マンションコンシェルジュとは、主に高級マンションや、100世帯以上のマンションに配置されているフロントスタッフのことです。近年、タワーマンションや、横に長い板状マンションでは一般的となっており、居住者のマンション生活が充実するようサポートしてくれる魅力的な存在です。今回は、マンションコンシェルジュの特徴やサービスのメリット、注意点について解説します。
コンシェルジュの語源はフランス語で、もともとは集合住宅の管理人という意味を持つ言葉です。現在は解釈の幅が広がり、ホテルや百貨店において、不特定多数のお客さまの要望や案内に対応する職務を担う人をコンシェルジュと呼びます。
なかでも、頭にマンションが付いた「マンションコンシェルジュ」は、マンションの入り口にあるフロントで、入居者向けのサービスを行うスタッフのことをいいます。
マンションコンシェルジュと管理人の違いは、業務内容にあります。マンション管理人とは、管理組合の管理規約で定められた業務を行う人のことです。仕事内容はマンションによって異なりますが、主に共用設備の点検や清掃、巡回などのハード面の維持・管理を行います。なお、東京都の一部エリアや全国の一部の政令指定都市では、マンションの戸数によって「定期巡回」「4時間駐在」「常勤」などの配置基準が設けられています。
一方、マンションコンシェルジュは、より快適な生活を送るためのソフト面のサービス提供を主に担当します。ポイントは、管理人のみのマンションは多数あっても、管理人がおらずコンシェルジュだけがいるマンションは存在しないことです。ただし、管理人とコンシェルジュの兼務者が配置されているケースは存在します。
マンションコンシェルジュが提供するサービスや利用時間帯はマンションによって異なりますが、一般的なサービス内容としては、以下のものが挙げられます。
1つずつ見ていきましょう。
マンションコンシェルジュの仕事内容の1つが、共用施設であるゲストルーム、パーティールームなどの予約やキャンセルの受付です。そのほか、台車や脚立、工具などの備品の貸し出しの窓口業務も行います。清掃は主に管理人の仕事ですが、入居者に気持ちよく利用してもらえるようマンションコンシェルジュが行うこともあります。
マンションコンシェルジュは、主に以下のような生活サービスの各種取り次ぎも行います。
手間のかかるやりとりや手続きを代行してもらえるので、仕事やプライベートが忙しく、自宅を留守にしがちな方でも安心です。
「共用施設の使い方が分からない」といったマンション生活での困りごとは、マンションコンシェルジュに気軽に相談できます。ほかにも、近隣の公共施設や病院を教えてもらえたり、マンションによっては、粗大ごみ処理券、電球、切手などを購入できたりすることもあります。何かあったときに質問、相談できる場所があると、生活するうえで安心でしょう。
マンションコンシェルジュがいると、毎日の生活が便利になるだけでなく、以下のような3つのメリットがあります。それぞれ解説していきます。
マンションコンシェルジュは、一般的にエントランスのフロントにいるため防犯効果が高まります。オートロックや防犯カメラに加えて、人の目があることで、不審者が侵入しづらくなるでしょう。また、日常のあいさつや声がけを行うため、シニアや子どもの見守りにもなります。
これまで紹介してきたように、マンションコンシェルジュにはさまざまな依頼ができます。手間と感じる手続きを代行してもらうことで時間にゆとりが生まれるほか、上質なホテルと同等のサービスが受けられるため、生活の質の向上を実感できるでしょう。
コンシェルジュがいるマンションは、一部に限られます。こうしたマンションは、もともと立地がよく、設備が充実しているなどの条件がそろっており、資産価値が高いのが一般的です。さらに、マンションコンシェルジュのサービスを利用できることが付加価値となり、このようなマンションに住めること自体に高いステータスを感じられるでしょう。
コンシェルジュ付きマンションには注意点もあります。住んでから後悔しないよう、事前にポイントを押さえておきましょう。
マンションコンシェルジュは人件費がかかるため、管理費や共益費などが高くなる傾向にあります。予約制の共用施設は、使った分だけの支払いとなることが多いですが、管理費や共益費はサービスを利用していなくても支払わなければなりません。購入を検討している場合は、売買契約前に、管理費や共益費がサービスに見合うかよく確認しましょう。
マンションコンシェルジュは、派遣社員やアルバイト・パートのケースが多くあります。求人の応募条件や採用条件によりますが、ホテルや百貨店などで接客経験がある人もいれば、未経験者もいます。また、基本的にシフト制であるため、いつも同じ人がサービスを提供できるわけではありません。そのため、スタッフによってサービスの質に差があったり、短期間で人が入れ替わってしまったりすることもあります。
コンシェルジュのいるマンションの暮らしに向いているのは、以下のような方です。
子どもやシニア世代への人の目による見守りがあり、いざというときに頼れる場所があることは精神的な支えになります。また、仕事やプライベートが忙しく留守がちな方や共働き世帯の方は、宅配便や郵便物の取り次ぎサービスを活用することで快適な生活を送れるでしょう。さらに、新しい土地に引越してきたばかりの方にとっては、マンションコンシェルジュから近隣の情報を得ながら新生活に慣れていくことができます。
この記事では、マンションコンシェルジュの具体的なサービス内容や、コンシェルジュ付きのマンションに住むメリットと注意点について紹介してきました。
三井のリハウスでは、マンションコンシェルジュが利用できる日本全国のタワーマンションや高級マンションの物件情報を公開しています。なかでも再開発が進む東京都の湾岸エリアは、近年さらなる注目が集まる人気エリアとなっており、ゆとりある暮らしを送れる住まいの選択肢が豊富にそろいます。コンシェルジュ付きのマンションをお探しの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
三上隆太郎
株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/