品川駅の再開発が進行中!ビル完成はいつ?周辺エリアでは何が変わるか紹介

品川駅の再開発計画とは?

品川駅は、JR東海道新幹線をはじめ、JR山手線・横須賀線・京浜東北線、京浜急行本線など、多数の路線が乗り入れる大型ターミナル駅の1つです。その品川駅周辺では現在、再開発計画が進行しています。計画は、高輪ゲートウェイ駅や田町駅といった周辺エリアも関係する大規模なもので、「街が大きく変わる」という期待感から高い注目を集めています。

この記事では、品川駅とその周辺エリアの再開発計画に関する情報、また街に期待される変化についてご紹介します。

再開発中の品川駅

品川駅再開発の目的は?

品川駅周辺の再開発は、2020年に東京都が公表した「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020」をベースとして行われるものです。

品川駅は、空の玄関口である羽田空港へスピーディーにアクセスできるほか、2027年以降はリニア中央新幹線の始発駅も設置される予定になっています。その品川駅周辺の交通利便性や国際競争力をさらに高め、未来の「国際交流拠点」を目指すために行われるのが、今回の再開発なのです。

では、この再開発の具体的な内容について、次項でご紹介しましょう。

品川駅高輪口

品川駅再開発の計画内容

品川駅で予定されている再開発計画には、主に次の3つが挙げられます。

  • 国道上空デッキの設置
  • 京急品川駅の地平化
  • 複合ビル3棟の建設

国道上空デッキの設置

品川駅西口(高輪口)では、駅に面した国道15号の上空に「国道上空デッキ」を設置する予定です。

品川駅西口地区は、高級ホテルや緑豊かな公園などがある好立地にもかかわらず、国道によって駅と街が分断されている状態が続いてきました。しかし今後、国道上空デッキが設置されれば、駅と街をつなぐ動線が改善され、上下移動や信号待ちがない状態で行き来が可能になり、人の出入りがさらに増えると見られます。

また、国道上空デッキ設置のタイミングに合わせて西口駅前広場も再整備し、デッキ上にも広場の機能を持たせる計画になっているため、将来の品川駅西口は道・駅・街を結ぶ拠点となることが期待できるでしょう。

京急品川駅の地平化

現在は高架駅である京浜急行電鉄品川駅は、2027年頃までに地上駅となることが予定されています。この工事は、泉岳寺駅~新馬場駅の区間について、道路と鉄道を連続的に立体交差化する「連続立体交差事業」の一環として行われるものです。

駅の地平化に伴い、ホームが2面3線から2面4線になるため、混雑の緩和や輸送力の強化が期待できます。同時に、品川駅に既設の東西自由通路を延伸し、上でご紹介した国道上空デッキとも連携する・さらに北側にも自由通路を新設することで、利便性をより高める計画です。

再開発中の品川駅構内図

国土交通省より引用(※1)

複合ビル3棟の建設

京浜急行電鉄とJR東日本が2023年8月に発表したところによると、品川駅西口には3棟の複合ビルも建設される予定です。この建設工事は、上でご紹介した連続立体交差事業と同時に進められるもので、高架駅を地上に下ろした後の上部空間が活用されることになります。

品川駅西口の該当エリアは「北街区」「南街区(南-a)」「南街区(南-b)」という3つの街区に区切られ、北街区と南街区(南-a)には地上28階建てビル、南街区(南-b)には地上9階建てのビルが建設されます。各ビルにはオフィスや店舗、ホテル、駐車場などが設けられる予定で、駅前の利便性や快適性は大きく向上することになるでしょう。

工期は街区によって異なり、北街区は2025~2030年度、南街区(南-a)は2025~2036年度、南街区(南-b)は2030~2032年度の予定となっています。

msb Tamachi(ムスブ田町)

品川周辺エリアでも再開発が進行中

再開発は品川駅だけでなく、高輪ゲートウェイ駅、泉岳寺駅、田町駅といった周辺エリアでも行われています。それぞれの再開発内容は次の通りです。

高輪ゲートウェイ駅

上でご紹介した品川駅西口の国道上空デッキは、JR山手線・京浜東北線の隣駅である高輪ゲートウェイ駅との連携にも利用される予定です。デッキ上は、歩行者や次世代モビリティ(先端技術を活用した移動手段)が、2つの駅の間を自由に往来できるように整備されることになっています。

また、高輪ゲートウェイ駅周辺では、JR東日本によって「TAKANAWA GATEWAY CITY」と名付けられた再開発計画が進行中です。該当エリアは4つの街区で構成され、オフィスや商業施設が入る「複合棟Ⅰ・Ⅱ」、ホールや展示場が入る「文化創造棟」、住宅やインターナショナルスクールが入る「住宅棟」と、街区ごとに用途の異なるビルが開業することになっています。なかでも、駅を含む「4街区」の複合棟は2棟から成る大規模なもので、国際会議用のカンファレンス施設やハイグレードホテルなどを設けた、国際的なビジネス拠点となる予定です。

この4街区は2025年3月竣工、ほかの街区も同年度の開業を予定しています。

泉岳寺駅

京浜急行電鉄の泉岳寺駅は、徒歩圏内に高輪ゲートウェイ駅があるほか、羽田空港にも直結しているなど利便性の高い駅です。この泉岳寺エリアでは、現在「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」が進行しています。駅に面した約8,490㎡の敷地に、住宅やオフィス、子育て支援施設を含む高層ビルを建設しており、竣工は2028年3月頃の予定です。

また、駅ではホームの拡幅やコンコースの拡張など、利便性向上のための改良工事も進められています。

田町駅

JR山手線で品川駅から2駅の田町駅には、2023年9月、大型複合ビル「田町タワー」が竣工しました。11月には、地下1階〜地上4階部分の商業施設「田町タワーモール」がグランドオープンしました。既に、地上2階には田町駅とつながるペデストリアンデッキ、地下2階には都営地下鉄三田駅の直結出口が設けられており、各駅からの移動もスムーズになっています。

上記のほかにも、田町エリアでは多くの再開発事業が行われています。2020年には、田町駅に隣接する土地を街区とした「msb Tamachi(ムスブ田町)」の全体開業を迎えたほか、今後は西口駅前地区の再開発、東京工業大学田町キャンパスの土地活用事業なども控え、街は大きく発展中です。

品川駅の雑踏

再開発後の品川の発展に期待

駅の利便性向上、駅と街の一体化、2030年代には3棟の複合ビルが完成予定など、大規模な再開発計画によって、品川は新たな国際交流拠点へと生まれ変わろうとしています。周辺駅での再開発計画も併せて実現すれば、品川エリアの価値はいっそう高まると見てよいでしょう。ここで暮らしたいと考える人も今後ますます増えていくと予想されますね。

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※1出典:品川駅西口周辺の施設配置計画について, 国土交通省
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000741627.pdf
(最終確認:2023年12月21日)

三上隆太郎

株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/