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赤坂の文化を守りつつ、料亭ビジネスを改革

赤坂に花街が形成されたのは明治後半以降。官公庁が近く、陸軍施設があったことから軍人や政治家が集まった。第二次大戦後、赤坂の花街はさらに発展し、高度経済成長期にピークを迎える。1971年に創業された料亭「赤坂浅田」の三代目社長、浅田松太氏は「創業時は料亭が約60軒、芸者衆が約400人だったといいます。現在はともに約20分の1の数になりました」と現状を語る。

赤坂浅田のルーツは、江戸時代に加賀藩の飛脚を取りまとめ、参勤交代のサポートをする役目を担った商家が明治初年に金沢に開いた旅館である。銀行マンを経て赤坂浅田を運営する浅田屋伊兵衛商店に入社した浅田氏は、2008年現職に就くと、料亭という業態や自社の特徴を見つめ直し、潜在的ニーズを掘り起こしてきた。その取り組みの一つが昼の営業である。「料亭は夜のイメージですが、土日の昼のご予約を受け付けてみると近くの氷川神社でのお宮参り、結婚式など、ご家族のニーズがあると分かりました。そこで平日の昼にも営業すると今度はビジネスランチのご予約をいただけるようになりました」と浅田氏。ことに訪日中も忙しく、観光の時間がない海外の政財界人に、日本らしさを五感で楽しめる赤坂浅田の加賀料理の昼食は大好評という。ちなみに赤坂浅田で扱われる食材は多くが石川県産で、魚介類や加賀野菜は現地の市場から北陸新幹線で運ばれてくる。

赤坂浅田を「一見さん」が利用できるようにしたことも浅田氏の改革である。かつて料亭の会計は後日請求するのが一般的だったので、信用という点で紹介制に意味があった。しかし、後日請求は海外からのゲストに向かず、紹介制が安全とも言えなくなった。芸者衆のおもてなしも、赤坂浅田では事前に料金体系を詳しく説明し、理解と同意を得たうえで新規の予約を受け付けている。この方法で初来日の外国人旅行者にも安心して料亭文化を味わってもらえているという。浅田氏は「料亭が培ってきた技術や技は、個人のお客様や外国の方々にも喜んでいだけるものだと実感しています」と料亭の新しいユーザーが赤坂文化の支え手になることを期待している。

赤坂の繁華街にしっとりとした情緒を漂わせる外観。家紋を染めた暖簾の奥には別世界が舞っている。

部屋は全室個室で、2名から最大80名までの利用が可能。隣り合う部屋でもなるべく顏を合わせない造りとなっている。

夏の定番メニューの例。石川県産の食材をふんだんに使った加賀料理をいただくことは、能登半島大地震でダメージを受けた石川県の生産者の支援につながる。九谷焼はじめ加賀ゆかりの器の美しさにも注目を。

赤坂の芸者衆は明るく華やか。写真中央の育子さんは2016年に芸者で初めて「旭日双光章」を受章し、84歳になった現在も第一線で活躍している。

協力:赤坂浅田
(港区赤坂3-6-4 Tel.03-3585-6606(代))

浅田屋伊兵衛商店株式会社浅田 松太(あさだ しょうた)(あさだ しょうた)

浅田屋伊兵衛商店株式会社浅田 松太(あさだ しょうた)(あさだ しょうた)

浅田 松太
浅田 松太

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REAL PLAN NEWS No.124 掲載

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