります。

まとめ

  • ・主要都市の住宅地における価格推移は5年連続で上昇傾向が続いている。
  • ・主要都市の商業地の最高価格推移は3年連続で上昇しており、大阪圏が最も高い。
  • ・2013年以降マンションの価格が急激に高騰しているが、戸建てや宅地はほぼ横ばいの状態が続いている。さらに、戸建てや宅地の建設量は約10年間ほとんど変化がないことから、住宅地は既に飽和状態である。
  • ・マンション市場は東京都の価格上昇率が最も高い動向をみせている。
  • ・今後の不動産市場に影響を与えるのは、東京オリンピック・パラリンピック、2025年に行われる大阪万博である。
  • ・2025年に行われる大阪万博では土地のインフラ整備と再開発による不動産マーケットの価値向上が予想されている。

この記事では、物件の価格推移や買い時、2020年東京五輪前後の不動産動向が気になる不動産購入検討者に向けて、国土交通省などが公表する不動産価格に関わるデータを参考に、不動産の価格推移などをまとめてきました。

住宅地の価格は全国的に、特に主要都市では上昇傾向にあることや、不動産価格指数も、住宅地、 戸建住宅、マンション(区分所有)全てにおいて上昇しており、54か月連続で上がっていることがわかります。

また、首都圏のマンションの販売価格は、東京都区部と神奈川県において前年同月比で若干価格が下がりましたが、いまだ上昇基調にあります。さらに今後、大阪圏では万博による不動産市場の活性化が予測されています。

不動産を購入するタイミングを見極めるために、以上の不動産動向を理解しておくことが、さまざまな判断材料になってくることは間違いありません。買い時となるのは、不動産市場の動向を注視しながらも、あくまで自分の事情に照らした判断がポイントになるでしょう。


参考URL:
【主要都市の住宅地における価格推移】
http://www.mlit.go.jp/common/001304217.pdf

【主要都市の商業地における最高価格の推移】
http://www.mlit.go.jp/common/001304217.pdf

【住宅の不動産価格指数】
http://www.mlit.go.jp/common/001304217.pdf

【マンション市場動向】
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/394/am6e2wtt.pdf

【不動産価格の推移をチェック】
https://miraimo.com/15880

【地価公示とは?】
http://www.mlit.go.jp/common/001228301.pdf

【公示地価と不動産価格指数の違いは】
https://www.athome.co.jp/contents/words/term_2642/
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
http://www.mlit.go.jp/common/001304217.pdf
https://miraimo.com/15880

【最新!東京・横浜・千葉・埼玉不動産価格推移】
https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/394/am6e2wtt.pdf

【今後の不動産市場に影響を与えるトピック】
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57243
https://www.joneslanglasalle.co.jp/ja/newsroom/the-impact-of-osaka-expo-2025-on-real-estate-pr

【不動産の価格推移から買売のタイミングを見極める】
https://o-uccino.com/front/articles/49457
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※本記事は記事執筆時点での情報に基づいています。