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  4. 代官山T-SITE 代官山蔦屋書店 - 代官山 CULTURE CREATION

生活を提案する書店

2011年12月に開業した「代官山T-SITE」はTSUTAYAとして書籍、CD、DVD等の販売とレンタルを行ってきたカルチュア・コンビニエンス・クラブが初めて手がけたライフスタイル提案型の商業施設である。コンセプトは「大人のための文化の牙城」。主なターゲットはシニア世代だった。「私たちは50代以上のお客様を『プレミアエイジ』と呼び、その年代のお客様がくつろいで本、音楽、映画などを楽しめる、森の中の図書館のような場所を目指しました」と本所館長。代官山が選ばれたのは、洗練された街の雰囲気、文化を発信し続けてきた街の歴史などが理由だった。

T-SITE内の店の名は「蔦屋書店」とし、従来のTSUTAYAではないことを表現した。「私たちはライフスタイル提案型書店として、書籍と一緒に雑貨、家電、アート作品なども一緒に展開しています。たとえば、料理本の売場に鍋料理の本と一緒に鍋や調味料も置いたりします。各売り場で何を展開するかを決めるのは、コンシェルジュと呼ばれるその分野の専門家たちです。彼らは通常の接客もバイヤーもやってマーチャンダイジングもやる、といった感じですね」(本所館長)。こうした店づくりにより、蔦屋書店は「自分が思ってもみなかったものに出会える」「発見がある」とシニア世代よりも下の世代やインバウンドも引き寄せた。

コロナ禍は代官山T-SITEにも大打撃だったが、近隣住民は自宅で読む本を求めて足を運んだ。地域に支えられていることを強く感じた本所館長は、夏祭りを地域全体でやろうと地域の小学校や商店会等に声をかけ、「爽涼祭」という地域の行事を立ち上げた。また、リモートワークの広がりを受け、「クリエーターをインスパイアし、発想をシェアする空間を」と、10周年の2021年、2階の音楽フロアをシェアラウンジに変えた。現在シェラウンジはレンタル事業にかわる同社の重要事業の一つとなっているが、代官山はとくに業績好調で、午前の利用も多い。地域の人々の生活の一部となっていることはリアルな書店としてこの上ない強みといえよう。

あたたかみのあるインテリアの、書斎のような売場が連なる。コンシェルジュと呼ばれる各分野の目利きたちが腕をふるった書棚の本の配列は、タイトルを眺めているだけでも楽しい。一部の棚には貴重な古書も。

Tの字のガラス繊維強化コンクリートのパネルを編むように配置し、壁面に大きく白いTの字を表し、看板のかわりとする。設計を手がけたクライン・ダイサム・アーキテクツはDesign for Asia賞 商業施設部門 大賞などを受賞した。(写真:蔦屋書店)

用途を限定していないことから、シェアオフィスではなく「シェアラウンジ」という名に。平日も休日も、オープンの午前9時から多くの人が利用している。(写真:蔦屋書店)

昭和初期この地には水戸徳川家と実業家の邸宅があり、その後どちらも企業の社宅となった。その時代の高木を残しつつ植栽を行ったため、豊かな緑に包まれている。

ドッグフレンドリーな施設でもあり、ショッピング中に愛犬を待たせるための犬用リードフックがあちこちに。

協力:代官山T-SITE
(渋谷区猿楽町17-5 Tel.03-3770-2525

蔦屋書店事業本部 代官山T-SITE 館長本所 優(ほんじょ ゆう)(ほんじょ ゆう)

蔦屋書店事業本部 代官山T-SITE 館長本所 優(ほんじょ ゆう)(ほんじょ ゆう)

本所 優
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REAL PLAN NEWS No.125 掲載

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