Column / 2020 10,15

一戸建て売却を成功させるには?高く売るためのコツを伝授!

不動産の売却は分からないことが多く、不安や疑問が尽きないもの。売主なら知っておきたい、一戸建て売却の基本知識や高く売るためのコツをご紹介します。売主に必要な知識を理解して、一戸建て売却を成功させましょう!

村田洋一

さくら事務所 不動産コンサルタント。宅地建物取引士、行政書士。消費者にとっての最良の不動産取引を目指し、多岐にわたる不動産トラブルの相談を受ける。
https://www.sakurajimusyo.com/

一戸建て売却を成功させるには?

一戸建て売却を成功させるには、売主として必要な知識を深めることが大切です。不動産の売却は分からないことが多く、不安や疑問が尽きないもの。「相場より高く売るにはどうしたらいい?」「トラブルを防ぐにはどこに注意すべき?」「マンションと一戸建てで違いはあるの?」など考えたらキリがないかもしれませんね。

そこで今回は売主なら知っておきたい、一戸建て売却の基本知識や高く売るためのコツをご紹介します。売却の流れはもちろん、売主が事前にすべきことを知っておけば、不安を減らして売却の取引に臨めますよ。

売主に必要な知識を理解して、一戸建て売却を成功させましょう!

家の模型

不動産売却に関する記事はこちら
不動産売却を失敗しないために!査定やお金などよくある質問にお答え

一戸建て売却の手順とは?

一戸建て売却をするうえで、まず理解しておきたいのが売却の手順です。売却は時間がかかるうえ、売主が準備すべきことが多くあります。全体の流れを把握しておけば、余裕を持って計画を立てやすくなるでしょう。

一戸建て売却は以下のような流れで行われます。

[ 1 ] 査定の依頼
[ 2 ] 調査
[ 3 ] 媒介契約
[ 4 ] 売却活動
[ 5 ] 売買契約
[ 6 ] 引き渡し

ここからは、それぞれの項目について詳しくご紹介します。一戸建て売却で損をしないためにも、どのタイミングで何が必要かを理解しておくと安心ですよ。

住宅模型をルーペで覗く作業服の男性

[ 1 ] 査定の依頼

売却をするために必要な、個人証明書や権利証(登記識別情報)などの書類を用意したら、不動産会社に査定の依頼をします。ここで重要なのが査定の依頼は1社だけではなく、複数の不動産会社にすることです。

査定価格は不動産会社によって変わるため、1社だけでは査定価格が適切なものか判断できません。必ず複数の会社に査定依頼をして比較するようにしましょう。

[ 2 ] 調査

査定を依頼された不動産会社は、売却する物件を調査をして査定額を出します。査定には机上査定と訪問査定の2種類があり、それぞれ調査方法が異なります。

●机上査定
机上査定とは、実際の物件を見ずに過去の事例や相場など、データをもとに査定する方法です。ネットや電話から手軽に依頼でき、かかる費用も無料でできる場合がほとんどでしょう。査定額はあくまで目安になります。査定にかかる時間は、早くて数時間、長くても1日程度でしょう。

●訪問査定
訪問査定とは、過去の取引や相場などのデータと併せて、不動産会社の現地調査によって査定する方法です。データだけでは分からない、建物の状態や周辺の環境などの情報も加味されるので、より適切な査定額が分かります。また訪問査定では不動産会社と直接やり取りをするため、担当者の対応や査定の仕方も確認することができますよ。

なお、訪問査定にかかる期間は、不動産会社との日程調整も必要なため、少なくとも1週間はかかると思った方がよいでしょう。

このように、スピードや手軽さなら机上査定、査定額の正確さや不動産会社の良し悪しを見るなら訪問査定と強みが異なるため、状況に合わせて使い分けることがポイントです。

また、机上査定で複数社に依頼して、適切な査定額を出した会社に訪問査定を依頼するといった方法にすれば効率よく比較検討できるのでおすすめですよ。

[ 3 ] 媒介契約

仲介する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産の売買の仲介を不動産会社に依頼する契約のことです。

媒介契約には3種類あり、同時に契約できる不動産会社の数が異なります。「専任媒介」「専属専任媒介」は1つの会社としか契約できませんが、「一般媒介」は複数の会社と契約できます。
どの媒介契約がよいかは、契約できる不動産会社の数だけでなく、売主や建物の状況によっても異なります。

媒介契約に関する記事はこちら
専任媒介とは?不動産売却時の不動産会社の選び方も併せてご紹介
一般媒介を選ぶ前に知っておくべき、不動産売却の基本知識を紹介!

握手をする夫婦と販売員

[ 4 ] 売却活動

不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動のスタートです!売り出し価格を決めて、買主の募集をかけます。売却活動の期間は約3ヶ月以内を目標にする不動産会社が一般的です。

物件情報が公開されると内覧の依頼が来るため、いつでも対応できるように掃除や設備の確認をこまめにするとよいでしょう。外観も内装も清潔感があるとそれだけで印象がよくなり、購買意欲に影響します。買主の目線になって、少しでもよい印象を与える環境づくりを行うことがポイントです。

[ 5 ] 売買契約

買主が決まると不動産会社から「購入申込書」が手元に届きます。書面にある支払い条件や引き渡し日などを確認し、必要があれば条件のすり合わせを行いましょう。売主買主の双方が条件に合意できれば、晴れて売買契約は成立です。なお、売買契約は買主と売主だけでなく、媒介する不動産会社も同席して行われます。

また、売買契約が成立したタイミングで、不動産会社に仲介手数料を支払います。支払い方法は売買契約時に半額を、残りは物件の引き渡し時に支払うのが一般的です。

[ 6 ] 引き渡し

売買契約を結んだら引き渡しの準備を行い、引き渡し当日を迎えます。このタイミングで売却代金を受領します。もし、ローンの残債があれば、売主はここで完済しなければなりません。支払えない場合は売買契約が成立できなくなる可能性があるので注意しましょう。

また、引き渡し日当日はお金の受け渡しだけでなく、所有権移転登記や抵当権の抹消登記などを行うこともあります。この場合は売主や買主、不動産会社の担当者に加えて司法書士も同席することが一般的です。引き渡しはほとんどの場合、売買契約を結んでから3ヶ月以内に行われます。

[ 7 ] 確定申告

最後に忘れてはならないのが、確定申告です。給与所得とは別に、不動産の売却で得た利益には「譲渡所得税」が発生するため確定申告をしなければなりません。確定申告をする時期は原則として、売却した翌年の2月16日~3月15日の間となっています。

なお、売却する一戸建てが自宅の場合は、控除や特例が受けられることがあります。条件によっては税金を大きく抑えられるので利用できないか、ぜひ確認しておきましょう!

マンション売却でかかる税金や節税対策に関する記事はこちら
不動産売却にかかる税金はいくら?必要な費用の計算や節税対策をご紹介
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売却でトラブルにならないために行っておくことは?

一戸建てを売却するまでの流れを把握したら、さらに売却をスムーズに進めるために押さえたいポイントがあります。売却活動が始まると、売主は何かと忙しくなりますが、このときに必ずしておきたいのが「売却時のトラブル対策」です。ここがしっかりできていないと、売却後に思わぬトラブルを引き起こすことがあります。

こうした事態を未然に防ぐためには、売却前の準備がとても大切です。ここからは、売主が売却前に注意すべきポイントをご紹介します。

悩む夫婦

物件の状態を確認する

物件の不具合や欠陥に気付かないまま売却を進めてしまうと、買主とトラブルになる可能性があります。売主として、まずは物件の状態をしっかりと把握しておきましょう。とはいえ、素人だけで雨漏りやシロアリ被害などを正確に把握するのは難しいですよね?

そこでおすすめなのが、専門家が建物の状態を詳しく調査してくれる「インスペクション」の実施です。インスペクションでは、専門家が建物の欠陥や劣化をチェックして、補修すべき箇所や補修をするタイミングを客観的にアドバイスしてくれますよ。一般的にインスペクションは不動産会社を介して行われます。興味があれば、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

インスペクションに関する記事はこちら
インスペクションとは?メリットや依頼先の選び方をご紹介

●免責事項を確認する
物件の状態を把握できたら「契約不適合責任」を避けるためにも免責事項を必ずチェックしましょう。ここでいう契約不適合責任とは、契約書に書かれた内容と建物の品質や状態が一致しない場合、売主が修繕や賠償を負う責任のことを指します。後々のトラブルを避けるために、事前に不動産会社の担当者に物件や設備の状況を詳しく伝えておくことが大切です。

書類のチェック

敷地の境界を明確にしておく

一戸建て売却では、敷地の境界を明確にしておくことがとても大切です。なぜなら、一戸建てはマンションと違い、敷地の境界があいまいな場合があります。隣地や公道との境界をはっきりしておかないと、思わぬトラブルに発展することもあります。

もし、境界が判断しづらい状況なら「確定測量図」で確認するとよいでしょう。確定測量図は敷地の境界が記載された実測図であり、敷地の境界が確定している証でもあります。紛失すると再度作成する必要もあるため、売却前に手元にあるか確認しておくと安心ですよ。

このほかに登記内容を確認する、測量士や土地家屋調査士に依頼するといった方法でも境界線を正確に調べられます。

過去の修繕履歴を整理しておく

過去にリフォームやシロアリ防虫メンテナンスなどをしていれば、その履歴を整理しておきましょう。細かい状況が分からなくても、修繕を行った時期と場所をまとめておくだけで、買主だけでなく不動産会社にとっても安心材料になります。特に不動産会社の査定時に、修繕履歴を渡しておけば物件の印象が良くなり、査定額アップも期待できるでしょう。

一戸建てをより高く早く売却するためにできることは?

一戸建て売却の流れやトラブル対策についてご紹介しましたが、やはり売主として一番知りたいのが「高く早く売る方法」ではないでしょうか?実は、よりよい条件で一戸建てを売却するにはトラブル対策と同じく、事前の準備をしっかり行うことが一番の近道なのです!

ここからは売却前に売主が押さえておきたい、一戸建てをより高く早く売るためのコツをご紹介します。

家の模型と虫眼鏡と電卓

不動産の相場を把握しておく

売却する一戸建ての相場を知ることは、高く早く売るためには欠かせないものですよね。ここで見ていきたい相場の軸は「売れるタイミング」と「物件が売れる価格」の2つです。相場を把握すれば、市場の重要があるタイミングで、かつ適切な販売価格で売り出すことができます。

相場を調べるには、固定資産税評価額や相続税路線価などを参考にする方法がありますが、いずれも準備や計算などそれなりに時間がかかります。自分で行う時間がない、手間をかけたくないという方は電話やネットから行える不動産査定を利用して、複数の不動産会社に査定を依頼してみると、おおよその相場が掴めますよ。

不動産の相場に関する記事はこちら
住み替えローンとは?利用の注意点や手順
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査定評価アップにつながる魅力を探す

査定額アップにつながる要素を把握しておくことも大切です。駅近や主要ターミナル駅からの交通アクセスがよいと大きなアピールポイントになりますし、近隣に学校やスーパーがあればファミリー層に好印象を持たれやすいでしょう。

また、自分ができる範囲で、建物内外の掃除や設備のメンテナンスをしておくのもおすすめです。たとえば庭の草木を整えたり、汚れが身立つ所を掃除をするだけで、築年数が古い物件でも印象をよくすることができます。大掛かりなものでなく、お金のかからない簡単な方法からぜひ始めてみてくださいね。

一戸建て売却が得意な不動産会社を選ぶ

一戸建て売却が成功するかどうかは、パートナーとなる不動産会社にもよります。不動産会社は、一戸建て売却のノウハウや実績がある会社を選びましょう。また、査定時の対応もポイントです。査定額の根拠や理由をしっかり伝えてくれることはもちろん、販売戦略をきちんと教えてくれる会社だと安心できるでしょう。

内覧の準備を入念に行う

内覧は購入希望者に直接アピールできる場なので、しっかり準備を行います。清潔感のある印象を持ってもらうためにも、室内の整理整頓をはじめ、細かな箇所もしっかり掃除しましょう。特に生活感が出やすい台所や風呂場などの水回りは念入りにするとよいですよ。

また、内覧当日は物件を見にきた購入希望者には明るくにこやかに対応するようにしましょう。その際に便利な近隣施設や立地エリアの治安など、住人だからこそ知っている良い住環境についての情報を話すこともおすすめです。会話が盛り上がるきっかけになり、細かな点もアピールできますよ。

一戸建て売却で失敗しないために

一戸建てをより早く、高く売却するにはしっかり準備をして、計画を立てて行うことが大切です。売却する建物に劣化や不具合がないか、状態を把握することや、敷地の境界を明確にすることなど売主が事前にすべきことは多くあります。こうした準備で、売主が建物の魅力やマイナス面をきちんと知っておけば、査定の際に不動産会社に適切なアピールをすることもできますよ。

高く早く売るには一戸建て売却に強い、不動産会社選びが重要です。さらに、売主側もしっかりと知識を持って準備することが売却の成功へとつながるでしょう。今回ご紹介したポイントを参考に、悔いのない売却をしてくださいね!