不動産売却時の査定は複数社に依頼するべき?基礎知識やメリット、注意点を解説

不動産査定とは家や土地を売却する際に不動産会社に売却推定価格を算出してもらうことです。この査定は売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶうえでも重要です。今回は査定の基礎知識や、複数社に頼むメリットと注意点について詳しく解説します。

目次
  1. 不動産査定は複数の不動産会社に頼むべき?
  2. 不動産査定の基礎知識
  3. 不動産査定を複数社に依頼するメリット
  4. 不動産査定を複数社に依頼する場合の注意点
  5. 査定を通じて最適な不動産会社を選ぼう!
2023.06.30

不動産査定は複数の不動産会社に頼むべき?

不動産査定は、不動産を売却する際に不動産会社を通じて行われる査定のことで、売却したい物件にどれくらいの価値があるのか売却推定価格を算出してもらうことです。不動産査定によって得られた査定額は、その後の売り出し価格のベースとなるため、査定をしてもらう不動産会社選びはとても重要です。そこで、1社ではなく複数の会社に査定を依頼する方もいるでしょう。では、実際に不動産査定は複数の会社に依頼するべきなのでしょうか?

査定では、不動産会社ごとに提示される査定額が異なることが一般的です。複数の会社に依頼することで、さまざまな査定額から判断してその物件のおおよその相場価格を知ることができるというメリットがあります。ですが、その一方で、複数の会社に依頼するうえで注意しなければならない点もあります。

そういったメリットや注意点を踏まえて、よい不動産会社を選べると売却の成功につながる可能性が高いでしょう。また不動産売却は長期間にわたって行われるため、不動産会社選びは重要です。

今回は複数の不動産会社に査定を依頼しようか迷っている方、査定をどこに依頼すればよいか分からないという方に向けて、査定の基礎知識や複数社に頼むメリット、注意点について解説していきます。

家の模型と虫眼鏡を持つ男性

不動産査定の基礎知識

査定を複数社に依頼するメリットや注意点についてお伝えする前に、査定の基本知識として、不動産査定の種類と流れを解説します。 査定を受けようと考えている方は把握しておきましょう。

不動産査定の種類

不動産査定にはAI査定、簡易査定、訪問査定の3種類があり、それぞれ異なる特徴があります。

AI査定
AI査定は、過去の膨大なデータを学習したAIがおおよその価格を算出するという査定方法です。電話番号を登録する必要がなく、不動産会社と電話でのやりとりが発生しません。

加えてAI査定は、査定結果が即時に分かるので、気軽に行うことができます。ただし、査定の精度は、簡易査定や訪問査定より低くなる傾向があるので注意が必要です。三井のリハウスでもマンションのAI査定を行っているので、とりあえず査定を受けてみたいという方はぜひ一度ご利用ください。

簡易査定
簡易査定とは、所在地や築年数、間取りなどの物件情報や相場のデータを基準に行われる査定で、机上査定とも呼ばれます。簡易査定はインターネットやメール、電話などから手軽に行うことができ、不動産会社を家に招く必要がないため売却を深く検討していなくても、気軽に依頼することができます。

訪問査定
訪問査定とは、実際に不動産会社の担当者が物件を訪れて、物件の状態を確認したうえで行う査定のことです。物件の状態を不動産会社の営業担当者が実際に訪れて確認するため、訪問日の調整や、調査をした後、結果が出るまでに1週間程度はかかるなど、AI査定や簡易査定に比べて手間や時間がかかります。

ですがその分、精度の高い査定結果が得られるという特徴があります。そのため、訪問査定は、売却を具体的に検討している方におすすめの査定方法です。また訪問査定では、実際に不動産会社の担当者とも直接やりとりできるので、不動産会社選びの指標にすることもできます。

部屋で資料を見るビジネスマンと女性

不動産査定の流れ

ここでは不動産査定の流れについて4つのステップに分けて見ていきましょう。事前に査定の流れを知っておくことで、スムーズに進められるので、実際に査定を受ける際の参考にしてみてください。

[ 1 ] 査定を検討し始める
売却を考え始めたら、まずはどの査定を受けるか検討しましょう。売却をなんとなく考えている場合は、簡易査定やAI査定でおおまかな査定額(査定価格)を把握し、売却の意思が固まっている場合は、訪問査定を依頼するのがおすすめです。

[ 2 ] 査定を依頼する
十分に検討し終えたら、不動産会社に査定を依頼しましょう。このとき、AI査定や簡易査定を依頼する方は、査定結果を確認して、売却の意志が固まったときには改めて訪問査定を依頼しましょう。なお、訪問査定は簡易査定よりも精度が高いため、より具体的に売却の計画を立てることができます。

[ 3 ] 現地調査を実施する
訪問査定の場合、依頼が完了したら、実際に不動産会社の担当者が現地を訪れる日のすり合わせを行います。当日の査定にかかる時間はおおよそ1時間程度で、調査日は立ち会いが必要になるため、注意しましょう。

[ 4 ] 査定結果を確認する
調査が終わると、査定結果が不動産会社から郵送、電話、またはメールで届きます。このとき、査定の結果が納得できるように、査定額の根拠を不動産会社に聞いておくのがおすすめです。

住宅模型と電卓

不動産査定を複数社に依頼するメリット

ここからは複数の不動産会社に査定を依頼するメリットについてお伝えしていきます。

相場価格を把握できる

前述の通り、複数の会社に査定を依頼することで相場価格を把握できます。不動産の売り出し価格は最終的に売主である自分が決めなければなりません。相場を知っておくことで適切な売り出し価格を提示することができ、スムーズな不動産売却につながります。

しかし、なかなか自分では、相場価格を把握することは難しいでしょうし、1社の査定結果だけでは、その額が相場価格として妥当であるかどうか分かりません。そこで複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定額を比べることで適切な売り出し価格の参考にすることができます。もし、不動産会社ごとで査定額が大きく異なる場合は、上記でもお伝えしたように査定の根拠を聞いてみましょう。

部屋で電卓の計算結果を見せるビジネスマン

不動産会社選びの参考になる

こちらも前述の通り、不動産査定を複数の不動産会社に依頼することは、仲介契約を結ぶ不動産会社選びの参考になります。不動産査定を参考にするうえで注意しておくべきことは、査定額の高さだけで不動産会社を選んでしまうのは危険ということです。なぜならその会社が高い査定額を出していても、その査定額で売れるかどうかは分からず、場合によっては売れ残ってしまう可能性もあるためです。

そのため、不動産会社の担当者による対応のよさや、不動産会社の実績を加味して選ぶのがポイントです。不動産会社の実績を判断するポイントは取引事例の数です。各不動産会社のホームページや店舗の看板、口コミで確認できますので、参考にしてみるとよいでしょう。

また不動産売却が完了するまでには、販売活動や売買契約の締結など行わなければならないことが多く、しばらくは不動産会社との関係が継続します。そのため不動産会社選びは慎重に行い、数多くある不動産会社のなかから自分に合うと思える不動産会社を見つけることが大切です。

不動産査定を通して、複数の不動産会社の雰囲気や担当者の対応を見ることで自分に合う不動産会社を選びやすくなりますよ。三井のリハウスでは累計100万件以上の取引事例を生かしたAI査定、簡易査定、訪問査定を無料でご提供しているので、査定で迷われている方はぜひ一度ご相談ください。

不動産査定を複数社に依頼する場合の注意点

複数の不動産会社に査定を依頼するのにはメリットがある一方、注意点もあるので、ここでは注意点について解説します。

住まいの模型

複数の不動産会社に個人情報を提供する

査定依頼時には個人情報を提供することになるため、あらかじめ留意しておく必要があります。複数社に査定を依頼するためには、物件の情報だけでなく、所有者である本人の情報も必要となってきます。個人情報を複数社に提供することに対して不安を感じる方には、電話番号を提供せずに行えるAI査定がおすすめです。

複数の不動産会社に対応する必要がある

査定を複数の不動産会社に依頼する場合には、それぞれの会社に対応しなければなりません。たとえば、依頼した会社の分だけ書類を用意したり、訪問査定であれば、各会社の担当者と現地調査に立ち会ったりする必要があります。なお1回の訪問査定には1時間ほどかかるため、複数の不動産会社に査定を依頼すると時間の負担も増えてしまいます。によっては煩わしいと感じる可能性もあるため、依頼前に十分に検討しましょう。

仲介を依頼しない会社には断りを入れる必要がある

最終的に専属専任媒介契約や専任媒介契約を結ぶ場合には不動産会社を1社に絞る必要があります。媒介契約とは、不動産売買を行う際に売主と買主の仲介をする不動産会社と結ぶ契約のことです。媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類あるのですが、それぞれの特徴については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。

媒介契約の種類によっては不動産会社を1社に絞る必要があるため、ほかの不動産会社には断りの連絡をしなければなりません。断るのが苦手な方には精神的負担になるかもしれませんので、複数の会社に依頼するかどうかは十分に検討しましょう。

契約書と握手をする男性と女性

査定を通じて最適な不動産会社を選ぼう!

不動産査定は不動産売却において重要なステップの1つです。前述した通り、どの査定方法が適しているかは、売却をどれくらい具体的に考えているかによって変わります。また事前に査定の流れを把握しておくことで、スムーズに進められるでしょう。

不動産査定は複数の不動産会社に依頼することで、査定額からある程度の相場を把握できます。また、複数の会社とやりとりをすることは、媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶためにも役立つというメリットがあります。しかし、その反面、査定をしてもらうためには複数の不動産会社に対応しなければならなかったり、最終的に契約を結ばない会社に断りの連絡を入れなければならなかったりと注意点もあります。

また複数の会社に不動産査定を依頼することは不動産会社選びの判断材料を増やしてくれます。不動産売却を成功させるためには適した不動産会社を選ぶことが大切なため、査定時には会社から提示された査定額だけでなく、担当者の対応や会社の実績、サービスなども見ておきましょう。不動産査定を活用して、不動産売却を成功に導いてくださいね!

三井のリハウスでも100万件の取引実績で積み上げた知見を生かしたAI査定、簡易査定、訪問査定を無料で承っています。査定をご検討中の方はぜひご利用ください。

ファイナンシャルプランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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