マンションの売却にかかる税金はいくら?簡単な計算方法とシミュレーション

マンションの売却にかかる税金には「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得にかかる税金」の3つがあります。売却の際は、それぞれの意味や計算方法、節税に利用できる特例について知っておくことが重要です。この記事では、マンションを売却する際の税金について計算方法やシミュレーションを、よくある質問とともにご紹介します。

目次
  1. マンションの売却にかかる税金|これだけは知っておきたい基礎知識
  2. マンション売却において一律でかかる税金
  3. マンション売却で利益が出るとかかる税金
  4. マンション売却にかかる税金の注意点
  5. マンション売却で利益が出た場合の税金の計算方法
  6. マンション売却に伴う譲渡所得税の計算シミュレーション
  7. 節税に役立つ控除にはどんなものがある?
  8. よくある質問
  9. 賢いマンション売却のカギは、税制の仕組みを知ること!
記事カテゴリ 売却 費用 税金 マンション
2026.05.29

マンションの売却にかかる税金|これだけは知っておきたい基礎知識

マンションの売却にかかる税金は、主に「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得にかかる税金」の3つです。以下の表は、それぞれの対象と税額の目安をまとめたものです。

税金の種類対象目安
印紙税一律でかかる契約価格100万円超え500万円以下の場合:2,000円
契約価格1,000万円超え5,000万円以下の場合:2万円
※2027年3月31日まで軽減税率が適用されます
登録免許税一律でかかる不動産1件につき1,000円
譲渡所得にかかる税金(所得税+住民税+復興特別所得税)利益が出た場合のみかかる譲渡所得×税率(20.315%~39.63%)

マンションの売却時に発生する税金にはさまざまな種類があり、その計算方法や納め方もそれぞれ異なります。

三井のリハウスでは、税理士と提携しながらマンション売却にかかる税金について不安がある方も売却まで丁寧にサポートします。100万件以上の累計取引件数によるデータを用いた高精度な不動産査定も提供していますので、売却をお考えの方は、まずは無料の査定で成約価格の目安を調べてみましょう。

●無料査定のお申し込みはこちら

売却されたマンション

マンション売却において一律でかかる税金

マンション売却でかかる税金のうち、印紙税と登録免許税は利益(売却益)の有無にかかわらず発生します。それぞれの意味や計算方法について、詳しく見ていきましょう。

印紙税

印紙税とは、不動産の売買契約書などの「課税文書」に課される税金で、収入印紙税とも呼ばれるものです。印紙税の金額は、契約価格、つまり売買契約時の契約書に書かれている金額によって異なります。契約価格に応じた印紙税の金額は以下の一覧表の通りです。

契約価格印紙税額(本則)印紙税額(軽減税率)
100万円を超え500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円1万円
5,000万円を超え1億円以下6万円3万円
1億円を超え5億円以下10万円6万円

※2027年3月31日まで、契約価格が10万円を超えると上記の収入印紙税に軽減税率が適用されます。

印紙税は、契約書に印紙を貼り、さらに印鑑や署名で消印を行うことで納税したと見なされます。そのため、印紙を貼り忘れたり消印をしていなかったりすると、罰則の対象になってしまうため注意が必要です。通常の印紙税に加え、さらに2倍の金額の「過怠税」を払うことになってしまいます。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の名義変更にかかる税金のことです。具体的には、物件の持ち主を売主から買主に変えるときの登記に支払う税金を指します。

この登録免許税の支払い義務は、売主・買主の両方にありますが、一般的に売主が支払う登録免許税は「抵当権抹消登記」にかかるものです。抵当権抹消登記とは、住まいを購入したときに組んだ住宅ローンの「抵当権(万が一返済が滞ったときのために、金融機関が土地や建物を担保にする権利)」を削除する手続きを指します。

登録免許税の金額は、抵当権抹消登記では不動産1つにつき1,000円です。ただし、建物と土地は別々の不動産と見なされるため数え方には注意しましょう。たとえばマンションの場合、建物と建っている土地とで登録免許税が別々にかかり、合計2,000円になります。

また、登記上で土地が数個に分かれている場合は、その分さらに登録免許税がかかります。自分のマンションの土地がいくつあるのかは「抵当権設定契約書」で確認できます。契約書は、ローンを組んでいた金融機関から返却してもらえるため、心配な方はあらかじめチェックしましょう。

売却予定のマンションと虫眼鏡、電卓

マンション売却で利益が出るとかかる税金

マンションを売却して利益(売却益)が出た場合にかかる税金には、譲渡所得にかかる税金(譲渡所得税)と復興特別所得税があります。それぞれ、以下で詳しく解説します。

●マンションの売り方のコツについてはこちら

譲渡所得にかかる税金

「譲渡所得」とは、土地や建物などの資産を売却して得た利益(売却益)のことです。この譲渡所得にかかる、住民税と所得税をまとめて譲渡所得税と呼ぶこともあります。譲渡所得にかかる税金の計算方法については、後ほど解説します。

復興特別所得税

復興特別所得税とは、東日本大震災の復興のために使われる税金で、復興税とも呼ばれています。この復興特別所得税がかかるのは、マンションを売却した年の所得税です。復興特別所得税にかかる税率は所得税額に対し2.1%となっており、2037年までに発生する所得が課税対象です。

マンション売却を悩む人

マンション売却にかかる税金の注意点

マンション売却で発生する税金を考える際は、それぞれ支払うタイミングが異なることや、場合によっては新たに別の税金がかかることに注意が必要です。

各税金を納めるタイミングは異なる

マンションの売却時に発生する税金は、それぞれ納税のタイミングが異なります。印紙税は契約時、登録免許税は引渡し時、譲渡所得にかかる税金と復興特別所得税は売却した翌年の2月16日~3月15日(土日祝の場合は翌平日)、住民税は売却した翌年度の6月以降から4回に分けて納税します。

投資目的の場合は消費税がかかる

マンションを投資目的で売却した場合、消費税がかかる(土地は非課税)ことに注意が必要です。普通、不動産を売却すると消費税がかかるのは法人のみですが、個人のマンション売却でも、投資の場合は消費税の対象となる「事業」と見なされるためです。また、投資目的の売却の場合、一部の控除や特例も利用できないため気を付けましょう。

ただし、2年前の課税売上が1,000万円を超えていなければ「免税事業者」となり、消費税が免除されます。投資としてマンションを売却する場合は、過去の課税売上を確認しておくとよいでしょう。

マンションと電卓

マンション売却で利益が出た場合の税金の計算方法

ここからは、売却して利益(売却益)が出た場合に発生する、譲渡所得にかかる税金の計算方法をご説明します。

譲渡所得にかかる税金は以下の計算式で求められます。

譲渡所得にかかる税金=(譲渡所得-特別控除額)×税率

譲渡所得にかかる税金を計算するには、譲渡所得と特別控除額、税率がそれぞれいくらなのかを求める必要があります。まずは、譲渡所得の計算方法について見ていきましょう。

譲渡所得の計算方法

初めに、自分の譲渡所得を計算します。譲渡所得は、次の式によって求められます。

譲渡所得=譲渡収入金額-(物件の取得費+譲渡費用)

・譲渡収入金額…物件を売った金額
・物件の取得費…物件の購入価格と購入時にかかった諸費用の合計
・譲渡費用…物件を売ったときにかかる仲介手数料や印紙税などの諸費用

ここで注意したいのが、物件の取得費です。取得費を計算する際は、建物の購入価格と購入時の費用の合計から「減価償却費」を差し引く必要があります。

減価償却費の計算方法

減価償却費とは、経年劣化によって下がった建物の価値を表す費用を指します。一般的に建物は築年数が経過するとともに、その価値が下がるとされています。

減価償却費の計算方法には「定額法」と「定率法」がありますが、建物の場合は定額法が使われます。定額法の計算式は以下の通りです。

なお、償却率は耐用年数と建物の取得日で決められており、 国税庁ホームページから確認できます。

減価償却費=建物の購入金額×0.9×償却率×経過年数

譲渡所得税の計算方法

これで、自分の譲渡所得が把握できました。次はいよいよ、譲渡所得にかかる税金の計算に移りましょう。譲渡所得にかかる税金の税額は、譲渡所得から特別控除を引いたものに、特定の税率をかけて求めます。

譲渡所得税=(譲渡所得-特別控除額)×税率

譲渡所得にかかる税金の税率は、売却する物件の所有期間によって変わります。以下の表の通り、所有期間が5年を超えると税率は大きく下がるため、売却するタイミングは慎重に検討しましょう。

所得の区分短期譲渡所得長期譲渡所得
所有期間(※1)5年以下5年超10年超所有軽減税率の特例
税率(※2)39.63%
所得税:30.63%
住民税:9%
20.315%
所得税:15.315%
住民税:5%
1.課税譲渡所得6,000万円以下の部分
14.21%
所得税:10.21%
住民税:4%
2.課税譲渡所得6,000万円超の部分
20.315%
所得税:15.315%
住民税:5%

※1譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下か、5年を超えているかにより判断。
※2税率には復興特別所得税2.1%を上乗せしています。

こうして譲渡所得と税率が分かれば、譲渡所得から特別控除額を引いたものに税率をかけることで、譲渡所得にかかる税金の税額が計算できます。特別控除の適用要件や控除額については、この後ご紹介します。

譲渡所得にかかる税金を計算する人

マンション売却に伴う譲渡所得税の計算シミュレーション

譲渡所得にかかる税金の計算方法が分かったところで、実際に具体的な価格を使って税額を計算してみましょう。以下の条件で、シミュレーションしてみます。

・成約価格:2,000万円
・取得費と譲渡費用の合計:1,600万円
・所有期間:3年(短期譲渡所得)

まず、譲渡所得を計算すると、2,000万円-1,600万円=400万円となります。

特別控除を用いない場合、譲渡所得に直接税率をかけて計算するため、譲渡所得税は400万円×39.63%=158万5,200円となります。ただし、この場合は譲渡所得が3,000万円以下であるため、後述する3,000万円特別控除が適用されれば譲渡所得にかかる税金を負担することなく売却できます。

このように、短期譲渡所得は税率が高くなりますが、特例を利用できれば長期譲渡所得と比べてそこまで税額が変わらないケースも多くあります。所有年数が短く、税率が高くなる場合でも売却を先延ばしにする前に、特例が適用できないか確認しましょう。

節税に役立つ控除にはどんなものがある?

マンションの売却をする際は、特別控除を利用できれば譲渡所得から一定の価格を差し引くことができ、譲渡所得にかかる税金を抑えられます。ここでは主な特例控除を3つご紹介します。それぞれ使える場面や特例の内容が異なります。1つずつ見ていきましょう。

マンション売却の節税に役立つ控除

3,000万円特別控除

3,000万円特別控除とは「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」のことを指し、マイホームを売却したときに、譲渡所得から最大3,000万円の控除が受けられるというものです。ここでいうマイホームとは「居住用財産」のことです。売却するのが投資用マンションではなく自宅で、要件を満たしていれば3,000万円特別控除を利用できます。

マンション売却の売却益が3,000万円以下の場合、この控除が適用されると譲渡所得税額は0円になり、譲渡所得税自体を払わずに済みます。ただし、3,000万円特別控除を利用すると、売却後に購入した物件については住宅ローン控除が受けられなくなります。新居を購入する予定がある人は、どちらの控除のほうが減税効果が大きいかを計算してから選択しましょう。なお、この特例を受けるためには確定申告をする必要があります。

●3,000万円特別控除についてはこちら

譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例は、マンションの成約価格が購入額より低くなり、譲渡所得がマイナスになる「譲渡損失」が生じたときに使える特例です。譲渡損失が発生した場合は、損失分の金額をほかの所得(給与所得、事業所得など)から控除する「損益通算」ができます。

さらに、譲渡損失の金額がその年の所得より多く、相殺しきれない場合は「繰越控除の特例」が利用できます。繰越控除の特例を使えば、最長3年間は譲渡損失を翌年以降の所得から差し引けます。

ただし、この特例を適用できるのは、マイホームを買い替える際に旧居宅の譲渡による譲渡損失が生じた場合や、住宅ローンのあるマイホームを住宅ローン残債を下回る価格で売却して譲渡損失が生じた場合に限られるため、条件には注意が必要です。

取得費加算の特例

取得費加算の特例は、親から相続したマンションを売却する際に、相続税の一定額をそのマンションの取得費として加算できるものです。この特例を使うことで、譲渡所得にかかる税金を軽減できます。

譲渡所得にかかる税金は、売却した金額から物件の購入費や手数料などの経費を差し引いた利益(売却益)に対して発生するものです。ここに取得費加算の特例が適用されれば、マンションの相続税も経費として一緒に差し引けます。

売却時の税金と控除

よくある質問

ここからは、マンション売却時の税金について、よくある質問をご紹介します。

三井のリハウスでは、経験豊富な担当者が売却までサポートします。マンション売却についてお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

●無料査定のお申し込みと電話相談はこちら

住宅ローンが残っているマンションを売却したときの譲渡所得税はどうなる?

住宅ローンが残っているマンションの売却であっても、売却時の譲渡所得の額によってかかる税金の額は決まるため、特に税額に影響はありません。住宅ローンが残っているマンションを売却し、第三者に譲渡する際は、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。

●マンション売却時に住宅ローンがある場合の対処法についてはこちら

マンション売却にはどんな税金がいくらかかる?

一律でかかるのは印紙税、登録免許税です。利益(売却益)が出た場合のみかかるのが譲渡所得にかかる税金(所得税+住民税+復興特別所得税)です。詳しくはこちらをご覧ください。

マンション売却時の税金を抑える方法はある?

3,000万円特別控除、譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例、取得費加算の特例を利用できるケースがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

マンション売却時の税金を納めるタイミングは?

印紙税は契約時、登録免許税は引渡し時、譲渡所得税と復興特別所得税は売却した翌年の2月16日~3月15日(土日祝の場合は翌平日)、住民税は売却した翌年度の6月以降とされています。詳しくはこちらをご覧ください。

減税効果を表す積み木

賢いマンション売却のカギは、税制の仕組みを知ること!

マンションの売却にかかる税金のことは複雑です。特に、初めてマンションを売る方にとっては、すぐに全てを理解するのは難しいかもしれません。

マンションの売却にかかわる税金を抑えるために、税理士と提携していて信頼できる不動産会社を選び、売却の際に税金や控除について相談しましょう。

最後に、三井のリハウスを利用してマンション売却を成功させた方の体験談をご紹介します。

【体験談の集計概要】
三井のリハウスが独自に集計した体験談を掲載しています。
募集期間:2024年3月1日~2024年3月31日
対象者:三井のリハウスで不動産売買をしたことがある方
回答人数:14,281人
調査方法:Webでのアンケート

【50代・税金の相談をしつつマンション売却に成功した方の体験談】
マンション売却では大変お世話になりました。90歳の母と同居していた名古屋のマンションを売却することになりました。母が高齢で、本人確認や書類上のやりとりのために東京まで行くのが大変であることをお伝えしたところ、所長が名古屋まで来てくださり、書類作成もしていただきました。本当にありがとうございました。基本的には代理人として私が手続きを担当していましたが、書類上の手続きの進行やクリーニングの専属業者の手配などもお手伝いいただき、名古屋にいることの多い私には本当に助かりました。所得税などの税金に関しても、税理士さんに無料でご相談させていただくことができてよかったです。

ここまで、マンションの売却にかかる税金について解説してきました。実際に売却する際は、発生する税金や利用できる控除について税理士や不動産会社と相談して、税負担をできるだけ抑えるようにするのがポイントです。また、マンション売却の仲介を依頼する不動産会社は実績豊富な信用できる会社を選びましょう。

三井のリハウスでは、無料査定をお申し込みいただけます。累積取引件数100万件以上の豊富な実績によるデータを用いて精度の高い査定を提供しています。マンションの売却をお考えの際は、まずは査定を受けて、ご所有の物件がいくらくらいで売却できそうか確かめてみませんか?売却に関するご質問等にも経験豊富な担当者が丁寧にお答えいたしますので、気軽にお問い合わせください。

●無料査定のお申し込みはこちら

監修者: 大原 剛

公認会計士・税理士
2007年、有限責任監査法人トーマツ入所。上場企業および大企業を中心とした会計監査業務に従事。
その後、プライム市場上場企業およびグループ子会社において、経理・税務・会計システム・予算管理など、コーポレート部門全般の実務を経験。
これらの経験を踏まえ、ハルサク会計を設立。現在は、税務申告業務に加え、上場企業水準の開示・内部管理を見据えたバックオフィス業務の仕組み化や、IT企業・スタートアップを中心とした会計・税務・管理体制の構築支援を行っている。
また、日本公認会計士協会東京会において、経営委員会委員およびテクノロジー委員会委員を歴任。
実務と制度の両面から、企業の成長フェーズに応じた実践的な会計・税務支援を強みとしている。