JR中央線の国立駅は、かつて国分寺と立川の間の新しい駅として作られ、2つの駅の頭文字をとり、「この地から新しい国が立つ」という願いを込めて「国立」と名付けられたそうです。

「一橋大学」がある文教地区でもあり、メインストリートの「大学通り」は、景観が美しいことでも有名です。

学生街である一方、落ち着いた高級住宅街としても知られています。暮らしやすいと人気を集めている街の魅力をこの目で確かめるべく、電車に乗り込みました。

【国立の基本情報】

駅名:JR中央線「国立」
ランドマーク:旧国立駅舎、一橋大学

■新宿まで最短で26分。主要駅まで乗換なしでアクセス可能

JR中央線の国立駅は、新宿・東京などの主要駅まで直通でアクセスが可能です。上り方面に2駅の国分寺駅で特快に乗り換えれば、新宿まで約26分、東京駅まで約44分で到着します。

国立駅の北・南口にはそれぞれロータリーがあり、立川駅や羽田空港行きのバスが運行しています。また、市内を循環するコミュニティバス「くにっこ」は、住宅街や市役所、児童館などを通り、日常使いにとても便利です。

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■旧国立駅舎の復元とともに、活気あふれる駅周辺

国立のシンボルは、1926年の開業以来、地元の人から親しまれてきた三⾓屋根の「旧国立駅舎」。なんと2020年、この駅舎が新たな公共施設として創建当時の姿で南口に再築されました。

今後は駅の屋外スペースなどを活用したイベントなども開催予定ということで、駅まわりがますます活気づきそうです!

また、駅前のロータリーには「国立文教地区」の看板が。文教地区に指定されていることで、一部の遊興施設の運営が規制され、街の治安が守られています。夜でも安心して歩けるのはうれしいですね。

駅周辺でのお買い物なら駅に直結した「nonowa(ノノワ)国立」が便利。ドラッグストアや食料品売場を備えており、仕事帰りやお出かけのついでに、さくっと用事を済ませられます。

さらに、南口周辺には「ダイソー 国立駅前店」や、24時間営業のスーパー「西友国立店」があるので、日常のお買い物には困りません。

大型店ばかりではなく、駅南口からすぐの「ブランコ通り」という商店街には小さな飲食店やギャラリーなど、個性豊かなお店が立ち並んでいます。散歩がてら、お気に入りのお店を開拓してみるのも楽しそうです。

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■巡りたい人気のパン屋に、自然豊かな「大学通り」

駅周辺を散策しながら、街の中心である大学通りを歩くことに。南口から少し歩いたところに「くにたち野菜 しゅんかしゅんか」というお店が見えてきました。

▲店内には、厳選された食品や調味料も並んでいます。

こちらのお店は、地元農家の野菜を販売する直売所。採れたての野菜をその日のうちに店頭に置いているため、いつでも新鮮な野菜が手に入ります。

また、国立はパン屋さんが多いのも特徴。地元の人気店「アカリベーカリー」は、毎日焼きたてのパンが約50種類も並ぶそうです。

▲写真左が「グラハムシューズリー」、右が「フロマージュレザン」

翌日の朝ごはん用に、全粒粉入りの「グラハムシューズリー(260円)」と、クリームチーズが入った「フロマージュレザン(200円)」を購入。どちらも香り豊かで、中に入った果実やナッツがアクセントになっていました。

こちらは本格的なドイツパンとお菓子を味わえる「ベッカライしゅんた」。このほかにも駅周辺にはこだわりのパン屋さんがたくさんあるので、パン屋巡りも暮らしの楽しみになりそう。

そして「一橋大学」へと続くメインストリート「大学通り」へ。駅南口からまっすぐ南へと伸びる広い道です。

「ここは本当に東京?」と思わずつぶやいてしまうほど、緑豊かな景観が続いています。歩くだけでリフレッシュになります。

道がずっと平坦なので自転車やベビーカー、車椅子でも安心。ところどころにベンチが設置されていて、街の人への優しさを感じました。

学生さんが多いためか、大学通り沿いにはチェーン店がたくさんあります。ちょっとした休憩に最適です。

散策を終えて、ランチタイムに。レンガ調の外観に惹かれて、「ask a giraffe(アスク ア ジラフ)」に入りました。

「家庭の食卓のように集えるレストラン」というコンセプトどおり、お一人の方やお子さん連れの方など、いろいろなお客さんで賑わっていました。この日は、いいお天気だったので開放的なテラス席へ。

新鮮な多摩野菜を使ったメニューが売りということで、ハンバーグと多摩野菜が食べられる「ジラフハンバーグ&多摩野菜グリル(税抜1,200円)」をチョイス。肉のおいしさと、みずみずしいグリル野菜に、心まで満たされました。

■「自分らしい生き方を見つけるには、すごくいい街だと思います」

最後に、国立エリアの求人サイト『国立人』を運営する加藤優(かとう ゆう)さんと国立のコミュニティスペース『国立本店』を運営する健介(けんすけ)さんご夫婦に、お話をお聞きしました。

普段から地域と深く関わっているお二人の目に、この街はどう映っているのでしょうか。

(以下インタビュー。「 」内は加藤優さん、健介さんのコメント)

――優さんが国立に住みはじめたきっかけはなんですか?
優さん「私は地方から上京してきたので、しばらくは東京に国立という街があることを知りませんでした。ある日、地域のフリーペーパーで国立に興味を持ち、地域活動に参加するようになり、3年ほど前に国立に住み始めました」

――国立に深く関わってみて、印象はどうでしたか?
優さん「人とのつながりが広がりやすい街だと感じました。マルシェやトークイベントなど、ワクワクするような活動をされている方がたくさんいるんです。住人の方が伸びやかに生きているところにも惹かれました。国立は“人の街”だなぁと感じます」

――国立で求人サイトを運営してみて、感じたことはありますか?
優さん「相談や対話の機会をきちんと設けてくださる企業さんが多いので、働く人も個人のペースや裁量をもって働ける街です。企業さん側も“この街が好きで暮らしている人には、自分の考えをしっかりと持っている人が多いので、自分たちの考えに共感してくれるのでは”と考えて『国立人』に掲載してくれる方が多いんです。なので、自分の身の丈を見つけて、自分らしい生き方を見つけるにはすごくいい街だと思います。小さな街なので働く場所が少ないと思われがちですが、中小企業や個人店など意外に働く場所がある、ということも知ってもらいたいです」

――国立の街の魅力はなんですか?
優さん「なにより、住んでいる方たちが魅力的です。好きなことをしながらバランス良く暮らしている方がたくさんいます。また、大学通りや住宅街など、街のあらゆるところで自然を感じられるのも気に入っています」

健介さん「国立は家賃が高い・高級住宅街というイメージを持たれがちなんですが、国立市全体で見ると、都会的だったり下町っぽかったり、畑が多かったりと、場所によって雰囲気が違うんです。とうもろこしや梅の収穫体験などをやっている農家さんもありますよ。いろいろなことに挑戦できる街なので、ぜひ若い方にも国立のよさを知ってもらいたいですね。暮らしてみると、意外に住みやすいと感じるかも」

◾街にも人にも、温かさとゆとりを感じられる

春になると大学通りは桜で彩られるそうです。

自然豊かで人情味のある温かい街、国立。特に印象に残ったのが、街ゆく人たちの歩くスピードがゆっくりだということ。これは、心のゆとりがそのまま現れている証拠なのかもしれません。

都会の波に流されず、自分のペースで生きていきたい人に、この街はぴったりだと思います。自分が国立に住んだらどう暮らそう……。帰り道には自然とそんなことを考えていました。

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稲垣恵美(いながき えみ)

北海道で出版社に勤務したあと上京。まずは錦糸町というなかなかディープな街に住み、現在は埼玉県に居住。好きな街は、下町の人情があるところと、憩いの場所があるところ。素敵な街をみなさんに共有したいお散歩ライター。

Twitter:https://twitter.com/emily83601992