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重い瓦屋根の家は地震に弱い?「屋根の重さ」と「耐震性」の関係性…基礎構造や地盤も要注意

名古屋城が震度6強で倒壊する可能性が高いと市の調査で発表され、今後、耐震補強工事を進めていくということですが、自慢のお城が倒壊する可能性があることに、多くの名古屋市民が心を痛めていることは間違いありません。
名古屋城倒壊の可能性の一因として上げられているのが、建物の「頭」にあたる部分。具体的には瓦の重量です。

二度に渡って震度7の激震に見舞われた熊本でも倒壊した家屋の多くが瓦屋根だったため、伝統的日本家屋に住む人びとのなかからは、不安の声があがっているのも事実です。

「瓦屋根の重量大=倒壊の可能性が増す」とは簡単には結論づけられないのですが、やはり瓦屋根の重量は耐震には大きくかかわってくるようです。

当然ですが家屋の屋根は瓦だけではなく、ほかの素材を使用することも少なくありません。

たとえば、スレート(最近では、セメントなどできた人工スレートが多い)と呼ばれる材質を使用しているケースが数多く見受けられますが、このスレートの場合、1㎥(※立方メートル)あたりの重量はおよそ20㎏といわれています。

一方で瓦は約60㎏とされていますから、単純計算で3倍重さの違いがあるわけです。

屋根の部分の重量が重ければ重いほど、地震の際の建物の揺れは大きくなりますから、やはり瓦材を使っている場合、建物にかかる負荷が大きくなってしまうのは仕方ないことのようです。

屋根の重さだけでは測れない、日本の伝統、瓦屋根の魅力と未来

しかし、瓦には瓦のメリットもたくさんあります。まずは、焼き固められた瓦は耐久性に優れていることです。そして、瓦は断熱性に優れているうえに、瓦を重ねて施工することによってできた隙間が、高温多湿の日本では適度な緩衝材ともなることです。

さらに、意外と気になる雨音に対して、ほかの素材に比べて防音効果があるなど、瓦ならではの利点があるのです。

そもそもが、寺院などの伝統建築などでは、建立以来1,000年以上の時を経ても瓦が保存されております。

また、耐震性が重要なのはいうまでもないですが、やはり瓦屋根を使用したいという住宅購入者も多いようです。

実は近年、瓦自体が革新的な変化を見せています。大規模改修が終わった浅草のランドマーク・浅草寺五重塔の屋根瓦にチタン素材が使われ、ニュースなどでも話題になりました。

チタンは半永久的ともいわれるように強度に優れているうえ、一般的な屋根瓦の20分の1程度の重量と耐震という意味で、まさにうってつけの瓦素材といえます。ですが、通常の瓦と比べてコストが倍近くかかることなどから、まだまだ汎用的な建築素材にまでは至っていません。このチタン瓦が今後、大幅なコスト減を可能にすれば、広く一般の住宅素材としても使用されることになる可能性は高いでしょう。

地震が気になるなかで、屋根の重さと耐震性の間に関連性はあるのは確かなようです。

しかし、素材の変化や技術の革新で、より耐震性に富んだ屋根をつくるよう努力は続けられています。また、屋根の重量が大切なことは間違いありませんが、建物の下の部分にあたる柱や梁の耐震補強である程度頭の重量を補えるなど、基礎的な耐震補強が重要なことはいうまでもありません。

屋根の重さ、そして支える部分の強度、総合的な判断で地震に備えることが肝要でしょう。

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