家を査定するとき掃除は必要?査定額を決めるポイントを解説

家の査定を受けるときにはある程度掃除をしておいたほうがよいでしょう。掃除をしたからといって査定額が格段に上がる訳ではありませんが、過度の汚れがあると査定額に悪い影響を及ぼす恐れがあります。今回は、査定で見られるポイントや掃除が必要なタイミングについてご紹介します。

目次
  1. 掃除すれば家の査定額は上がるの?
  2. 査定額が決まるポイントは?
  3. 掃除が重要なのは内覧時!
  4. 訪問査定を依頼する際の注意点
記事カテゴリ 売却 マンション 一戸建て
2022.03.22

掃除すれば家の査定額は上がるの?

家を売却する際、およその売却額を把握するために不動産会社に訪問査定を依頼します。その際に、少しでも査定金額を上げるために掃除を徹底して行うべきなのか、悩む人も多いでしょう。

結論からいうと、査定のプロは掃除がされているかよりも、家の状態を重視してチェックします。つまり、隅々まで徹底して掃除をしたからといって、査定額が上がるわけではないということです。ただし、過度の汚れは査定額に悪い影響を与える可能性があります。また、きちんと掃除がされていることにより、売主への好感度が高まり、売却をスムーズに進めてくれることもあるでしょう。徹底した掃除は必要ないとはいえ、常識範囲内での掃除はしておくことをおすすめします。

この記事では、家を査定する際に、どのような点が査定額に影響を与えるのか、掃除をする際は、どの部分を重視して行うべきなのかについて説明します。

家のミニチュアを虫眼鏡で見る人

査定額が決まるポイントは?

不動産の査定額が決まるポイントとしては、立地、築年数、日当たりなどがあります。ほかには、設備の劣化具合や破損具合も重視されます。子どもがいる家庭では、落書きの有無も査定額に影響する恐れがあるため注意しましょう。このように、査定額を決める際にチェックされるポイントは多くあるため、代表的なものをご紹介します。

間取り

部屋の間取りは、査定額を決めるうえで重要なポイントです。部屋の広さや部屋数はもちろん、家事のしやすさにかかわる家事動線、生活のしやすさにかかわる生活動線などもチェックされます。また、プライバシーがしっかりと守られているか、将来的な家族構成やライフスタイルの変化に対応できるかといった点も、査定額に影響を与えます。

設備

実際に生活をするうえで、設備の状態のよしあしは特に重視されるポイントでしょう。設備といってもさまざまですが、特に水回り(キッチン、トイレ、バスルーム)や電気、ガス系統に不備がないかは厳しくチェックされる部分です。また、収納設備が充実していると、査定では有利になるでしょう。

日当たりと風通し

日当たりや風通しのよさも、査定の際に見られるポイントです。
日当たりのよさは、方角と周辺環境によって決まります。マンションの場合は、一般的には南向きが最も人気であり、東向き、西向き、北向きの順に評価が下がっていきます。周辺環境という部分では、近くに高い建物があり、陰にならないかが重要です。

風通しのよさの判断ポイントとしては、家全体が空気の流れを意識して造られているかを見られます。風通しのよい家には、換気の効率が上がったり、部屋に湿気が滞りにくくなったりするメリットがあります。

眺望

眺望のよさも査定額に影響を与えます。家に庭が付いていたり、窓からの眺めがよかったりする物件はとても人気があり、査定額にも影響を与える可能性が高まります。

マンションからの景色

築年数

築年数も、当然ながら査定額に影響を与える要素となります。
一戸建ての場合は、築10年で建物の資産価値は購入時の半分ほどになり、築20年で資産価値はほとんどゼロになってしまいます。更に築年数が経つと、古屋付きの土地として、あくまで土地をメインで売却するケースが多くなります。
マンションの場合は、一戸建てよりは資産価値が下がりにくいですが、それでも築25年前後で建物の資産価値は購入時の半分ほどになってしまいます。

いずれにしても、築年数に比例して家の価値が下がっていく可能性が高いので、家の売却を考えるなら、少しでも早く売ることをおすすめします。

構造

家の構造には主に木造、重量鉄骨造(S造)、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)、コンクリート造があり、どの構造で造られているのかも査定の際にチェックされます。構造によって耐用年数(安心して住める年数)が異なり、耐用年数が長いほど査定額は上がる傾向があります。

物件の状態

築年数が新しくても、物件の状態が悪ければ査定額は下がってしまいます。外装のひび割れや、雨漏りの有無。水回りや電気機器などのメンテナンスの有無や、シロアリ被害の有無によって、査定額は大きく変わってくるでしょう。逆にいえば、築年数が古い場合でも、よい物件の状態を維持できていれば、相場よりも査定額が上がる可能性があります。将来的に家の売却を考えている場合は、日頃のメンテナンスを欠かさずに行いましょう。

耐震性

災害大国の日本においては、耐震性の高さは重要なポイントです。
1981年以降の建築物は、「新耐震基準」という基準が採用されており、耐震性を示すうえでの1つの指標となります。新耐震基準の建物は、「震度6強~7程度の地震で倒壊や崩壊しない」という基準のもと造られており、更に建物の強度に応じて「耐震等級」という3段階の区分に分けられます。

マンションの場合は階数と共有部分

マンションの場合は、売却する部屋の階数や、共有部分の充実度も査定の際に見られます。一般的に、同じ間取りの場合は階数が高いほど査定額も高くなる傾向にあり、エレベーターやオートロックの有無も査定額に影響するでしょう。また、管理会社によるメンテナンスがしっかりされているかや、管理人がいるかどうかも重要なポイントです。ただし、周辺物件よりも管理費が高い場合は、査定価格が下がる原因となります。

周辺環境

周辺環境のよさも、査定に大きな影響を与えます。駅やバス停、スーパーやコンビニ、保育園や学校、市役所や病院、郵便局や銀行など、日頃の生活でよく利用する施設が近くにあれば査定額も上がるでしょう。また、家の周辺に騒音や異臭、振動を生じさせるものがないかもチェックされます。

公園で遊ぶ親子

掃除が重要なのは内覧時!

査定の際に、掃除の程度はそこまで見られないということをお伝えしましたが、内覧時には掃除をしっかりしておくことが重要です。内覧とは、売却したい家を、購入を検討している人に実際に見てもらうことです。その際に、部屋が汚れていたり、過度な生活感があったりすると、購入意欲に悪い影響を与えてしまうでしょう。場合によっては、値下げ交渉の要因になることもあります。

しっかりと掃除されていて、きれいな状態の家を見せることができれば、売却がスムーズに進む可能性も高まります。それでは、内覧を成功させるために、重点的に掃除するべきポイントや、事前にしておくべき準備をご紹介します。

水回りをきれいに

多くの内覧者は、水回りのきれいさを気にします。キッチンの水垢や油汚れ、お風呂のカビ、トイレの汚れなどはしっかりと落としましょう。バスルームに髪の毛が落ちていないかも要注意です。もし、自分で汚れを取るのが難しい場合は、ハウスクリーニングに依頼するのもおすすめです。一時的にハウスクリーニング代はかかりますが、スムーズな売却につながり、結果的に売却額が下がる事態も起こりにくくなるでしょう。

キッチンを掃除する女性

臭いを消す

家の臭いというのは、自分自身ではなかなか気付きにくいものです。玄関の靴、排水溝、トイレ、換気扇などの、嫌な臭いが気になりがちな箇所は要注意です。また、ソファーやカーテン、ベッドなども想像以上に臭いが染み付いていますので、第三者の意見を取り入れたうえで消臭を行いましょう。

ものを減らす

内覧者によい印象を与えるためには、室内にあるものを減らすというのも有効な手段です。不要な家具や使用感のある家具を片付け・処分することで、部屋を広く見せつつ、生活感をなくす効果が期待できます。洗濯物やタオルなどは特に強い生活感を生じさせるので、内覧時には必ず片付けておきましょう。

ホコリを払う

意外と見落としがちなのが、家具や床のホコリです。ホコリが多くたまると、独特の臭いを感じさせます。そうならないためにも、ホコリはこまめに掃除しておきましょう。また、床のホコリを掃除すると同時に、磨いておくことをおすすめします。特に玄関の床は、内覧の第一印象につながるため、重点的に磨いておくとよいでしょう。

掃除機をかける女性

訪問査定を依頼する際の注意点

ここまで、査定額を決める際のポイントを説明してきました。そのうえで、訪問査定を依頼する際に、注意すべき点が2つあります。

訪問査定の前に簡易査定を行う

訪問査定を行う前に、簡易査定を行うことをおすすめします。簡易査定とは、机上査定とも呼ばれており、実際に現地を見て査定を行う訪問査定と異なり、データをもとに査定額を算出する査定方法です。データとしては、類似物件の取引価格や、住宅地図、登記簿謄本などが用いられます。

訪問査定のほうが簡易査定よりも精度の高い査定額が算出されますが、先に簡易査定を行うことで、早い段階でおおよその売却額を想定できます。また、訪問査定による査定額が出たときに、比較することもできるでしょう。簡易査定は早い場合なら30分~1時間程度で完了するため、忘れずに行いましょう。

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複数の不動産会社に訪問査定の依頼をする

査定額を少しでも上げるためのコツは、複数の不動産会社に訪問査定の依頼をすることです。査定額は不動産会社によって異なるため、それぞれの査定額を比較することによって、より高く売却できる不動産会社を見付けることができます。

また、家の設備が破損している場合は、不動産会社によって修繕すべきかどうかの判断も異なります。そのような場合も、複数の不動産会社から意見を聞いたうえで判断することで、無駄な修繕による費用を抑えることもできるでしょう。

以上の2点に注意して、納得のゆく価格で自宅を売却しましょう!

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不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/