Column / 2020 09,07

マンションの売却を成功させる!流れとポイントが分かる完全ガイド

初めてマンション売却を検討する人にマンションを売却するときの流れについて解説。事前準備や査定、販売活動から売買契約、決済、確定申告まで、マンションを売却する際に必要な6つのステップについてご紹介します。

秋津智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。物件の選び方や資金のことなど、不動産に関する多岐のサポートを行なう。

マンションを売却することになったら?

マンションの売却をスムーズに進めるには、まず全体的な流れを理解することが大切です。特にマンションの売却が初めての人は、何から手を付ければよいのか、いつから始めればよいのか、分からないことがたくさんあると思います。

マンション売却という大きな決断で失敗しないためにも、全体的な流れを把握したうえでおおまかな売却計画を立てることが大切です。スケジュールに沿ってしっかり準備をすることで、慌てず納得のいく売却が行えるようになります。
今回は、マンションをなるべく早く、少しでも高く売却するための流れとポイントをご紹介します。

家の模型とカレンダーと現金

マンションの売却を始めるなら、相場を知ろう

マンションを売却するとなったら、最も気になるのは「一体いくらで売れるのか」ということではないでしょうか?マンションの売却価格は、エリアや築年数、面積などさまざまな要因によって左右されます。
あくまで参考ですが、主要都市の70㎡あたりの中古マンション価格のデータを、以下の表に示しました。

地域 価格 築年
東京 5457万円 26.1
神奈川 2954万円 27.0
埼玉 2380万円 26.5
千葉 2187万円 27.5
愛知 2096万円 26.3
大阪 2704万円 27.1
兵庫 2213万円 28.5

※1

表のとおり、都府県によって相場が大きく異なることが分かります。またこのデータはあくまで平均値なので、同じ東京都内でもエリアによって相場は大きく異なります。
不動産会社に査定を依頼する前に、まずは自分で大まかにでも中古マンションの価格相場がどのくらいか確認をしておくとよいでしょう。

相場を知っておくことで、相場よりも安い価格で売却することを避けることができます。また、相場に見合った価格設定をすることで、売却に要する時間を短縮でき、売却しやすくもなるでしょう。

自分の売却したい物件の特徴と合わせた相場を知れば、適正な価格で売却することができ、売却計画を立てやすくなりますよ。

●不動産の売却相場の調べ方についての記事はこちら
家の売却の相場はいくら?値段の調べ方や調べるときの注意点とは?

マンション売却の流れ [ 1 ] 事前準備

マンションの売却をスムーズに行うためには、準備が大切です。準備に向けて、マンション売却の流れをご紹介しましょう。

営業担当と話す夫婦

マンション売却にかかる期間は、一般的には3か月~半年程度といわれています。マンション売却は以下の6つのステップで進めていきます。

[ 1 ] 事前準備
[ 2 ] 査定
[ 3 ] 販売活動
[ 4 ] 売買契約
[ 5 ] 決済・引渡し
[ 6 ] 確定申告

まずは、マンション売却の事前準備です。準備しておきたい事柄は大きく3つあります。

売却の希望条件を整理する

マンションの売却を始める前に、売りたい条件を整理しておくとよいでしょう。条件を整理しておくことで、その後の販売活動がスムーズになります。

たとえば、希望条件としては次のような形で考えておくのがおすすめです。
・いつごろまでに売却したいか
・希望する売却価格はいくらぐらいか
・引越しのタイミングに合わせて引渡しをしたい
など

住宅ローンの残額を確認する

今利用している住宅ローンの残高を確認しておきましょう。住宅ローンの残高を知っておけば、ローン完済のために最低いくらで売却すればよいのかが分かります。
今後の資金計画を判断するためにも重要な材料になります。転居先での生活資金に問題ないかも考えて売却を行うことが大切ですよ。

必要書類を用意する

事前の準備として必要な書類を用意します。以下は、マンションの売却時に必要な主な書類です。

・権利証(登記識別情報)
・マンションの管理規約や使用細則など
・大規模修繕計画(表)
・固定資産税評価証明書(固定資産税通知書)
・マンションのパンフレット(間取り図などが分かるもの)
など

これらの書類は、役所に取りに行かないといけないものがあったり、必要となる時期がバラバラだったりなど、準備が煩雑になりやすいものです。なかでも不動産の「(登記済)権利証」(登記識別情報)は最も大切です。

この書類は再発行できないうえ、無いと所有権移転ができません。万一、紛失してしまった場合は、別の方法で登記を移転する準備が必要になります。これらの書類は事前に整理して余裕を持って準備してくださいね。

また、マンション購入時のパンフレットや住宅内の設備の取扱説明書、管理組合からの通知や議事録などマンションに関係する書類も事前に準備しておくと非常にスムーズに売却をスタートできますよ。

事前準備段階でのチェックポイント

□ 希望の売却条件を整理する
□ 住宅ローンの返済状況(残債)を知る
□ 売却手続きに必要な書類は、余裕を持って準備する

マンション売却の流れ [ 2 ] 査定

売却前に必要な準備ができたら、不動産会社にマンションの価格査定を依頼します。その後、査定価格を元に販売(売り出し)価格を設定しまので、重要なポイントになります。査定の際には、いくらで売れそうなのか、その価格できちんと売れるのか、とても心配になることでしょう。
後悔しないために押さえるべきポイントを4つご紹介します。

不動産販売会社の女性

相場を調べる

まずは近隣の中古マンションの売り出し価格を調べて、相場の価格を把握しましょう。情報収集して相場を知ることで、売れる価格設定の目安になります。自分の考える売却希望価格が妥当なものか、査定価格に無理はないかなどの比較材料となりますよ。
相場を調べる際には、できるだけ売却するマンションと似た条件の物件を調べることをおすすめします。立地や築年数、広さ、リフォームの有無などを見てみてください。

●マンション売却の相場に関する記事はこちら
マンション売却の相場は?主要都市の相場と自分で調べる方法をご紹介

複数の不動産会社に査定をしてもらう

売却価格の査定依頼を1社だけにすると、査定額が適正かどうか判断するのが難しい場合があります。不動産会社によって査定価格に差が出ることがありますので、必ず複数社に依頼することをおすすめします。

●マンションの査定に関する記事はこちら
うちはいくらで売れる?売却前に知っておきたいマンション査定のポイント

不動産業者に媒介(仲介)を依頼する

マンションの売却を媒介(仲介)してもらう不動産会社を決め、依頼します。媒介(仲介)する不動産会社は、販売活動でとても重要な存在です。ネットの物件情報に掲載したり、広告を出したりといった告知を行うほか、よりよい条件で売却するための相談に乗ってくれます。そのため、頼れる不動産会社に依頼することがポイントとなりますよ。

不動産会社の選び方は、周辺での売却実績や査定額に無理がないか、査定時の説明が明確で信頼できるかどうかなどを参考にしましょう。

媒介(仲介)契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。それぞれの契約条件が異なりますので、下記の表を参考にしてくださいね。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
自分で買主を見つけて直接売買できる できる できる できない
複数の不動産業者と同時に契約できる できる 1社のみ 1社のみ

●媒介契約に関する記事はこちら
売却時にかかる仲介手数料はいくら?計算方法と、よくある疑問にお答え

売り出し価格を決める

媒介契約後、査定で提示された金額を元に、不動産会社の担当と相談しながら売り出し価格を決定します。事前に確認したローンの残高を踏まえたうえで、近隣の価格相場とのバランスを考慮して売り出し価格を設定することが大切です。

「早く売却したい」場合は安めに価格設定し、「少しでも高く売却したい」場合は売却に時間がかかることをあらかじめ想定しておくとよいでしょう。一度出した売り出し価格を上げることは難しいので、高く設定したいところ。ですが、相場から逸脱した売り出し価格だと全く反応がない場合もありますので、必ず不動産会社の担当と相談して決めることをおすすめします。

査定段階でのチェックポイント

□ 査定は複数の不動産会社に依頼する
□ 売却したいマンションと似た条件の物件の売却相場を調べる
□ 査定時の説明が明確な不動産会社と仲介契約を結ぶ
□ 売り出し価格を決める

マンション売却の流れ [ 3 ] 販売活動

売り出し価格が決定したらいよいよ販売活動の始まりです。うまく買主を見つけるために売主ができることは何でしょうか?なかなか売れない場合の対策についても併せてご紹介します。

引越し作業をする男性

内覧の準備をする

売主にできることは、購入希望者が「お部屋を見たい」というときにスムーズに見てもらえるように準備することです。購入希望者が室内を見学することを「内覧」といいます。内覧は、まだ売主が売却物件に住んでいる状態で実施することが一般的です。内覧時の部屋の第一印象は非常に重要なポイントになります。特に室内の清潔感は人の印象を大きく左右し、購買意欲にも影響します。内覧の前にはいつもより念入りに掃除をしておきましょう。

また、マンションの室内設備が正常に動作するか確認しておくことも大切です。内覧の際、設備についての質問にすぐに答えることができ、印象がよくなりますよ。

内覧の対応をする

内覧者には、親切に対応しましょう。買主は物件はもちろん、契約を交わすことになる売主のこともチェックをしています。どんなによい物件でも、トラブルが起こりそうな相手とは売買契約を結びたくないですよね。

内覧中、質問された内容にはしっかりと対応して、質問にはできるだけ誠実に答えるようにしましょう。実際に住んでいる人だからこそ知っている、物件の細かな使い勝手や近隣のこと、生活エリアに関する情報まで伝えられると、購入検討者に喜んでもらえるでしょう。

内覧をする夫婦

購入の検討に対しての相談には柔軟に対応する

販売活動中には、購入検討者からさまざまな相談が持ち掛けられます。たとえば、価格の交渉や引き渡し時期の相談、壊れた設備の補修などが代表的なものです。こうした相談に対して応じられるものについては、自分が納得できる範囲で対応することが早く売却するためのコツになります。

また、真剣に購入を検討している人の中には何度も内覧を希望する人もあります。その場合は購入申し込みの最終段階であるケースが多いので、できるだけその要望に応えるようにしましょう。

状況によっては方針の見直しを!

なかなか買主が見つからず、想定していた売却期間をオーバーしそうな場合は、販売活動を見直す必要があります。「売り出し価格は高過ぎないか」「物件のアピールポイントを適切に伝えられているか」など、問題点を洗い出し、解決方法を不動産会社の担当者と相談しながら考えてみてください。
状況によっては媒介(仲介)の委託先である不動産会社の見直しを検討する必要もあります。

多くの不動産売買を経験してきた不動産会社の意見は参考になることも多いはず。早く買主が見つかるよう不動産会社と協力することが販売活動のポイントです。

販売活動段階でのチェックポイント

□ 内覧時には部屋を掃除、清潔にする
□ 見学者には誠実な対応をする
□ 売却に時間がかかる場合は、売り出し価格や仲介する不動産会社の見直す

マンション売却の流れ [ 4 ] 売買契約

購入希望者は正式に購入を希望する際、購入申込書という書面で意思表示を行います。売主は、正式な申し込みを受け、条件面などで折り合いが付けば、売主買主双方の日程を調整して売買契約となります。高額となる不動産の売買契約は、事前の条件交渉・確認がとても重要です。後日後悔しないために、しっかりと内容を確認しましょう。

家の模型と鍵を持つ男性

購入申込書を受け取る

購入希望者が見つかったら媒介(仲介)する不動産会社を経由して購入申込書を受け取ります。購入申込書は法的な拘束力はなく、まだ正式に売買が約束されたものではありません。購入希望の条件が書かれているもので、契約内容を確認して承諾できるものであれば売買契約へ進めます。

もし、交渉が必要な場合は、この段階で仲介会社を介して購入希望者と売主とで交渉を行います。
複数の申し込みがあった場合は、先着順となるのが一般的です。最初の申し込みが条件で折り合わなかった場合や購入希望者のローンが通らないなど契約前にキャンセルとなった場合に、次の申し込み者と話をすることになります。

売買契約をする

購入希望者の購入条件と売主の条件が折り合い、互いに納得できたら、いよいよ「売買契約」となります。売買契約は売主と買主、媒介する不動産会社が揃って行います。買主側にも仲介する不動産会社がある場合には、売主と買主、媒介(仲介)する不動産会社2社の担当が立ち会うことになります。

当日には以下のようなことを行います。
・買主に対し、重要事項説明書の説明
・物件状況確認書、付帯設備表の交付
・重要事項説明に関する質疑応答と記名・捺印
・契約書の説明(契約条件の確認)
・契約書への記名・捺印
・手付金の授受(売主は手付金を受け取る)

売買契約後にすること

売主に住宅ローンの残債がある場合は、ローンの残債を一括返済して抵当権を抹消する手続きのための準備にかかります。
一般的には抹消書類の準備は1~2週間程度かかりますが、金融機関によっては1か月程度かかる場合もあります。契約前から金融機関へ相談しておくと安心ですよ。

売買契約段階でのチェックポイント

□ 購入申込書を受け取る段階で交渉が必要な場合は、不動産会社を通して交渉する
□ 抵当権の抹消手続きは1か月程度かかる場合もあり、契約前でも金融機関へ相談する

マンション売却の流れ [ 5 ] 決済・引渡し

不動産の決済・引渡しは、大きなお金の授受があるので、最後まで気を緩めずしっかりと対応しましょう。

登記手続きを行う人

物件の売買代金などの決済をする

売買代金の残金の授受、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などのほか、マンションに関係する金銭の支払い・清算を行うことを「決済」といいます。

決済日当日は、売主、買主、媒介する不動産会社の担当のほか、司法書士が同席することが一般的です。司法書士には売主から買主へ名義を移転する所有権移転登記、売主の設定している抵当権の抹消登記、買主の抵当権設定登記など、さまざまな登記手続きを行ってもらいます。

司法書士は自分で選ぶこともできますが、一般的には仲介する不動産会社が紹介する司法書士か、住宅ローンを融資する金融機関が指定する司法書士となることが多いようです。

物件を引き渡す

売買の決済が完了したら物件の引渡しとなります。 引渡しは、売主の指定する口座に残金が振り込まれていることを確認してから、 マンションの鍵とマンションに関係する書類を買主に引き渡します。売主は引渡し日までに新居への引越しを済ませ、所有しているマンションの全ての鍵と関係書類を渡せるよう準備しておきましょう。

一般的には、売主買主の間で鍵の受領書や引渡し完了書といった書類のやり取りを行って引渡しが完了します。

売主の住宅ローンにかかる抵当権の抹消がある場合には、司法書士は、決済・引渡しの後金融機関へ抵当権抹消の手続き書類を受け取ります。その後、物件の所在する法務局へ向かい、抵当権抹消・所有権移転・抵当権設定(買主の住宅ローンの担保設定)といった登記申請をその日のうちに行いますよ。

なお、最近は登記も電子申請ができるようになっていますので、法務局の窓口まで出向かず電子申請する司法書士もいます。

登記完了後2週間程度で、買主へ買主名義の権利証(登記識別情報通知)が送られます。売主は、要望すれば権利のなくなった古い権利証を返還してもらうことができます。

決済・引渡し段階でのチェックポイント

□ 物件の決済日には、司法書士に登記手続きを依頼する
□ 物件の引渡し日までに引越しを済ませ、物件の鍵と関係書類を渡す
□ 司法書士が登記を行う

マンション売却の流れ [ 6 ] 確定申告

マンションを売却したら、確定申告についても注意しなければなりません。「会社員でも確定申告する必要があるの?」「なぜ不動産を売却すると確定申告が必要なの?」と疑問に思われる人もいるでしょう。
不動産売却を行ったら確定申告が必須のケースもあるので、事前にきちんと確認しておくことをおすすめします。

不動産権利証と電卓

確定申告を行う

確定申告は、1年間に得た収入とかかった経費をもとに収めるべき税金を申告することです。給与所得のみの人(一般的なサラリーマン)の場合は、会社で源泉徴収されているため、各種控除など申告の必要なことがなければ確定申告は不要です。しかし、不動産を売って得た譲渡所得があった場合は、確定申告をして納税する必要があります。

譲渡所得は、マンションを売却したことで得た利益を指します。譲渡所得は、以下のように計算をすることができます。

譲渡所得 = マンションの売却価格 -(マンションの取得費-マンション売却時の費用)

マンションの取得費は、マンションの購入価格に仲介手数料や登記費用など購入にかかった費用を加え、そこから売却した物件の建物の減価償却費を引いたものとなります。
単純に売却金額から買った時の価格や売却にかかった費用を引いたものではないので、注意が必要です。
計算が難しいので、税理士など専門家に相談するようにしましょう。

マンションの売却で得た利益には譲渡所得税が課税され、その内訳は所得税や住民税、復興特別所得税となっています。この譲渡所得税ですが、一定の条件を満たしていれば、特別控除や特例を受けることができますよ。

たとえば売却した物件が自分の住んでいた住宅だった場合、売却益が出ても3000万円までは特別控除があり、税金がかからないといった特例が受けられます。
売却損が出てしまった場合でも、所得税や住民税を減らすことのできる損益通算や特別控除といった制度があります。

これらの制度は確定申告をしないと利用できません。不動産を売却したら、確定申告を忘れずに行いましょう。

●マンション売却でかかる税金や節税対策に関する記事はこちら
不動産売却にかかる税金はいくら?必要な費用の計算や節税対策をご紹介
マンションの売却にかかる税金はいくら?簡単な計算方法とシミュレーション

できるだけ高く売却するには!マンション売却のポイント

マンション売却の流れをつかんだら、できるだけ高く売却するためのポイントを押さえておきましょう。3つのポイントをご紹介します。

売却のタイミングを見極める

1つ目のポイントはマンションを売却するタイミングです。マンションを売却する時期は、売却価格に影響します。

近年、住宅の売却価格相場は上昇傾向が続いています。国土交通省が2021年3月31日に発表している「不動産価格指数」を見ると、2020年12月の不動産価格指数は前月比1.6%上昇しています。

不動産価格指数は、国土交通省が毎月発表している不動産価格の動向を指数化した統計データです。なかでも、マンションの価格動向は引き続き上昇しているので、2021年もマンション売却のタイミングとしてはよいといえます。

マンションをできるだけ高く売却するためには、できれば物件の築年数が浅いうちのほうが高く売却することができます。物件の売却価格は、築年数が増えるにつれて下がっていきます。
築20年を超えると、築5年以下の物件と比べて約半分の売却価格になります。そのため、転勤などで住み続けるのが難しい場合や住宅ローンの返済に負担を覚えるなど「自宅を売ろうかな…」と考え始めたら、早めに売却の具体的な検討をすることをおすすめします。

また、短期的な時期を見ると、春は一般的に物件の需要が上がる時期です。特に人の異動の多い3月は賃貸だけでなく売買でも不動産取引のピークとなっています。
引越しを希望する購入希望者が多い3月に引渡しができるようにするためには、12月や1月から売却活動が始められるよう準備を進めておくとよいでしょう。

マンションの模型と電卓

査定額が決まる条件を知る

2つ目のポイントは、査定額が決まる条件を知ることです。査定額は以下のような条件から決まります。

・築年数
・周辺環境
・専有面積
・間取り
・設備
・耐震性(建築基準と建物の構造・工法)
・施行会社
・管理費・修繕積立金
・マンション内の管理状況

査定では、マンション内がきれいな状態かどうかも見られます。そのため、売却前にリフォームをしたり、ハウスクリーニングをする人もいるようです。
費用は、リフォームの場合、数十万〜数百万円。ただし、リフォーム箇所や採用する設備やグレードで大きく異なりますのでご注意ください。ハウスクリーニングの場合、70㎡の3LDKで一般的なクリーニングを想定すると、約10万円~15万円程度です。

まずは、できる範囲できれいにすること。査定も人が行いますから印象が大切です。これが査定額をよくする基本になりますよ。

外壁のリフォーム

売却物件に合った不動産会社を選ぶ

マンションを早く、できるだけ高く売却するためには、媒介してもらう不動産会社選びが重要です。プロである不動産会社に仲介してもらうことで、売却の計画を立ててスムーズな販売活動を進めてくれます。

依頼するときには、売却したい物件の種類と不動産会社の得意分野が合っているかを確認しましょう。たとえば、不動産会社にもマンション売却に強い会社もあれば、一戸建て売却が強い会社などの得意不得意などの特徴があります。

特にマンションの売却に強い会社かどうかを見極めるには、依頼の際に以下の点を見るとよいですよ。
・周辺地域での直近の実績を示してくれるか
・売却したい物件とほぼ同条件の物件の売却実績があるか

マンション売却には費用の準備も必要

ここまでマンションの売却の流れとポイントをご紹介してきました。具体的にマンションを売却するとなったら、費用の準備も必要です。当然ながらマンションは売却する際にも費用がかかります。そこで、必要な費用についても把握しておきましょう。

売却する際にかかる主な費用としては、以下のようなものがあります。

●売却にかかる諸費用

仲介手数料 媒介(仲介)した不動産会社に支払う手数料です。売却金額の3%+6万円+消費税(売却価格が400万円以上の場合)で算出できます。
不動産売買契約書に貼る印紙代 売却価格によって印紙代は異なります。不動産の売買契約の場合、軽減措置制度があるので確認しておくとよいでしょう。※2
登記費用(抵当権の抹消) 住宅ローンの担保(抵当権)の抹消について登記を行う費用です。※3
譲渡所得税 不動産を売却し、譲渡所得(譲渡益)が発生した場合譲渡所得税が課税されます。税率は不動産の種類や所有期間などによって異なります。

※速算式で計算した場合を想定

このほかに、ハウスクリーニング代や売買契約時に約束した補修費などがかかる場合があります。細かいところでは銀行への振り込み手数料などもあります。また、譲渡所得税は、売却するマンションの所有期間が売却した年の1月1日時点で取得から5年以下か5年超えかで税率が変わりますので注意が必要です。ただし、譲渡益が発生しなければ課税されません。

ビジネスマンに相談する女性

具体的に、居住年数15年のマンションを3000万円で売却することを例にした場合、かかる諸費用は以下の表のようになります。

●売却にかかる諸費用の内訳(居住年数15年のマンションを3000万円で売却する場合)

仲介手数料 105万6000円
(計算)3000万円×3%+6万円+消費税
不動産売買契約書に貼る印紙代 1万円
※不動産売買契約は特例措置あり
登記費用(抵当権の抹消) 1万5000円~2万円前後
(司法書士へ依頼した場合、登録免許税と司法書士の報酬が必要になります)
譲渡所得税 0円
※居住年数が10年以上の自宅の売却となり、3000万円の特例控除が適用され、
譲渡益が出ても3000万円以下なら税金はかかりません。

マンションは高額な売買となるため、仲介手数料が最も高額になることが分かります。また、このほか住宅ローンの完済するために金融機関へ支払う繰上げ返済手数料がかかる場合があります。
具体的に自分の不動産を売却したときのイメージができたでしょうか?

不動産の売却にかかる諸費用については、以下の記事で詳しく紹介しています。マンションの売却を検討する場合には、一度売却にかかる費用も計算してみるとよいでしょう。

●売却にかかる諸費用に関する記事はこちら
不動産売買にかかる仲介手数料とは?上限と計算例、ポイントを解説

ご紹介したように、マンションの売却にはさまざまな準備があり、時間もかかります。しかし、売却するためのパートナーである不動産会社の担当者とうまく信頼関係が築ければ、販売活動の負担が減り、スムーズな売却が可能となります。

マンションの売却にあたって不明な点や不安はそのままにせず、自ら調べることも重要です。それに加えて、不動産会社の担当者に相談しながら一歩ずつ着実にステップを進めていくことが一番の近道となりますよ!

※1 出典:三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移, 東京カンテイ
https://www.kantei.ne.jp/report/c202102.pdf
(最終確認:2021年4月7日)

※2 出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置,国税庁
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
(最終確認:2021年4月7日)

※3 出典:登録免許税の税額表,国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

この記事のポイント<Q&A>

  • Qマンションの売却はどんな流れで進めるの? A「事前準備」「査定」「販売活動」「売買契約」「決済・引渡し」「確定申告」の6つのステップで進めていきます。詳しくはこちらをご覧ください。
  • Qマンションを売却するにはどのくらいの時間がかかる? A一般的には、3か月~半年くらいかかります。詳しくはこちらをご覧ください。
  • Qマンションをよい条件で売却するコツは? A売却物件の状態や住宅ローンの状況を確認して、相場を理解しつつ、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することです。詳しくはこちらをご覧ください。