赤坂
山王坂の人々が推す、心を表現できる手土産
赤坂柿山
赤坂から永田町二丁目に向かう山王坂は、江戸時代は日枝神社の社地だった。現在は2棟の衆議院議員会館が並ぶ山王坂を下り切った交差点近くに本店を構える「赤坂柿山」は高級おかきというジャンルのパイオニアである。富山出身の創業者のアイディアは、赤坂の人々に支えられて実を結んだ。
山王坂
徳川将軍家の氏神とされた日枝神社は、旧名を日吉山王(ひえさんのう)権現といい、山王社とも呼ばれる。江戸時代は徳川家の庇護のもと広い社地を所有し、山王坂は社地内の表参道だった。
日本の中心で高級おかきを発信
赤坂は老舗菓子店の多い街である。1971年創業の「赤坂柿山」も既に半世紀以上の歴史をもつ。初代社長はもともと富山の製菓店の東京営業所として上京し、富山名産のおかきを贈答品として商品化するアイディアを実現するため独立した。「はじめは西荻窪にいて、ビジネスを本格的に展開するため、政治経済・文化の中心地である赤坂を選んだそうです」と現在の本店長、細渕克己氏はその英断に敬意を表す。初代社長が赤坂の社長たちと交流を深めるため小唄を習い始めたところ、その関係の人々に商品が気に入られ口コミで広まったという逸話も残る。
半世紀で首都圏他に合計約40の店舗を構えるほどに成長した理由の第一は、米菓としての魅力である。原料には主に富山県特産の「新大正もち米」を用い、もち米の田と同じ水系を使える富山の工場で生産することにより、自然な風味と食感をつくりあげている。
贈答品としての美しさと食べやすさにもこだわってきた。創業当時の米菓としては異例の個包装を採用したのは、最後の一つまで捨てられず、おいしく食べられるようにという、今でいうフードロス対策でもあった。また、外箱は食べ終わった後に小物入れなどに使え、ユーザーのそばで役立つことを目指してきたという。細渕店長は「オリジナル風呂敷、ポチ袋入りのセットなども人気です。おかきを通じて日本文化の良さに親しんでいただけたら」と語る。
目下の課題は外国人に対してのアピールだ。海外ではまだ日本の米菓はあまり知られていないが、赤坂に外国人旅行者が増えている現在、彼らの来店が増えればSNSでの紹介も増えることが見込まれる。赤坂といえばOKAKIの時代が来るかもしれない。

3種類の人気商品をセットにしたロングセラー商品「柿山セレクト」は、黒地に金銀をあしらった高級感のある装い。15枚~101枚まで5タイプ。

四季の風物詩をモチーフにした季節商品は若い世代にも人気。夏限定の「東京縁日」は、金魚やスイカの形のあられ、トウモロコシ味のおかきなどで、縁日の楽しさを表現。

1973年より現在地に本店を構える。開店の9:30からビジネスの手土産を求める人々が集まる。
協力:株式会社赤坂柿山 赤坂総本店
(港区赤坂3-6-10 Tel.03-3585-9927)
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赤坂エリア全体MAP
REAL PLAN NEWS No.124 掲載
