
【入居相談事例】
住み慣れた地域で家庭的なホーム
こんにちは。株式会社ソナエルの相談員をしております、中(なか)と申します。当社は、2008年の創業より年間約10,000件の老人ホームの入居相談をお受けしており、3,000名を超えるご入居に関わらせて頂いております。介護が必要な方、介護も医療処置も必要な方、身寄りがいない方、元気なうちから入居されたい方など、ご相談内容は多岐にわたります。
今回のご相談事例は、認知症の症状があり、注意散漫なところがあるためスタッフとの距離が近く、いつも周りに人がいる環境を望まれたケースになります。
《入居検討者》
年代性別:80代後半女性
同居家族:一人暮らし
介護認定:要介護1
状況:
同じマンションにご子息世帯がお住まいですが別の階になり、ご子息夫妻は仕事をしておりますので日中帯の関わりはあまり持てない状況です。
介護保険でデイサービスや、訪問介護、訪問看護を利用して生活をされております。要介護1ですので、身体的な介護はあまり必要ではないですが、動作はゆっくり。認知症の初期症状があり、戸締り、火の元、家事は心配な点が多い。
訪問介護のヘルパーさんのご利用が多いため介護保険の枠を超えての介入になり自費負担になっておられます。このようなご生活を約3年間送られております。今後の認知症の進行具合や加齢に伴う介護の必要性など踏まえそろそろ老人ホームを探しておこうか、とのご相談になりました。
《要望》
・生まれてからずっと同じところに住んでいるため地元を離れたくない。
・認知症のため介護拒否や被害妄想、帰宅願望、少し暴言等があるが、このような症状でも大丈夫かと心配。
・大人数のホームよりも小規模なところで家庭的な雰囲気の中で過ごせるようなところが落ち着く。
・ご予算は年金と貯金を利用しながら毎月20万円弱がご希望。
ご相談は、ご本人のご自宅にて、ご子息夫妻、ご本人ご担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)と私の計4名にて行わせて頂きました。ご本人には認知症の短期記憶障害や、被害妄想も若干あり、老人ホームのご相談の場面に同席されると混乱もされるかも知れませんので、ご子息様、ケアマネジャーのご意向でご本人がデイサービスに行かれている間に行わせて頂きました。
まずは、ご自宅近隣でどんな老人ホームがあり、どんな種類で、どのような役割があるかをご説明させて頂きました。その中で今回は、住み慣れた場所でのお探しと少人数のホームの良さ、介護スタッフとのかかわり面を加味しましてグループホームを中心にお探しをさせて頂くことになりました。
以下の留意点を踏まえ、ご提案させていただきました。
①ご入居要件
グループホームは、地域密着事業になりますので一部の例外を除き多くは住民票のある自治体でのお探しとなりますので、必然的にお探しできる場所はお住まいのエリアに限られます。介護認定にも要件があり、要支援2以上が条件になります。
グループホームは別名称では認知症対応型共同生活介護といい、認知症のご高齢者を対象としているため、主治医からの認知症の診断が必要になります。
②帰宅願望、介護拒否、暴言について
ご自宅へのヘルパーさんの来訪時やデイサービスに行く直前、ご入浴のタイミング、水分摂取の時間等、はじめてのお誘い時に上記症状が出やすいとのことでした。ケアマネジャーの事前の計らいもあり、2~3か月前から定期的にショートステイをケアプランに組み込み、お泊りをして頂き、ご自宅以外の環境に少し慣れて頂くことなども行って頂きました。お泊りの初日は症状が強く出ましたが、翌日、翌々日とホームのスタッフの方も慣れ、ご本人も生活リズムが整ってくると穏やかになられたそうです。
③空室が少ない
グループホームは定員が9名(1ユニット)、もしくは18名(2ユニット)と非常に小規模です。少人数制で、日々の家事や余暇活動の一環でお散歩などをみんなと行い、ご自宅の延長線上のような暮らし方をコンセプトにし、認知症の進行を緩やかにする目的の介護施設となっております。
例えば特別養護老人ホームや有料老人ホームですと100名を超えるところも少なくなく、退去者数も毎月一定数おりますが、グループホームの場合はその限りではございません。

空室があり、行きやすいご存知の場所で2か所ほどございましたので、ご子息夫妻とご見学の段取りをさせて頂きました。アドレス面では同じような場所で、費用も大差はありませんが、2か所それぞれ雰囲気は異なります。小規模ゆえに男女比や、ご自身と同じようなお身体のご状況の方が多いのか、もう少し重介護の方が多いのか、団らんの雰囲気があるのか否か、施設のまわりには余暇を過ごせる場所があるか、等々細かい現地での確認作業はございます。
まずは、ご本人へは告げずにご子息夫妻と私にてご見学へ行かせて頂きました。2か所目のホームで、ご子息夫妻が想い描いていた雰囲気で、スタッフの方のご入居者への接し方など安堵感もあり、こちらのホームでお世話になることになりました。
グループホームはご入居者も9名と少なく、スタッフの方もいろいろな方がいらっしゃるというよりは、ほぼ固定でのシフトとなり、毎日同じスタッフのご対応になりますので、他の種類の老人ホームよりも相性は重要になるように思えます。
後日、ご本人も含めご見学した際には、施設長自らがご自宅までお迎えに来られ、ご自宅でのご様子なども詳しくヒアリングしていただき、ご入居後も相違の無いようにご配慮下さりました。
春から夏にかけてのご相談でしたので近年の猛暑でエアコンの操作などの不安もあったそうですが、無事にご入居されて安心されておりました。ご家族のご訪問時にも、「いつ帰れるの」などはなく、「気を付けて帰ってね」の言葉を頂くようです。
(旧:株式会社シニアホーム相談センター)株式会社ソナエル(旧:株式会社シニアホーム相談センター)
2008年の創業以来、有料老人ホーム等の入居相談受付、最適なホームのご紹介を行っている。
リアルプランでは、税理士、弁護士をはじめとした各エキスパートとネットワークを形成。
皆様の資産の将来を見据えた資産形成のお手伝いを致しております。