資産価値が高いマンションの特徴は?重視するポイントや築年数との関係を解説

マンションの資産価値とは?

本稿での「マンションの資産価値」とは市場で取引される価格のことを指し、「資産価値が高いマンション」とは高い価格で売ったり、貸し出したりできる物件を意味します。

近年、市場ではマンションの資産価値が重視されるようになっています。以前は、一度購入した家にそのまま住み続ける人が多かったのですが、最近はライフステージの変化に合わせた住み替えが一般化して、「いくらで売れるのか」「売りやすいか」という点も購入時に検討する人が増えてきたためです。

マンションの資産価値について関心のある方は、資産価値がどのように決まるのか気になるのではないでしょうか?この記事では、資産価値が高くなりやすいマンションの特徴や、築年数に伴う変化などについて解説します。

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資産価値の高いマンションの特徴

資産価値の高いマンションは、高い価格での売却や賃貸が期待できます。そうしたマンションが持つ特徴について、「建物」と「周辺環境」の2点からご紹介しましょう。

建物の特徴

資産価値が高いとされるマンションは、建物自体に次のような条件を備えています。

●眺望・日当たりがよい

眺望や日当たりがよいマンションは人気が高く、資産価値が上がりやすい物件の1つです。

一般的に海やランドマークが見える物件は需要が高い傾向にあり、東京を例に挙げると、東京タワーや東京スカイツリー、レインボーブリッジなどが見える物件は人気が高まることがあります。日当たりの面では、南向きの部屋や、角部屋で複数方向に窓がある部屋は需要が高いでしょう。

ただし、眺望や日当たりの状況は、今後の再開発によって変化することもあり得ます。もし近くに高層マンションやビルが建設されると、眺望や日当たりが悪くなる場合があるため、マンション周辺に再開発の予定があるかどうかを事前にチェックしておくとよいでしょう。

●住みやすい間取りになっている

マンションの間取りは物件によってさまざまですが、生活しやすい間取りになっているか、家事動線が便利かどうかも大切です。たとえば、洗濯物を干したり収納したりする作業効率がよい、収納スペースの容量や数が多い、といった間取りは有利になります。また、対面キッチンはコミュニケーションが取りやすくなるため、人気が高い傾向です。

●適切に管理されている

管理が適切に行われているマンションは、資産価値を維持しやすくなります。エントランスやエレベーター、駐車場など、共用部分の管理が行き届いているマンションであれば安心といえるでしょう。

ちなみに購入前には、修繕履歴と修繕積立金の残高、現在の修繕積立金の金額についても確認しておくことをおすすめします。修繕積立金とは、建物や設備を修繕するために集められるお金のことです。住宅ローンの返済と同様に毎月支払うため、著しく高額であったり、値上げの可能性があったりすると売却の際に買い手がつきにくく、売買価格に影響する恐れがあります。

周辺環境の特徴

マンションの資産価値には、周辺環境も影響します。次のような特徴を備えた立地なら、資産価値は高くなるでしょう。

●交通の便がよい

マンションから最寄り駅までの距離、また都心へのアクセスのよさは重要なポイントです。目安として、最寄り駅まで徒歩10分以内であれば、通学や通勤がしやすくなるため資産価値が高くなる傾向にあります。また、最寄り駅に急行列車が停車したり、複数の沿線が利用できたりすると、より人気が高まることもあります。

●生活に必要な施設が充実している

マンション周辺に商業施設が充実していると、生活利便性の向上につながります。また、学校や病院があるかどうかも、暮らしやすさにつながる重要なポイントです。ほか、今後開発される予定がある土地は、生活利便性のさらなる向上を見込めるため、資産価値が高まる可能性があります。

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タワーマンションの資産価値が高い理由

マンションのなかでも、特に資産価値が高いとされているのがタワーマンションです。買い手からの人気が高く、低層マンションに比べて高値での売却・賃貸が期待できます。ここからは、低層マンションではなかなか見られない、タワーマンションならではの資産価値の高さの理由を見ていきましょう。

眺望がよい

タワーマンションの大きな魅力は、高層階の眺望のよさです。都心であれば東京タワーや東京スカイツリー、華やかな夜景なども部屋から楽しむことができます。低層階であっても、ラウンジが高層階に設置されているタワーマンションなら、部屋の代わりにラウンジから景色を楽しむことができる場合もあります。

眺望のよさで最近注目を集めているのは、東京・湾岸エリアのタワーマンションです。湾岸エリアは周辺に海が広がっていることから、オーシャンビューを楽しめる部屋がそろっています。また、夜はビルの明かりによる夜景が美しく、都心に近い立地ならではの眺望を楽しめるのも魅力です。

共用施設やサービスが充実している

ジムやキッズルームなど、共用施設が充実していることはタワーマンションの特長の1つです。また、コンシェルジュが常駐している物件では、タクシーの手配や宅配物の受け取り、クリーニングの代行などのサービスも利用できます。

こうした共用施設やサービスは築年数の影響を受けにくい部分であり、資産価値を維持する要因になる場合もあります。

立地がよい

タワーマンションは再開発エリアに建てられることが多いので、街全体が開発によって整備され、便利で暮らしやすい環境になっているのも魅力です。再開発エリアは駅近で都心へのアクセスもスムーズな立地が多く、商業施設もそろうので、快適に生活できます。

再開発エリアの例を挙げると、先ほどご紹介した湾岸エリアは、眺望だけでなく立地面でも優れたエリアです。中央区や江東区東部、港区に広がっている一帯は、穏やかでありながらも都心からほど近いという魅力があります。JR、東京メトロ、りんかい線など多くの鉄道路線が乗り入れているほか、東京BRT(バス高速輸送システム)の整備も進められているので、通学や通勤には便利でしょう。

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東京のマンションの資産価値の推移

東京のマンションは一般的に資産価値が高く、2023年現在も上昇傾向にあります。要因としては、立地がよいことや人口の推移が安定していること、また再開発が進められていることなどが挙げられます。

三井のリハウスが湾岸エリアで取り扱っている物件においても、平均成約価格は上昇しています。2022年7~9月の数値は、2006年の計測開始以降で最高となっていることから、現段階での東京のマンション市場は順調と捉えてよいでしょう。

築年数に伴う資産価値の変化

マンションの資産価値は、基本的に築年数が経過するにつれて下がっていきます。ただし、一般的には土地の資産価値に影響はなく、価値が下がるのは建物のみです。

一般的に、築5年以下の中古マンションは「築浅物件」とされ、築浅物件の資産価値は新築マンションと比べて大きな違いはありません。一方、築30年以上の中古マンションを「築古物件」とすることが多く、築古物件になると売却しにくい傾向があります。売却しにくい理由の1つには、かつては住宅ローン控除が利用できなかったことが挙げられます。また、築年数が経過していることで外観が古く見えたり、設備に不具合が生じたりすることも需要が下がる要因となります。

しかし、2022年に行われた税制改正によって、新耐震基準を満たす1982年以降に建てられた住宅が住宅ローン控除や税制優遇の対象となったため、築古マンションの売却を検討している方は、以前より売却しやすくなる可能性があります。また、リフォームやリノベーションをすると売却しやすくなるケースもあるため、資金や購入者の需要を考慮して検討してみるとよいでしょう。

ただし、1981年以前に建築されたマンションは新耐震基準を満たしていないこともあり、売却や賃貸を行いにくい場合があります。旧耐震基準のマンションを売却・賃貸する場合には不動産会社に相談するとよいでしょう。マンションの適切な売却方法や、賃貸を行う際の家賃相場などを教えてもらうことができます。

自分に合ったマンションを選ぼう!

ここまで、資産価値の高いマンションの特徴や築年数との関係などについてお伝えしてきました。マンションの資産価値には、建物自体の条件や周辺環境が大きく関係しています。マンション購入時には、マンションの資産価値についてよく理解しておくことが大切です。

ただし、「自分に合うマンション」は人によって異なります。たとえば、将来住み替えの予定があるかどうかや、単身者かファミリーかなどによっても変わってきます。

先ほどご紹介した湾岸エリアは、都心へのアクセスがスムーズなだけでなく、教育機関やファミリー向けの施設があるため、働く単身者にも子育てファミリーにもおすすめです。好条件のマンションは購入価格も高くなる傾向ですが、利便性の高さや格別な眺望など、高いコストを補うメリットも得られるので、検討する価値はあるでしょう。

マンションの購入を検討している方は、まず物件情報サイトをチェックすることから始めてみましょう。以下のページから、理想のマンションの販売情報を探してみてくださいね。

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宮原裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ所長。税理士。
日本のみならず、東南アジアも含めた不動産にかかわる会計・税務に精通している。法人や個人向けの節税セミナーなども行っている。
https://www.miyatax.com/
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