2017年度 基準地価格からみる不動産マーケット

ライフステージ:投資

不動産価格を調査した公的な指標の一つ「基準地価格」の2017年度版が、各都道府県から公表されました。「基準地価格」をもとに、7つのエリアに分けて、最新の不動産マーケットをお知らせいたします。ご自身で所有されている不動産や、購入を検討しているエリアのマーケットが、どのように推移しているのか等、今後のライフプラン形成に是非お役立てください。

三井不動産リアルティ鑑定室の見立て

東京圏の住宅地は、都心部、城南、城西エリアでは急激な上昇の反動もあり上昇に一服感がみられますが、相対的に割安感のある城東、城北エリアの上昇率が強くなっています。今後については、オリンピックを見据えた市場の動きに関心が集まっていますが、低金利の継続、ローン控除等、住宅取得環境は依然良好であり、当面、住宅市場は安定して推移するものと思われます。
3大都市圏、その他の政令指定都市の住宅地については、追い風の取得環境が継続する限り、総じて安定局面が続いていくものと考えられます。また、バブル崩壊後の最高値更新をした株高の恩恵も、好調な不動産市場にプラスに作用しています。

首都圏エリアの基準地価格

H29首都圏エリア

■東京都
東京都全域でみた場合、住宅地・商業地・工業地で、対前年平均変動率は5年連続プラスとなりました。住宅地の特徴的傾向をみると、区部では、マンション画地を中心とした都心3区(千代田区、中央区、港区)の地価上昇に鈍化が見られる一方、交通利便性が高く、相対的に価格水準が低い地域を中心に、変動率の高い地点が現れています。多摩地区については、良質な住環境が形成された区部近接の鉄道沿線地域などの、戸建住宅画地を中心に、変動率の高い地点が現れています。

■神奈川県
神奈川県内の住宅地については、上昇・横ばい地点の占める割合が62.6%と若干拡大しましたが、県全体の平均変動率は△0.2%と前年並みの下落となりました。その要因としては、都心接近性に優れた駅徒歩圏で、利便性のよい住宅地は、需要が堅調であるものの、地価上昇による割高感等から一部で上昇幅が縮小し、また、駅徒歩圏外、駅まで起伏のある地域や、都心接近性に劣り、人口減少、高齢化が進行する地域の住宅地は、需要が弱く下落幅が拡大しており、さらなる選別化と都心回帰が進んでいることがあげられます。

■埼玉県
埼玉県の住宅地については、都心30km圏内を中心に上昇し、平均変動率0.1%と9年ぶりのプラスに転じました。県北、秩父地域は下落傾向が継続しているものの、下落幅は縮小しています。個別の変動率順位を見てみると、住宅地の変動率1位(川口市本町4丁目)および3位(さいたま市南区鹿手袋4丁目)地点は、都心への通勤・通学に利便性の高い駅周辺、2位(越谷市大字大道字房田)地点は新規道路の開通など利便性向上が図られた地点となっています。

■千葉県
千葉県全域でみた場合、対前年平均変動率が、商業地・工業地・全用途平均ともに前年に引き続き上昇しました。住宅地については平成27年から横ばいです。沿線別でみると、総武線・京葉線・東西線沿線の浦安市~千葉市(若葉区、緑区を除く4区)や、常磐線・つくばエクスプレス線・北総線沿線の松戸市、流山市、鎌ケ谷市等で上昇が見られました。

■茨城県
茨城県内の平均変動率の動向については、住宅地・商業地において下落(平成4年から26年連続の下落)したものの、その下落幅はいずれも6年連続で縮小となっています。地価の上昇が見られた住宅地としては、鹿嶋市6地点、つくば市4地点等の23地点となりました。

関西エリアの基準地価格

H29関西エリア

■大阪府
大阪府の住宅地は4年連続の横ばいとなりました。また、商業地は+5.0%と、5年連続の上昇となり、上昇幅は拡大しています。住宅地を市区町村別にみると、上昇率上位は、大阪市北区5.1%、大阪市福島区3.7%、大阪市浪速区3.6%、堺市北区3.1%、大阪市天王寺区1.6%となりました。「利便性に優れる徒歩圏内の住宅地」で地価が上昇傾向にある一方で、「利便性に劣る徒歩圏外の住宅地」で引き続き下落傾向が続いており、住宅地の二極化が鮮明となっています。

■京都府
京都府域における地価の対前年平均変動率は、住宅地は前年に続き△0.3%と10年連続で下落しているものの、全体としては1.2%と、2年連続の上昇となりました。住宅地において、外国人観光客を対象とした宿泊施設用地需要のある地域や、駅徒歩圏の利便性の高い地域で上昇が見られる一方、市部の中でも駅から遠い郊外や丘陵地の地域、人口減少や高齢化が進行する郡部では需要の減少に歯止めがかからず、二極化はますます進行しています。

■兵庫県
兵庫県全体の地価は、住宅地で1.2%の下落、商業地で0.2%の上昇となりました。住宅地においては、神戸市は0.5%で前年並、阪神南地域は0.7%で上昇幅が縮小、阪神北地域は△0.5%で前年並となっています。なお、昨年、144地点であった地価上昇地点は、今年は137地点に減少しています。

■奈良県
奈良県の地価は、依然として緩やかな下落基調にあり、全用途の対前年平均変動率は△0.7%となりました。住宅地については、平均では△0.9%となり、9年連続の下落です。ただし、昨年に引き続き、奈良市、生駒市、香芝市の3市については平均変動率が上昇しており、利便性・環境とも良好な人気のある住宅地を中心に需要が集中する傾向が見られています。

■滋賀県
滋賀県の全用途の平均変動率は△0.5%となり、9年連続で下落となりました。地価の動きは二極化傾向が継続し、大津・南部地域の駅から徒歩圏内の住宅地域やJR線主要駅周辺の商業地域を中心に上昇地点が見られる一方で、人口減少が続く地域やバス圏等の利便性の低い地域を中心に下落が見られています。

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※本記事は記事執筆時点での情報に基づいています。