売却価格とは?査定価格、売り出し価格など不動産価格の種類と意味、価格の決め方を解説!

不動産を売り出す際に、売却価格や売り出し価格、査定価格などの言葉をよく聞きませんか?しかし、これらの言葉がどういった意味かを理解している人はあまり多くないでしょう。今回は不動産売却に関する価格の種類と意味、それぞれの決め方について解説します。

目次
  1. 売却価格とは?
  2. [ 1 ] スタートは査定価格から
  3. [ 2 ] 売却希望価格を決める
  4. [ 3 ] 売り出し価格を決定する
  5. [ 4 ] 売買契約時に成約価格が決定する
  6. 信頼できる不動産会社を選んで売却を!
2023.04.20

売却価格とは?

マンションや一戸建ての住宅の売却、土地売却などを考え始めたとき、まず一番気になるのがその価格でしょう。自分が所有する不動産はいったいいくらで売れるのか、その価格はいったいどのように決まるのか、金額が大きいだけに気になる方も多いはずです。

売却の看板と建物

不動産売買において売却価格とは、一般的には不動産が実際に売れた価格のことを指し、「成約価格」と呼ばれます。不動産を売却するときの価格は、最終的に成約される価格が決まるまでに、状況に合わせて変動し、いくつかの段階を踏んで成約価格にたどり着きます。そのため、不動産価格を示す言葉には、主に以下の4つがあり、それぞれ意味や金額が異なります。

・査定価格
・売却希望価格
・売り出し価格
・成約価格(取引価格・売却価格)

今回は、不動産売却の価格について知りたい方に向けて、売買の段階を追って、不動産売却時の価格の流れや価格の意味、決め方について解説します。

[ 1 ] スタートは査定価格から

不動産を売却しようとしたら、まず、不動産会社に査定を依頼して査定価格を知ることからスタートします。査定価格とは、過去の成約事例をもとに、不動産会社がこのくらいなら売却できそうだと予想する物件価格のことです。査定方法は、「簡易査定(机上査定)」「訪問査定」「AI査定」の3つがあり、どの査定方法でも無料で依頼することができます。以下でそれぞれの方法について、詳しく解説します。

簡易査定

簡易査定は、築年数やエリア、部屋の向きや広さなどの物件情報からおおむねの査定価格を簡単に算出する方法です。不動産サイトに立地や物件の種別などの簡易な情報を入力することで、査定価格を知ることができます。近隣の類似した物件の事例を踏まえて、短時間で概算されることが特徴です。

実際に不動産会社の担当者が、その物件を訪れて、査定するわけではないため、おおまかな不動産の価格を知るには便利な方法になります。そのため、不動産売却が気になり始めた人におすすめです。

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虫眼鏡と家

訪問査定

訪問査定は、簡易査定と違い、実際に不動産会社の担当者が訪問して、物件を査定する方法です。住まいの使用状況や設備状況、周辺環境を確認します。訪問査定では、家の中に加えて、道路との接道状況や高低差など、土地の地形もチェックします。加えて、その物件を誰が所有しているのか、また抵当権の有無などの権利関係も調査します。

訪問査定では、担当者が実際に物件や周辺環境を見るため、簡易査定に比べて精度の高い査定価格を算出できます。そのため、実際に売却する意思がある場合は、訪問査定を依頼するのがおすすめです。

ただし、この価格は成約価格を保証するものではありません。査定価格とは、あくまでも、この価格なら成約できるだろうと不動産会社が想定したもので、会社によって査定額が異なる場合があります。

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部屋と査定担当者

AI査定

AI査定とは、AIがこれまでの取引実績データをもとに査定価格を算出する方法です。WEBで築年数や間取り、広さなどの物件情報を入力するだけで査定額が分かります。査定結果がその場で分かり、WEBだけで完結するのが特徴です。また、電話番号を入力する必要がないため、営業担当者から電話がかかってくることもありません。そのため、不動産の売却を決めたわけではないけれど、どのくらいの価格で売れるのか気になる方におすすめです。

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[ 2 ] 売却希望価格を決める

査定を依頼して査定額が分かったら、それをもとに売却希望価格を決めましょう。ただし、自分の希望である高めの価格を前提に買い替えの予定を立てると、新居のための資金が想定を下回る可能性が高まります。なぜなら、必ずしも自分が希望した価格で売れるとは限らないためです。

このように、査定価格とかけ離れた売却希望価格を設定すると、売却に時間がかかったり、買い手が見つからなかったりする可能性が高くなるので注意しましょう。また、売却希望価格を決めるときは、「上限値」と「下限値」を設定して、振れ幅を持たせることがポイントです。

上限値では、査定額とはかけ離れ過ぎない程度で自分が売りたい価格の上限を、下限値では、値下げの要求をされてもこの範囲なら合意できるという最低ラインを設定します。

なお、住宅ローンが残っている場合は、売却して得た資金でローンの残債を支払うことになるため、残債と売却時にかかる諸費用、税金などを踏まえて売却希望価格の下限値を決めるのがおすすめです。

以下で、売却希望価格の上限値と下限値を決める際の注意点とその対処法をご紹介します。

電卓とアパート

売却希望価格を決める際は、高過ぎず、安過ぎないように設定しましょう。そのためには、不動産会社から提示された査定価格だけでなく、自分で類似した物件の価格を調べることをおすすめします。上限値や下限値の参考となる価格は、不動産売買のポータルサイトで調べることが可能です。類似した物件が実際にいくらで売り出されているかを知っておくと、価格設定に役立ちます。

さらに路線価を自分で調べておくこともおすすめです。路線価とは、道路に面する宅地1㎡当たりの公的な価格のことを指します。毎年、国税庁が決定するもので、国が提示する土地の売買の目安となる地価公示価格をもとにした金額を80%程度で算出した数値です。土地の価格の相場を知りたいときの参考にしたり、相続税や贈与税を計算したりする際に活用します。なお、路線価は国税庁のホームページで調べることができますよ。

[ 3 ] 売り出し価格を決定する

不動産会社から査定価格が提示され、売却希望価格を設定した後には、売却を仲介してもらう不動産会社を決めましょう。査定の際に信頼できると判断した不動産会社と媒介契約(仲介してもらう契約)を結び、いよいよ不動産の売買活動(売り出し)が始まります。このとき、チラシやネットなどに売り出した物件の広告を載せるため、売り出し価格を決める必要があります。

売り出し価格とは、物件の売却活動をするときに、広告に掲載される価格のことです。購入希望者は、売り出し価格を見て、内覧や購入を検討します。売却希望価格(上限値)で売却ができればよいですが、購入者は安く購入することを希望する場合が多いため、必ずしも上限の売却希望価格で取引できるとは限りません。

また、売り出し価格が相場よりも高額過ぎると、売却活動が長引く、または成約できないこともあります。このような事態を防ぐためにも、不動産会社と相談して、売り出し価格を決めていきましょう。売り出し価格を決める際のポイントと注意点を以下で詳しくご紹介します。

家と電卓と間取り図

時間に余裕がある場合

売却期限が決まっていなければ、時間的に余裕があるため、売却希望価格の上限値を売り出し価格として設定することが可能です。時間に余裕がある場合、希望の価格で購入してくれる人が現れるのを待つことができます。ただし、1年かけても売れなければ、売り出し価格が高過ぎる可能性があります。その場合、売り出し価格の見直しが必要になるので、不動産会社と相談して、再検討しましょう。

売却期限がある場合

不動産を売却する際、住まいの買い替えで購入する物件が先に決まっている、相続税の納付期限が決まっているなどの事情がある場合があります。このような状況だと、時間的に余裕があまりないため早く売却して、不動産を現金化しなくてはなりません。その場合は、不動産会社と相談して希望価格の下限値、あるいは査定価格を売り出し価格にする方法もあります。購入希望者の反応を見ながら、状況によっては最初に設定した売り出し価格を徐々に変えていくことで、期限までの売却につながる可能性が高まりますよ。

[ 4 ] 売買契約時に成約価格が決定する

買い手が現れ、売主との間で折り合いがつくと、売買契約が成立します。そして、契約の際に決定した価格が、成約価格となります。中古不動産の場合、買主との契約の際に値引きされることがあるため、売り出し価格とは異なる価格で成約されることもあります。

ここまで、不動産売却時の価格の意味や決め方、注意点について解説しました。お伝えしたように、売買契約が成立するまで、査定価格、売却希望価格、売り出し価格、成約価格というように、価格は変化していきます。

売り出し価格を高めに設定するか、低めに設定するかによって「成約価格」と「成約までにかかる期間」は、変わってきます。たとえば、売り出し価格を査定価格と売却希望価格の中間くらいで設定した場合、成約までの期間は比較的短くなる傾向があり、成約価格は査定価格と同じくらいになるケースがあります。

一方で、売り出し価格を査定価格や売却希望価格よりも高く設定した場合、成約まで時間がかかってしまう恐れがあることに加えて、なかなか売却できずに売り出し価格を低く設定し直すことになるため、結果的に成約価格が査定価格を下回るケースもあります。

上記のようなパターンを考慮して、売り出し価格を決めることがおすすめです。

信頼できる不動産会社を選んで売却を!

不動産の売却は、査定から始まります。査定価格を知ることで、より適切な売り出し価格を設定することができ、売却活動がスムーズに行いやすくなるでしょう。

今回の記事でご紹介したように、段階によって不動産の価格は変わってきます。よりよい条件で売却活動を行うためには、信頼できる不動産会社とよく相談し、いつまでに売りたいのか、どの時期に売り出し価格の見直しをするのかなどの売却プランを考えておくことが必要です。そのため、売却をするなら、親身に相談に乗ってくれる、かつ明確なプランを提案してくれる不動産会社に仲介を依頼することをおすすめします。

家と契約書

また、不動産は、「需要」と「供給」で価格が決まります。需要の高い条件を多く備えた物件であるほど、よりよい条件で売れる可能性が高くなります。購入希望者が多く集まる不動産会社に依頼することも、不動産をできるだけよい条件で売るための重要なポイントです。不動産価格の査定は、所有している不動産のエリアに精通し、かつ成約実績や経験が豊富な、信頼のおける不動産会社に依頼しましょう。

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監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉

株式会社NIE.Eカレッジ代表取締役。CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を保有。住宅情報メディアの企画・編集などを経て独立し、現在ではライフプランやキャリアデザイン、資産形成等の研修や講座、個別コンサルティングを行っている。
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