利根川を挟んで千葉県が隣接する茨城県・取手市。都内に出るまで遠いイメージがありますが、じつは取手駅から上野駅までは電車で35分程度の距離です。意外と東京へ出やすく、通勤にも便利なエリアと言えます。

調べてみると取手市は「ほどよく絶妙なまち」を長所としている街なんだそう。宿場町としての歴史と、利根川の自然が豊かな取手は、観光もレジャーも楽しめる場所。子どもが遊べる公園や屋内施設もあちこちにあります。

さらに東京藝術大学取手キャンパスが市内にあることから、アートにも力を入れているのも魅力です。街のいたるところにアート作品があって、取手ならではの風景が広がっています。

交通の便もよく自然も歴史もある取手の“ほどよい”暮らしやすさを体感しに、実際に街を歩いてみました。

【取手の基本情報】

駅名:JR常磐線、関東鉄道常総線「取手」駅
ランドマーク:利根川

■始発電車で座って通勤通学が可能!バスや国道も充実

取手駅には東京・日暮里駅から、千葉県・茨城県・福島県・宮城県までを結ぶJR常磐線が通っています。上野駅・東京駅・品川駅などの大型駅に停まるJR常磐線は、とても使い勝手のよい路線と言えそうです。取手駅から1本で上野駅なら約35分、東京駅には約50分で到着できます。

さらに千代田線や小田急線に直通する電車があり、どのエリアにも行きやすい点もポイントです。取手駅始発の電車が多いため、座りながら通勤・通学ができます。

取手駅からは関東鉄道常総線も利用でき、つくばエクスプレスが通る守谷駅までは約20分。つくばエクスプレスは北千住駅や秋葉原駅に停まるので、行動範囲も一気に広がるでしょう。

電車以外に、取手駅はバスが充実しているのも魅力です。東口と西口に大きなバスロータリーがあり、市が運営するコミュニティバスや関東鉄道のバスが利用できます。取手市の広い市内はもちろんのこと、隣の守谷市や龍ケ崎市にも行き来が可能です。

国道6号と国道294号が通っている取手市は、車での移動にも向いています。自家用車をお持ちの方であれば東京や柏方面にアクセスしやすいでしょう。

■お買い物スポット多数!スーパーや商店街が広がる駅周辺

取手駅の周辺は、スーパーや商店街などお買い物できるスポットが数多くあります。

まず、駅直結のビルには「アトレ取手」が入っています。100円均一ショップや薬局、書店が揃っているので普段の生活にとても役立ちそうです。

とくに充実しているのは食料品。お惣菜やスイーツの専門店のほか「成城石井 アトレ取手店」や県内の食品を積極的に取り扱う「Tマルシェ」があり、珍しい食品も手に入りそうです。

アトレ取手の4階には「たいけん美じゅつ場 VIVA」が。アートギャラリーや工作室などのほか休憩スペースがあり、お買い物のついでに立ち寄るのもよさそうです。

この日は友達と過ごす学生や、アート作品を眺める方々の姿が見られました。住民たちの貴重なコミュニティスペースになっていることがわかります。

駅から出ると、西口から徒歩2分ほどの位置に「西友取手駅前店」がありました。食料品と日用品を扱っており、産地直送野菜を集めたコーナーも。駅近くに大型スーパーがあると仕事帰りにも便利そうです。

駅前はチェーン店や飲食店があり賑やかな雰囲気でしたが、10分ほど歩くと住宅街が広がっていました。落ち着いた雰囲気で、戸建てやアパートが立ち並んでいます。

住宅街のなかには「ヤオコー 取手青柳店」「ビッグ・エー 取手青柳店」「マスダ取手店」などのスーパーがありました。

さらに、このあたりは季節によって農作物の直売所が利用できるので、お買い物のスポットはかなり多いと言えるでしょう。

反対側の西口には「白山商店街」という商店街があります。老舗のスイーツ店や飲食店などのお店の間には住宅が点在しており、落ち着いた雰囲気でした。

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■豊かな自然とアートが息づく街並み

取手は自然を感じられる街並みもポイントです。

駅近くには敷地の広い「取手緑地運動公園」が。サッカー場やテニスコートなどが完備されているだけでなく、夏には「とりで利根川大花火」が開催される場所でもあります。バーベキューができるので、ご家族のレジャーにもぴったりですね。

取手緑地運動公園の近くには利根川が流れており、自然をいっぱい感じられました。鳥の鳴き声が聞こえ、ゆったりと散歩するのもよさそうです。

また、天気が悪く外で遊べないときは「取手ウェルネスプラザ」も利用できます。キッズプレイルームやトレーニングジムがあり、幅広い世代で活用できる施設です。

その昔、宿場町として栄えた取手は歴史を感じられるスポットもあります。「旧取手宿本陣 染野家住宅」をはじめとした文化財があちこちに点在し、観光も楽しめる街です。

歴史の深さだけでなく、「東京藝術大学取手キャンパス」がある取手市はアートと関わりが深いのも特徴。街のいたるところには芸術的なアート作品が展示されていて、歩いているだけでも楽しめそうです。

この日のランチは駅近くの「ビストロ キャトル」で。2020年にオープンしたお店で、ウッドを基調とした店内はゆっくりくつろぐのにぴったり! 雰囲気のよさから女性客の利用も多いのだそう。

この日はスープとサラダ付きの「ポワソンランチ(1,290円)」を。国産の白身魚は身が厚く食べ応えもばっちりです。ビストロならではの魚料理や肉料理をリーズナブルに楽しめて、普段使いしやすいお店でした。

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■絶妙な暮らしやすさが魅力!ほどよい環境が詰まった街・取手

最後に、地元の方々に愛される焼き菓子カフェ「こなのか」店長の原田佳奈(はらだ かな)さんに、取手の魅力についてお伺いしました。

(以下インタビュー。「 」内は原田さんのコメント)

——「こなのか」はいつオープンされたのですか?
「2015年7月です。昔から自分のお店を持ちたいと考えていて、ベーカリーやスイーツ店で修業を積んだあと地元の取手で開業しました。

ありがたいことに、同級生の親世代や母校の先生たちに利用いただいています。近くに小学校や幼稚園があるのでママさんたちも多いですね。年配の方が多いイメージが強かったので、意外と若いご家族が多いのだなと驚きました」

——人気商品は何ですか?
「『ほうれん草とココナッツのマーブルケーキ』が人気ですね。ちょっと意外な組み合わせですけど、一度食べるとリピーターになるお客さまが多いです。

ここ最近ではお客さまからのお声をもとに夜の移動販売もスタートしました。近所のママさんたちや子どもたちが集まりとても賑やかです。“日常に寄り添う幸せを提供したい”というコンセプトのお店なので、みなさんが集まるきっかけ作りができて嬉しいと感じています」

——取手の魅力は?
「突出した特徴はないけれど、嫌なところが見つからないくらい“ほどよい”住みやすさが魅力です。自然が多くて、とくに取手緑地運動公園は多くの方が利用しています。花火大会やたこあげ大会など、子どもが楽しめるイベントも多いですね。あとは交通の便のよさでしょうか。始発が停まるので、私も都内で働いていたときは都内まで座ったまま通勤できて便利でした。

生活面ではスーパーやホームセンターが充実しているので不便しません。車があれば『イオンタウン守谷』にも行けます。守谷駅はつくばエクスプレスも通っているので、休日になると守谷方面に向かう方は多いようですね。最近は取手駅周辺の開発も進んでいるので、さらに若いご家族が増えるのではないかと思っています」

■これからの発展にも期待できそうな街・取手

思わず深呼吸したくなるくらい自然を身近に感じられる取手。都内にも出やすいうえにスーパーも充実していて、まさに“ほどよく”住みやすい街だと実感しました。

かと言ってありふれた街ではなく、アートを感じられる街並みや歴史的建造物など取手らしい雰囲気が広がっているのも魅力です。さらに駅前は再開発が進み、生活に便利な施設やマンションが増えそうな予感。より住みやすい街へと変化しそうな期待感も高まりますね。

すべてにちょうどよい環境が揃った取手は、ご家族連れにはとくにおすすめしたい街でした。

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大瀧 亜友美(おおたき あゆみ)

山形出身で、東京在住歴は約10年。未だにお上りさんのようにあちこちの観光地を訪ねては、素敵な町探しにいそしんでいます。好きな街は、落ち着いた雰囲気のあるローカルな町。
Twitter:https://twitter.com/writerotaki04