大阪府には政令指定都市がふたつあります。ひとつは、都道府県庁所在地である大阪市。そしてもうひとつが、大阪市の南に位置する堺市です。

2019年7月、百舌鳥(もず)古墳群が世界遺産に登録されたこともあり、注目が集まる堺市。小学生の頃から、前方後円墳である「大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)」を知っていたこともあり、堺市といえば「古墳の街」というイメージがありました。

暮らしについてのイメージは薄かったものの、堺市に住む友人が「住みやすいし、子育てにもいい環境だよ!」と言っていたこともあり、「どんな暮らしができるのだろう」と、堺市の中心地である堺東駅周辺を訪ねてみました。

【堺東の基本情報】

駅名:南海電気鉄道高野線「堺東」
ランドマーク:反正天皇陵古墳(田出井山古墳)

■難波まで15分!快速急行も停まるので通勤にも遊びにも便利

堺東駅は、堺市の東の玄関口。
鉄道は南海電鉄高野線が通っており、「泉北ライナー」を除くすべての快速急行・急行・区間急行の電車が停まります。数分おきに電車が来るので、利便性は抜群。大阪市の繁華街・ミナミの中心である難波までは乗り換えなし15分で到着するので、通勤にも遊びにも困りません。

駅前のターミナルから乗車できる南海バスも魅力的で、市内の四方へ移動できます。満65才以上の市民は、路線バスが1乗車100円での「おでかけ応援カード」も利用可能。インフラと制度の両方が整っています。

また、路線バスだけでなく東京ディズニーランドや鎌倉へ向かう高速バスの乗降地もありました。

■都市機能の充実で手続きが楽、展望台のある市役所も

行政施設や銀行、郵便局が勢揃いしているのも堺東の特徴。
まず、駅を出ると目の前にそびえ立つ堺市役所。最寄駅に市役所があると、住民票取得などの手続きや申請等もスムーズに済ませられます。

▲写真左から、堺市役所本館、堺市役所高層館、大阪法務局堺支局

また、堺市役所高層館の最上階である21館は、展望台としても人気。地上80mから360度の景色が楽しめる回廊式のロビーになっていて、堺市の街並みやあべのハルカスなどを見渡せます。

市役所のある駅の西口付近には、銀行・郵便局・年金事務所などがずらり。

西口周辺は坂道が無く、歩道がとても広いため、徒歩や自転車で移動しながら、まとめて手続きを完了できそう。

自転車産業の発祥の地と呼ばれている堺市。
歩道橋なども自転車で渡りやすくなっているのでスイスイ移動できます。

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■百貨店から商店街まで、バラエティ豊かな買い物スポットが揃う西口

買い物スポットが多いのも、堺東駅の特徴です。
堺東駅の西口は、百貨店「堺タカシマヤ」に直結。ユニクロ・ABCマート・100円均一ショップのセリア・書店の丸善・成城石井などが入っているため、堺東に住んだら重宝しそう。

9階には、堺市と髙島屋・株式会社ボーネルンド(※1)がコラボした子育て支援施設「キッズサポートセンターさかい」があります。世界中から集めたおもちゃや遊具で遊べる「ボーネルンドあそびのせかい」も入っているので、親子連れには嬉しいですね。

※1 ボーネルンド
世界の優れたあそび道具を販売する「ボーネルンドショップ」や室内あそび場「キドキド」の運営を行う、子どもの「あそび」に総合的に取り組む企業

▲「堺タカシマヤ」レストラン街は地下にあり、お値段が手頃なお店もあるため普段使いしやすい

大きなスーパーで食材を買い込みたいときは、駅から徒歩10分ほどのスーパー「コノミヤ堺東店」もおすすめ。地域密着型のお店で、新鮮な食材をお得に購入できます。

そしてもうひとつ、堺東の買い物スポットが駅前に連なる7つの商店街です。

薬局やパン屋さんなどが並ぶ中、八百屋さんやお肉屋さんも。新鮮な野菜を手に取りながら、店主さんと会話しつつ買い物を楽しめます。

商店街には、買い物スポットだけでなく喫茶店、ランチを楽しめるお店もたくさん。歩いてお店を探していると目移りしてしまいます。

▲なんと380円という破格の安さでランチを提供するお店も

“オリジナル手ぬぐい”を見せることで、参加店のスペシャルメニューをお得な価格で食べられる「堺東フードフェス」や、参加店の飲み物+逸品のセットを気軽に楽しめる「ガシバル」など飲食系のイベントもときどき開催されているので、休日は商店街で食べ歩き・飲み歩きをするのも楽しいかもしれません。

■自然豊かな景観が守られた住宅街の東口

西口に都市機能や買い物スポットが揃う一方、東口周辺はとっても閑静な住宅街。「反正天皇陵古墳(田出井山古墳)」があり、街の景観が守られています。

▲「反正天皇陵古墳(田出井山古墳)」の周りは道が整備されており、近くには「方違神社」も

文化財や自然豊かな環境の中には幼稚園や学校が点在しています。中には、府下トップクラスの進学校「大阪府立三国丘高等学校」も。駅の周りには学習塾も多く、文教の街という、堺東の特徴が垣間見えました。

そして、東口エリアを散策していて驚いたのが公園や緑の多さ。遊具の揃った大きなものから、歩道に面した小さなものまで、さまざまな公園に出会いました。堺東には、「よく遊び・よく学ぶ」を実践できる環境が整っています。

▲「堺市立三国丘小学校」の前にある三国ヶ丘公園にはロープ型のジャングルジムなどの遊具も

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■「子どもからお年寄りまで、みんなが住みやすい街だと思います」

最後に、堺東の魅力についてこの街をよく知る方にお話を伺いました。
取材させていただいたのは、駅前で保険代理店・株式会社Life Designの代表取締役を務めている矢本憲久(やもとのりひさ)さん。「堺東駅前商店街振興組合」の代表理事でもあり、前述の「堺東フードフェス」や「ガシバル」などのイベントを企画したのも矢本さんです。

(以下、インタビュー。「」内は矢本さん)

――はじめに、矢本さんと堺東のつながりについて教えてください
「堺東で生まれ育ちました。今オフィスが入っているこのビルも、もともとは祖父が町の電気屋をしていて、すぐ近くでは祖母がレコード屋をしていたんです。就職してしばらくは仕事の関係で富田林市に住んでいたのですが、11年前に会社を設立して仕事の拠点をここに移し、まちづくりに携わることが増えたこともあって堺東に帰ってきました。」

――堺東の街の魅力を教えてください。
「10分ちょっとでミナミに出られるので交通の利便性は高いですよね。バスのターミナルにもなっていますし。今後、駅前の新しい商業ビルにはスーパーもできます。官公庁も揃ってるし、堺市の中では一番便利だと思います。個人的には、高齢者や障がい者にやさしい街を目指していて、バリアフリーに取り組んでいます。子どもからお年寄りまでみんなが住みやすい街だと思います

――堺東に住んだら、どんな休日の過ごし方がおすすめですか?
「堺市には、世界遺産登録された百舌鳥古墳群があります。また、『ものの始まりなんでも堺』と言われるほど、自転車や包丁、線香などさまざまな伝統産業が生まれた地であり、茶道の一様式「侘び茶」を完成させた千利休の生まれた土地でもあるんです。市内には『堺伝統産業会館』や『さかい利晶の杜』などの施設もあるので、歴史や文化に興味がある方はサイクリングしながら回ってみても楽しいと思います

――矢本さんは、どんな経緯で堺東駅前商店街振興組合の代表に就任したのですか?
「堺東に帰ってきて、街にゴミが落ちているのが気になっていたので、9年ほど前に前会長にお願いして、商店街の清掃活動を始めたんです。その様子をみていた商店街の役員たちから『そこまで商店街のことを思ってくれているなら、ぜひ代表をやってほしい』と頼まれたのがきっかけです。清掃活動は今も毎月第一日曜日に続けていて、多くの住民の方も参加してくれています」

――「堺東フードフェス」や「ガシバル」以外にもイベントを企画されているんですよね?
「毎月第三日曜日に、堺東商店街と堺市役所前の大小路通りで『ガシ横マーケット』というフリーマーケットを開催しています。こうしたイベントや清掃活動の目的は、地域コミュニティの再構築です。私が子どもの頃に比べると、商店街のテナントが入れ替わって地域の風景は少し変わりましたが、地域で商売をする人や住む人が仲良くなって、古き良き人のつながりがある商店街や街をもう一度つくりたいと思っています

▲ハンドメイド雑貨の販売やワークショップブースなどでにぎわう「ガシ横マーケット」

■ゆったりとした空気感が漂う、人のつながりが残る街

堺東を歩いていて、印象的だったシーンがあります。
それは、駅前や商店街、住宅街など、どこを歩いていても「こんにちは。お元気ですか?」と住民同士が声を掛け合う光景。

「こんなに栄えた街だけど、古き良き近所付き合いも残っているんだな」と、あったかい気持ちになりました。

利便性も良く、自然や文化にアクセスしやすい堺東。
この街に住めば、歴史の長い街に流れるゆったりとした空気の中で、日々の暮らしを充実させられる気がします。
大阪市内へのアクセスもいいので、市内への居住を検討している方にもおすすめの街。気になる方は、ぜひ一度堺東に訪れてみてください。

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倉本祐美加

IT企業でインサイドセールスを行う傍らブログ記事や事例の執筆を行い、2016年11月ライターとして独立。大学時代は100人以上の友人のインタビュー記事を制作。現在は、企業様の導入事例・オウンドメディア等に掲載する記事をメインに取材・執筆している。
Twitter:https://twitter.com/aoitorisorae
ブログ:http://mott-izm.hatenablog.com/