Interview / 2017 11,20

「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」
プロデューサー・詩歩さんの“住まいへの価値観”

普段の生活を離れて旅に出ると、非日常な体験が味わえるものです。最近では世界一周をする人や日常的に旅をする人が増えてきている印象。世界中を飛び回っている人々は、普段どのような暮らしをしているのでしょうか。

世界中の絶景写真を紹介するFacebookページ「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」を運営し、さまざまな絶景や旅の企画をプロデュースしている詩歩さんにお話を伺いました。

詩歩(しほ)

1990年生まれ。静岡県出身。世界中の絶景を紹介するFacebookページ「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」を運営し、70万以上のいいね! を獲得して話題に。書籍「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」シリーズは5冊で累計60万部を突破。
オリコンランキング1位等を獲得し、アジア等海外でも出版されている。昨今の“絶景”ブームを牽引し、2014年流行語大賞にノミネートされるほどになった。現在はフリーランスで活動し、旅行商品のプロデュースや企業とのタイアップ、日本の地域振興の取り組みなどを行っている。

「きっかけは新卒での研修」“絶景”を仕事にするようになったワケ

Chapter.01

––普段はどれくらいの頻度で現地に行かれているのでしょうか。

だいたい1カ月間のうち、1週間は海外へ行き、2週間ぐらいは国内、そして残りの1週間は家で過ごすことが最近では多いかもしれません。仕事上、どうしても家で過ごす時間は少なくなってしまいますね。

––国内外問わず旅に出ていることがほとんどなのですね。現在の仕事を始めるようになった経緯を教えてください。

大学を卒業して新卒で入社したインターネット広告会社での研修がきっかけでした。Facebookページを立ち上げて、「いいね!」の数を競うという課題が出たんです。私はコンテンツを趣味の「旅行」にしようと思い、パッと見て目を引くような絶景写真を紹介することにしました。そこで、いろいろな方に「いいね!」をもらえたことが嬉しくて、現在の「死ぬまでに行きたい! 世界の絶景」を主軸とした仕事をするようになりました。

––これまで行かれた中で、一番印象的だったスポットはどこでしょうか。

なかなか一番は決められないのですが、ある意味印象深かったのはエチオピアにあるダナキル砂漠でしょうか。海抜マイナス100m以上という、海面よりも低いところにある世界一過酷な場所のひとつなんです。真夏には気温が50度を超え、「人類が住める最も暑い場所」としてギネス記録に登録されているほど。私は5月に行ったのですが、そこまで酷暑にならなかったのが救いでしたね。

story_img1ダナキル砂漠。塩分や硫黄、カリウムなどを含む温泉が地表に噴出し、黄色や緑など鮮やかな色の結晶となってできている

過酷だといわれているのは気温だけではなく、いくつもの理由があります。まず、ここは3日間野宿しないとたどり着けない場所です。トイレやシャワーはもちろんないですし、移動中は簡易ベッドを外に敷いて寝袋で寝ていました。外で寝たのは初めての体験でしたね。おまけに、ダナキル砂漠はプロの武装強盗が出没する恐れがある危険地帯です。万が一に備えて、銃を所持した兵士と共に行動しなければいけないエリアもあります。そのため、ツアー単位でないと個人では行くことができません。とはいえ、ツアーの指示に従って決まりさえ守っていれば、とくに危険な思いをすることはありませんでした。

story_img2

やっとの思いで到着した先に待っている極彩色は、人工では作り出せない自然ならではの美しい景色でしたね。この物質は触ってはいけない危険物質でもあるのですが……。とにかく全てが過酷で危険もあるのですが、他では見られない絶景は見ごたえがありました。

story_img3ダナキル砂漠にある火山の噴火口からはマグマを見ることもできる

「初めてのひとり旅では毎日帰りたかった」 それでも感じた“現地に足を運ぶ価値”

Chapter.02

––もともと小さいころから旅行が好きだったのでしょうか

そもそも旅行にあまり行ったことがなく、初めて海外に行ったのも大学生のときでした。国際ボランティアのプログラムに参加するために、1カ月間イタリアにひとりで行きました。当時は何も知らなさすぎて、ひとりで海外に行くことに対して怖いという認識すらなかったんです。イタリア人がイタリア語を話すことすら知らなかったので、今思えば当時の自分が恐ろしいなと思います(笑)。ボランティアのプログラム期間前後でひとり旅をして、ローマやフィレンツェ、ヴェネツィア……とさまざまな場所を巡りました。

story_img4ジョットの鐘楼から見渡せるフィレンツェ市街地の景色
story_img5ミラノ・ドゥオーモ前の広場

しかし、言葉も通じないし、スリなどの治安も心配。滞在中は毎日のように帰りたいと思っていました。ただ、その中で、歴史的な遺跡や建造物に触れられたことが自分の心に強く残ったんですよね。歴史が好きだったので、時を越えて世界的な遺産に触れられる感動がありました。海外に長く滞在するのはなかなか大変ですが、実際に現地に行ってみるのはいいものだと思いました。

当時は絶景に対してはさほど興味がなかったのですが、歴史が好きだったのでもっと古代の文化や遺跡に触れてみたくなりました。そこで、2カ国目はエジプトに行きました。