【入居相談事例】
ご家族も通いやすい老人ホーム探し
こんにちは。株式会社ソナエルの相談員をしております中(なか)と申します。当社は、年間約10,000件の老人ホームの入居相談をお受けしており、3,000名を超える入居に関わらせて頂いております。介護が必要な方、介護も医療処置も必要な方、身寄りがいない方、元気なうちから入居されたい方など、ご相談内容は多岐にわたります。
今回のご相談事例は、ご夫婦二人暮らしで奥様が在宅介護をしているご主人様の老人ホームを探したいというご相談事例です。
《入居検討者》
年代性別 : 90代男性
同居家族 : 奥様との二人暮らし
介護認定 : 要介護4
状況 : 介護保険サービスを利用しながら在宅介護をしております。訪問介護、デイサービス、訪問看護、訪問医、訪問リハビリを利用されております。レビー小体型認知症があり、口数はもともと少ないものの、最近少し怒りっぽくなられたご様子。服薬でご様子見。お身体の介護面では、室内は掴まりながら歩行はできるが立ち上がりや起き上がりの動作に不安があり日常的に奥様やヘルパーのお手伝いが必要です。外出時は車いすをご使用されています。
《要望》
● 奥様は80歳代後半。なるべく面会は頻繁に通いたいので電車よりはバスで通える範囲内が理想です。
● ご自宅近隣のグループホームは数か所見学してみたが、女性のご入居者が非常に多く、ご主人様だけ男性になってしまうことにご不安を感じ、ご主人様には合わないご印象をお持ち。
● ご予算は月額利用料10万円前後。年金と貯蓄からのお支払い。
● ご自宅近くに月額利用料9万円と記載があった有料老人ホームのチラシを見て、入居可否についてのご質問がございました。
今回のご相談者は東京都にお住まいのご夫妻になります。お子様は九州や東北にお住まいのため、ホーム探しに関してのご見学やご相談、実際にご入居された後も頻繁に関わることは難しいとのご事情がありました。そのためご要望としては、奥様一人でも通える立地であること、ご予算から大きく外れない費用であることの2点を重視されておりました。ご要望を踏まえまして、土地勘のある立地で費用面も比較的抑えられる、特別養護老人ホームをお探しの軸として、以下留意点を踏まえご提案させていただきました。
① 費用面について
一般的に東京都の有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅の場合の月額利用料の相場は25万円から30万円前後になります。グループホームの場合でも15万円から20万円程が相場となっており、今回のご希望には合いませんでした。
特別養護老人ホームの場合は、4人部屋の多床室で10万円前後、個室のユニット型で15万円から20万円と、比較的費用を抑えることができます。よって、特別養護老人ホームの4人部屋をご提案させて頂きました。
なお、ご質問があった、チラシ掲載の月額利用料9万円有料老人ホームは、入居要件の対象疾患が限定されているホームで進行性神経難病(パーキンソン病など)やガンの末期の診断をお持ちの方といった方のみがご入居ができるというホームでした。近年増えている病名に特化したホームでしたので、今回は対象外となりました。
② 特別養護老人ホームの空室状況ついて
特別養護老人ホームはどこも満室のイメージが強いかも知れません。新聞やニュースでも待機者多数など報道されております。確かに都市部では満室も多いですが、少しエリアを広げると空室がある場合もございます。今回は奥様が通える距離を考慮の上ホームを選定させて頂き、各特別養護老人ホームにお問い合わせいたしました。
③ 特別養護老人ホームの種類について
特別養護老人ホームには、大きく分けて地域密着型と広域型があり、住所地によってはご入居を制限されることがあります。地域密着型は原則としてホームがある市区町村に住民票がある方がご入居できます。広域型は市区町村をまたいでご入居できますので他都道府県からでもご入居可能です。今回はご自宅近隣の地域密着型が満室でしたので、広域型をご提案させて頂きました。
                      上記を踏まえまして、ご相談者のご自宅にて担当ケアマネジャー様の同席のもとご相談を承らせて頂きました。空室のある費用を抑えた有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のご提案も織り交ぜながら、主に利用するバス路線や、駅などアクセスに関してもご確認させて頂き、ご主人様の希望や、奥様の想い、ケアマネジャー様からの日々の介護に関しての留意点等々共有させて頂きました。
特別養護老人ホームに関しても事前に空室確認、お受入れ確認をさせて頂きました。広域型の中で待機者数が10名以下の特別養護老人ホームがございました。担当者の方に現状をお話ししたところ、当該ホームは100室を超える大きなホームのため、月に1~2室程度空室が出るため、現在の待機者数の10名以下を鑑みますと3か月から半年以内程で順番が回ってくるとのことです。
もし、お急ぎでご入居希望の場合には、当該ホームに併設しているショートステイをご利用頂きながら順番を待つことも可能です、とご提案を頂きました。ショートステイは1か月間のうち2週間程のご利用になるためご自宅との行き来が必要になりますが、当該ホームの方が送迎して下さるとのことです。
その旨をご夫妻とケアマネジャー様にお伝えさせて頂きました。寒い時期のご相談でしたので奥様のお気持ちとして先が見えない中で心労もあられたようでなるべく早くお世話になれれば助かりますとおっしゃっておりました。
現地のご見学日は、実際に奥様が通うことを想定して、電車とバスを利用して一緒に行かせて頂きました。交通に関しても特段の不自由なく行くことでき、実際に見学させて頂いた雰囲気もよく、当該ホームでお世話になることを決められました。
今回のご相談は、費用面と立地を重視してご提案させて頂きました。特別養護老人ホームへの入居申し込みは自治体によってルールが様々ありますのでご注意が必要です。今回のように直接入居希望のホームに申込ができるところもあれば、各役所が入居申し込みを管理されているところや、自治体の中に一括で複数の特別養護老人ホームに申し込みができる窓口を設置しているところもございます。
老人ホーム探しには様々なご条件や選択、背景、状況があると思います。皆様ご自身が老人ホーム選びをすることになった際に少しでもお役に立てれば幸いです。
(旧:株式会社シニアホーム相談センター)株式会社ソナエル(旧:株式会社シニアホーム相談センター)
2008年の創業以来、有料老人ホーム等の入居相談受付、最適なホームのご紹介を行っている。
リアルプランでは、税理士、弁護士をはじめとした各エキスパートとネットワークを形成。
皆様の資産の将来を見据えた資産形成のお手伝いを致しております。