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トラブル防止は情報収集から…「ホームインスペクション」の活用法

国民皆保険制度が堅持されている日本では、おおよそ40歳を目安に健康診断を推奨・実施しています。検査は胃や肺のレントゲン、尿や血液の検査などが主ですが、「身体のどこかにトラブルを抱えてないか?」ということをスクリーニングしていくのです。

常日頃から健康に自信がある人でも、ある程度の年齢になると、どこかしら弱った部分が出てくるのはしかたがないことです。そのための健康診断であり、弱った部分が発見されれば「治療という名のメンテナンス」が行われることになります。

実はこれ、住宅にも当てはまることで、「健康診断」ならぬ「住宅診断」をするシステムが、ちゃんと存在します。(民間のサービスであり有料です)

住宅の場合、人間の健康診断に当たるのが「ホームインスペクション=住宅診断」であり、それを見極めて指摘する医師の役割として、「ホームインスペクター=住宅診断士」が存在します。中古住宅の購入や売却が盛んな状況のなか、これからも成長市場と予測されており、年々、その需要も増えています。

2016年5月、改正宅地建物取引業法において、中古住宅を売買する際にホームインスペクションを活用するよう、法に盛り込まれました。顧客の中古住宅に対するニーズはより大きくシビアに変化してきているのです。

日本においては、比較的新しい概念ともいえるこの「ホームインスペクション」ですが、欧米では中古住宅を売買する際には必須のものともいえます。

とくに権利意識が高いアメリカでは、カリフォルニア州の例を出すと、売買の80%前後がホームインスペクションを活用しているそうです。それでも、40年前までは、アメリカでもほとんど定着していませんでしたから、日本でも今後、ホームインスペクションの認識がさらに高まる可能性はあります。

中古住宅をメンテナンスする際に欠かせない「住宅診断」

さて、実際にホームインスペクターが“診断”する箇所は実に多岐に渡ります。ざっくりというなら、住環境におけるすべての部分といっても過言ではありません。

これは考えてみれば当たり前のことで、これから中古住宅を購入しようというときには、予算に見合った(あるいはそれ以上の)状態のよい物件を手に入れたいと誰しもが思うからです。

ホームインスペクターの診断は基本的に目視で行われます。外壁や屋根など住宅の外部から始まり、室内の給水口などの水回り、さらに空調や電機設備など、およそ生活に関するところはすべてチェックを心がけます。

また、目に見えない箇所、床下などの経年劣化は、もっとも中古住宅を売買する際に気になるところですが、もちろん、これもしっかりと判断します。それだけに、このホームインスペクターは資格制となっており、より中立的、第三者的な目線が不可欠であることはいうまでもありません。

中古住宅を購入しようという人は、情報化社会の現在ではそれなりに「目利き」が多く、自らの判断を重要視する方も多いでしょう。

しかし、その反面、岡目八目でいざ自分だけで確認して決めるとなるとなかなか決断がつかないのも事実です。さらにいえば、購入ではなく、中古住宅を売却する際には、やはり、自分で目利きをするというのはなかなか難しいところもあります。

そんなときこそ、客観的な診断が必要であり、また、それを怠らないことが後々のトラブルを防ぐことにもつながります。人間の健康診断と同じく、「住宅診断」は重要であり、今後一層、ニーズが増えていくものと思われます。

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