旗竿地が売れないといわれる6つの理由!後悔しない売却のコツも解説
旗竿地は、一般的に売れにくいといわれています。しかし、工夫をすることで売れにくい旗竿地も売却が可能です。今回の記事では、売却するときのポイントや注意点、土地の評価を調べる方法を詳しく解説します。
目次
そもそも旗竿地とは
旗竿地(はたざおち)とは、道路から家につながる路地の部分が細い「竿」の形になっており、そこから奥に広がる「旗」の部分が建物を建てるための敷地になっている土地です。
旗竿地は、相続や土地の開発によって大きな1つの土地を分割する際にできます。大きな土地を単純に分割してしまうと、道路に接しない土地ができることがありますが、建築基準法第43条第1項では、「建築物の敷地は、原則として4m以上の幅員の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務が定められています。そこで、2m以上の幅がある通路を作って道路とつなげると、結果として旗竿地ができるのです。
なお、正方形や長方形の土地を「整形地」と呼びますが、旗竿地や台形のように特殊でいびつな形の土地は「不整形地」と呼ばれ、整形地と比べて成約価格が低くなる傾向があります。今回は、旗竿地が一般的に売れにくい理由や、旗竿地を売るためのポイントを解説します。

旗竿地が売れにくいといわれる6つの理由
旗竿地が売れにくいのは、土地の形状から建築時に一定の制約があり、建てた家に住む際にもいくつか懸念点があるためです。具体的な理由は主に以下の6つです。
・建て替えができない場合がある
・日当たりや風通しがよくない場合がある
・建物の取り壊しや、リフォームの経済的負担が大きくなりやすい
・私道が含まれる場合がある
・銀行の担保評価が低くなりやすい
・防犯面の不安がある
それぞれ詳しく解説していきます。

建て替えができない場合がある
現行の建築基準法に適合していない旗竿地は、建物を建て替えられない「再建築不可物件」となり、売却が難しくなるケースがあります。現行法では、道路に面する竿部分の間口およびその通路となる部分の有効幅員は2m以上必要とされています。しかし、法制化前に建てられた旗竿地のなかには、道路に接する部分が2mに満たないものもあります。そのような土地に立てられた建物は、一度解体すると建て替えができません。そのため「再建築不可物件」として扱われ、一般的に買い手が見つかりにくい傾向があります。ただし、再建築不可物件でも売却する方法はあります。対処法については後ほどご紹介します。
●再建築不可物件の売却についてはこちら
日当たりや風通しがよくない場合がある
旗竿地が売れにくい理由として、土地の性質上、周りを建物に囲まれることが多く、それにより光や風を遮られる場合があることも挙げられます。建物に熱気がこもり、通気性もよくないとカビやダニが発生しやすくなるのに加え、居住者の光熱費の負担が増えることがあります。これらの問題は、リビングを2階に配置することや吹き抜けや天窓の多用、サーキュレーターの設置などによって対策することが可能です。
建物の取り壊しや、リフォームの経済的負担が大きくなりやすい
建物の取り壊しやリフォームにお金がかかりやすいのも、旗竿地が売れにくい理由の1つです。旗竿地のなかには、竿の部分が狭く、取り壊しやリフォームの際に、大型車両が通れない土地があります。そのような土地の場合、小型重機を使うほか人力作業が必要になることが一般的です。また、資材に関しても近くの駐車場に停めてから運ぶ必要があり、人件費がかさむことが多いでしょう。
私道が含まれる場合がある
旗竿地の竿となる部分には私道が含まれている場合があります。私道部分の権利関係によっては、水道管工事や道路補修の際に、ほかの所有者との調整や私道所有者全員の承諾が必要になることがあります。その煩わしさやトラブルなどを避ける目的で、私道が含まれる旗竿地の購入をためらう方は多いでしょう。
銀行の担保評価が低くなりやすい
旗竿地は、整形地よりも銀行の担保評価が低く設定される傾向があります。そのため、自己資金が多くない場合、希望する金額の融資が受けられずに購入自体が難しくなったり、希望どおりの家が建てられなかったりすることがあります。
防犯面の不安がある
旗竿地は通行人の目が届きにくいため、プライバシー性が高いのがメリットです。一方で、人目に付きにくい立地であることから、防犯面に不安を感じる方もいます。
防犯面を重視する場合は、ホームセキュリティの導入やフェンスの設置、窓や玄関の防犯対策などを検討するとよいでしょう。ただし、対策する内容によっては、追加費用が発生し、経済的な負担が大きくなることがあります。

【一覧表】売れやすい旗竿地と売れにくい旗竿地の特徴を比較
売れやすい旗竿地と売れにくい旗竿地の特徴を以下の一覧表でまとめました。所有する旗竿地が、どちらの条件により多く当てはまるか確認しましょう。この特徴を把握しておくと、不動産会社へ相談する際も役立ちます。
| 売れやすい旗竿地 | 売れにくい旗竿地 |
|---|---|
| ・日当たりがよい ・竿部分を有効活用できる ・プライバシー対策がしてある ・立地がよい | ・日当たりがよくない ・私道が含まれている ・接道間口が狭い ・再建築できない ・建物を建てる旗部分が小さい ・騒音などの近隣トラブルがある |

売れないといわれる旗竿地にもメリットがある
旗竿地は売れにくいといわれますが、車による騒音が少ないことや、竿部分にあたる路地を活用できるなど、特有のメリットもあります。旗竿地の主なメリットは以下の3つです。
・道路から離れているため、車による騒音が少ない
・接道間口が大きく長い場合は竿部分を活用できる
・竿部分の面積によっては建ぺい率・容積率に余裕が生まれる場合も
売却を考えている方は事前に知っておくと、売却活動の際に積極的にアピールできるでしょう。以下で、それぞれ詳しく解説していきます。
道路から離れているため、車による騒音が少ない
旗竿地は土地の性質上、道路から離れた位置に家が建つため、通行人の声や車の走行音などの騒音が聞こえにくいのがメリットです。さらに人目にも付きにくく、プライバシーが守られる点も魅力的な要素でしょう。
接道間口が大きく長い場合は竿部分を活用できる
旗竿地の竿部分は、駐車場として活用できる場合があります。その場合、旗部分に駐車場のスペースを作る必要がないので、居住空間を広く使えます。また、車を所有していない場合は、駐輪場に活用することも可能です。
竿部分の面積によっては建ぺい率・容積率に余裕が生まれる場合も
家を建てるときは、敷地面積に対する建ぺい率や容積率によって、家の延床面積などに制限があります。旗竿地は、竿部分も敷地面積に算入されるため、建ぺい率・容積率の上限に余裕が生まれる場合があります。ただし、建物自体は旗部分にしか建てられないため、同じ面積の整形地ほど自由に大きな家が建てられるわけではありません。

売れない旗竿地を売却するコツ
売れにくいといわれる旗竿地も、工夫することで売却しやすくなります。売れにくい旗竿地を売却するためのポイントは、主に以下の4つです。
・セットバックの必要性を確かめる
・私道の権利関係を確認して整理する
・隣の宅地の所有者への売却を検討する
・旗竿地を多く扱っている不動産会社に依頼する
それぞれ詳しく解説していきます。
セットバックの必要性を確かめる
所有している旗竿地に、セットバックの必要性があるか確かめましょう。セットバックとは、道路に面した部分の敷地を、敷地側に向かって後退させ道路幅を広げることです。建築基準法第43条第1項では、「建築物の敷地は、原則として4m以上の幅員の道路に2m以上接していなければならない」と定められているので、接道条件を満たしていない場合は再建築不可物件となります。(※1)幅員が4m未満という理由だけで再建築の条件を満たせていないのであれば、セットバックすることで道路幅が大きくなり、建物を建築できるようになるでしょう。そのため、建て替えを視野に入れ、物件を探している買い手にもアピールできます。
なお、幅員は自治体の役所で調べるか、不動産会社へ調査依頼することで分かります。事前に確認しておきましょう。
私道の権利関係を確認して整理する
旗竿地を売却するためには、私道の権利関係を確認し、必要に応じて整理することが重要です。私道の所有形態によって、必要な対応は異なります。
竿部分を自分が単独で所有している場合は、基本的に特別な対応は必要ありません。一方、竿部分が他人所有の私道で、自分に持分がない場合は、通行承諾や通行地役権の設定などについて所有者と交渉することで、買主が安心して購入できる環境を整えられる場合があります。
私道の権利関係はケースによって異なり、法律や契約に関わる問題も多いため、売却を担当する不動産会社や専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
隣の宅地の所有者への売却を検討する
旗竿地がなかなか売れない場合、隣地の所有者への売却を検討するのも1つの方法です。たとえば、竿部分の横に土地を所有する隣人からすると、旗竿地を購入すれば敷地を広げられ、道路に面する間口も同じく広げられるので、交渉しやすいといえるでしょう。
旗竿地を多く扱っている不動産会社に依頼する
旗竿地が売れない場合、売却のプロである不動産会社に任せることも選択肢の1つです。旗竿地のような売れにくい物件でも、不動産会社は有効な売却戦略を立ててくれるので、一度相談するのがおすすめです。
三井のリハウスでは、豊富な知見を活かした売却プランのご提案や無料査定など、不動産売却に関する幅広いサポートを行っています。「旗竿地を売却したいがスムーズに売却できるか心配」「旗竿地が売れなくて困っている」という方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
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旗竿地を売るときの注意点
旗竿地売却時は、準備や売却の手順、不動産会社の決め方などに関する注意点があります。事前に把握しておくべき3つの注意点をご紹介します。
・むやみに家を解体しない
・住み替える場合は購入先行がおすすめ
・焦って不動産会社を決めない
それぞれ詳しく解説していきます。
むやみに家を解体しない
家を解体して更地にすると、住宅用地に適用される固定資産税の特例措置が受けられなくなるため、固定資産税の負担が増える可能性があります。たとえば、住宅用地は固定資産税の課税標準額が最大で1/6に軽減されますが、更地にするとこの特例は受けられません。そのため、売り出す前に家を解体するかどうかは、不動産会社に相談して慎重に検討しましょう。
●住宅用地及びその特例措置についてはこちら
住み替える場合は購入先行がおすすめ
旗竿地から住み替えをするなら、一定条件内における住み替えローンを行う方を除き、新居を買ってから家を売る「購入先行」がおすすめです。購入先行であれば、内覧のときに空き家の状態にできるため、部屋を広く見せられるほか、クローゼットの中などの隅々まで見てもらいやすくなります。
また、カーテンや家具などで光を遮らないため、旗竿地の日当たりがよくないというイメージも補えるでしょう。
焦って不動産会社を決めない
旗竿地は、経験や実績のある不動産会社に任せられるかどうかが売却の鍵になるでしょう。不動産会社を選ぶ際は、実績が豊富で、旗竿地の扱いにも詳しい会社を見定め、査定を受けることが大切です。シミュレーション査定のように簡単な査定のみで会社を選定せずに、訪問査定で担当者の説明を受けながら詳しく物件を見てもらいましょう。
また、実際にどのような説明を受けるかで、旗竿地の売却にどれだけ親身になってくれるかを判断できるでしょう。担当者との会話で気になることがあれば積極的に質問するのも大切です。
三井のリハウスでは、100万件以上の取引実績にもとづく、精度の高い査定を無料で行っています。旗竿地売却をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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旗竿地の評価額を算出する計算方法
旗竿地は整形地に比べ、評価額が低く算出される傾向があります。これは、土地の形状や間口、奥行きなどの条件に応じて補正率が適用されるためです。
旗竿地の評価額は、一般的に以下の計算式で求められます。
評価額=路線価×補正率×土地面積
路線価とは、路線(道路に面した)標準的な宅地の1㎡あたりの評価額です。旗竿地の評価額を算出する際は、土地の形状や接道状況に応じた各種補正率(奥行価格補正率や不整形地補正率など)を路線価に乗じ、その額に土地面積をかけて求めます。
旗竿地の評価額は、1つの補正率だけで決まるわけではありません。原則として、次の流れで補正率を適用し、評価額を算出します。
【旗竿地の評価額を算出する流れ】
1.奥行価格補正率を適用する
2.「奥行長大補正率×間口狭小補正率」を算出する
3.「不整形地補正率×間口狭小補正率」を算出する
4.「2.」と「3.」で算出した値を比較し、いずれか小さいほうを採用する
なお、不整形地補正率は、かげ地割合(想定整形地に対する不整形地以外の部分の割合)などに応じて決まります。
補正率は「0.90」や「0.88」など1未満となることが多く、その場合は整形地よりも評価額が低くなります。また、固定資産税評価額は相続税評価額とは異なる基準で算出されますが、土地の形状が評価に反映されるため、整形地より固定資産税の負担が抑えられる場合もあります。旗竿地の売却を考えている場合はこの点をメリットとして買い手にアピールするということもできるでしょう。
以下では、それぞれの補正率の考え方や計算方法について解説します。
奥行価格補正率を適用して評価額を算出する方法
旗竿地の評価額は、奥行きの長さによって変化する場合があります。奥行き距離が長過ぎたり短過ぎたりする土地は利用効率が低くなるため、「奥行価格補正率」が適用され、評価額が低くなる場合があります。
評価額=路線価×奥行価格補正率×面積
奥行長大補正率と間口狭小補正率を用いて評価額を算出する方法
旗竿地のなかでも、間口が狭く、奥行きの長い土地は「奥行長大補正率」と「間口狭小補正率」を用いて計算する必要があります。間口狭小補正率は、道路に接する間口の幅によって異なります。以下が計算式です。
評価額=路線価×奥行長大補正率×間口狭小補正率×面積
不整形地補正率と間口狭小補正率を用いて評価額を算出する方法
旗竿地の形状によっては、「不整形地補正率」と「間口狭小補正率」を組み合わせて評価額を算出する場合があります。不整形地とは、正方形や長方形に形が整えられていない三角地などの土地を指します。以下が計算式です。
評価額=路線価×不整形地補正率×間口狭小補正率×面積
●各補正率の詳しい説明や、数値はこちら

旗竿地を売るときに売り手が知るべき買い手の不安とは?
買い手の主な不安には、騒音などの近隣トラブルが挙げられます。旗竿地は隣接する家が多く、距離も近いため、生活音やペットの鳴き声などが比較的聞こえやすい環境です。信頼できる不動産仲介会社に依頼して、分かる範囲で近隣の方の生活リズムなどを伝えておくとよいでしょう。
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※1出典:国土交通省「接道規制のあり方について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001894185.pdf
(最終確認:2026年7月14日)

監修者:鈴木成禎
らくだ不動産チームリーダー、エージェント
用地・区分マンションの仕入れ事業や東証プライム上場企業での仲介経験を経てらくだ不動産に参画。東京、千葉、埼玉、神奈川を中心に220件以上の取引実績有。現所有マンションの管理組合理事長も務める。
https://www.rakuda-f.com/





