ペントハウスへの住み替えを検討していて、どのようなメリット、デメリットがあるのか疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

他の物件と比較するためには、ペントハウスについて詳しく把握しておくとよいでしょう。

この記事では、マンションにおけるペントハウスの意味やメリット・デメリットについてご紹介します。また後半では日本の一戸建てにおけるペントハウスの意味、建築基準や税金についても解説します。

ペントハウスとはどんな家?

ペントハウスとはどんな家?

海外で主にペントハウスといえば「マンションの屋上に建てられた家(物件)」のことを指します。最近では日本のマンションでも、最上階のペントハウスが見られるようになりました。
下の階の屋根を利用して設置される広いルーフテラスがあったり、内部が吹き抜けでメゾネットタイプ(フロアが上下に分かれ室内に階段がある)になっていたりと、縦の空間を贅沢に使った間取りなどが特徴です。

一般的にペントハウスは都心高級マンションの最上級物件に多く、分譲価格が高額に設定されている物件も少なくありません。

ペントハウスに住むメリット

ペントハウスに住むメリット

自宅でラグジュアリーな時間を過ごせるのは素晴らしいことですが、実際に暮らすとしたらペントハウスには眺望のほか、どんなメリットがあるのでしょうか。

ステイタスの高い暮らしができる

ペントハウスに住むメリットのひとつは「ステイタス」でしょう。同じマンション内のほかの部屋よりもグレードの高い内装や設備が施されている、また、ペントハウス居住者専用のエレベーターが用意されているなど、プレミアム感であふれています。

3メートルを超える高い天井を有するペントハウスであれば、海外製家具もゆとりを持って備えることができます。最上階のためにあつらえられた特別なルーフテラスや広々としたパーティーリビングでは、大勢のゲストをおもてなしすることができるなど、豪華な暮らしを楽しむことができます。

プライバシーが守られる

ペントハウスは「最上階」の屋上に作られる場合がほとんどで、プライバシーを守りやすい環境であるといえます。

また、マンションに一戸しかない場合は、ワンフロアすべてを占有でき、隣人を気にする必要もありません。高層でもあるため、騒音などに悩まされることもないでしょう。

オートロック、エレベーターセキュリティ、ペントハウス居住者専用のオートロックという3重のセキュリティなど、高い防犯性を備えている物件もあり、私生活を大切にしたい方には最適なお住まいとなります。

交通アクセスのよい立地

ペントハウスは人気の高い立地にある高級マンションに設けられていることが多く、街の中心 とは思えないほど静かで緑あふれる場所に建っていることもあります。

駅に近い、または駅と直結している物件もあり、交通アクセスが良好な場合が多いようです。

一戸建て感覚が味わえる

最上階のペントハウスは、マンションという集合住宅でありながらも、上階の物音など気にならない戸建ての良さを兼ね備えています。物件によってはペットやピアノ演奏可というところもあり、自分の生活スタイルを楽しむことができる環境です。

資産価値が維持しやすい

高層マンションは上層階になればなるほど高額になる物件が多いものです。さらに高層マンションの最上階に一戸しかないという「稀少価値」をもつペントハウスは、売却時も階下の物件より価値を保つことができるでしょう。

ペントハウスの物件価格は高いけれど、売却金額も相応で処分しやすく、資産価値が維持しやすい傾向にあるといえます。

ペントハウスにデメリットはある?

ペントハウスにデメリットはある?

メリットが多く悠々と暮らせそうなマンション最上階ですが、デメリットにも着目しましょう。ペントハウスには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

分譲価格が高いうえ、共益費や管理費もかかる

マンションの物件価格は上層階ほど高額になる傾向にあり、室内の内装や設備もグレードが高いペントハウスは建物の中で最高額住戸となることが一般的です。

また、ルーフテラスはマンションの「共用部」です。独占的に使用するペントハウスの住人は、毎月マンションの管理組合に収める管理費や共益費、修繕積立金以外にも、ルーフテラス使用料も支払う必要があります。

光熱費がかかる

最上階のペントハウスには、絶景を満喫するために大きな窓が設置されていることも多く、日中は強い日差しが気になることもあるでしょう。

夏場は室内の熱がこもりやすく冷房代がかかる一方、冬場は外気からの冷え込みを感じたり、室内が吹き抜けタイプの設計では暖房がききにくかったりというデメリットが考えられます。

最近は断熱性能が向上し改善傾向にありますが、中古マンションのペントハウスの場合は注意が必要です。

自然の影響を受けやすい

マンションの構造上、上の階ほど地震の揺れが大きく、長く感じることがあります。強風などでも揺れを感じることもあるでしょう。

地震や火災など災害の影響で停電した場合、エレベーターが停止する可能性があります。そのような緊急時には長い階段を降りなければならないので、低層階よりも不便になってしまうでしょう。

日本の一戸建てにおけるペントハウス

日本の一戸建てにおけるペントハウス

ここまで、マンションの最上階にある特別仕様の邸宅「ペントハウス」を見てきましたが、日本の一戸建てのペントハウスは若干意味合いが異なります。

それはラグジュアリー感あふれる豪華な部屋とは真逆のもので、建物の屋上に造られた階段室・昇降機塔など、物置や小さな小屋のことを指しています。では、どんな使い方ができるのか紹介しましょう。

一戸建てにおけるペントハウスの用途例①

近年、注文住宅でも要望が多いという一戸建てのペントハウスは、屋上の階段室として設けられ、室内階段を通じてルーフバルコニーへ行くために使用されます。

ペントハウスを設置することで、ホームエレベーターを屋上まで通すことも可能となり、足腰に自信がないご高年齢の方でも、日当たりのよいルーフバルコニーで過ごせるようになります。

一戸建てにおけるペントハウスの用途例②

ペントハウスに長めの「ひさし」を設置することで、その下の部分を全天候型の屋外スペースにすることができます。

ウッドデッキや屋外用芝生カーペットを設ければ、子供たちの外遊びや、テーブルを持ち込んで食事を楽しむことができるなど、ルーフバルコニーでの時間を充実させることができるでしょう。

ペントハウスの建築基準

ペントハウスの建築基準

日本の一戸建てにあるペントハウスは、屋上から突き出た小さな「塔屋」であり、そこで暮らすというものではありません。建築基準法上で「建築面積の8分の1までの広さのペントハウス」を認める特例があり、その範囲内で造られることがほとんどです。

ペントハウスは建物の階数には算入しない

ペントハウスの用途が階段などで、その水平投影面積が建築面積の8分の1以内、かつ、ペントハウスの高さが5m以下である場合、階数に算入しないことになっています。

道路斜線、隣地斜線はOK、北側斜線はNG

建築基準法には、ペントハウスで高さから除かれる部分があるとされています。「道路斜線」「隣地斜線」は高さに算入しませんが、「高度斜線」「北側斜線」は高さに含めなくてはなりません。

道路斜線とは、道路の日照や採光、通風に支障をきたすことのないように建築物の高さを制限した規制です。

隣地斜線は、隣人の日照や採光、通風といった良好な環境を保つために、北側斜線は、北側の隣人の日当たりを考慮し、南からの日照の確保のために建築物の高さを規制したものです。

さらに、高度斜線では、前面道路や隣接地の日当たりや通風を確保するために、建物の高さを制限しています。

ペントハウスの不動産登記

ペントハウスの不動産登記

日本の一戸建てのペントハウスは、マンションの屋上にある小屋、「塔屋」を指すことが多く、一般的に階段室、機械室などに利用されています。この塔屋に上がるためだけの階段室などは、登記の対象となりません。しかし、塔屋の一部に物置などが設置され、人が入れる部屋がある場合は登記が必要です。

ペントハウスの固定資産税

ペントハウスの固定資産税

ペントハウスは「登記床面積」には算定されませんが、固定資産税の対象となる「家屋」として認定された場合は別です。家屋とは、基礎がしっかりとしており風雨が防げること、さらに、屋根の高さが1.5メートルあるなどの条件があります。

ペントハウスとはいえ、この要件を備えている場合は固定資産税上で課税対象になります。

高層マンション・ペントハウスの探し方

高層マンション・ペントハウスの探し方

インターネットでペントハウスを探す場合は「ペントハウス」で条件検索すれば探すことができます。

しかし、ペントハウスという言葉はレストランなどでも使われているケースもあり、マンションの高級物件が出てくるとは限りません。そのため、検索するときは「高級マンション」のキーワードを加えるなど工夫することが必要です。

また、三井のリハウスの場合は、マンションの最上階住戸に絞って検索いただけます。ペントハウスの取り扱いがあるかどうかはそのときの状況によりますが、ぜひ、お試しください。

まとめ

高級マンション最上階としてのペントハウスは、素晴らしい眺望や設備を満喫することができたり、希少価値の高い物件です。そのため、資産価値が維持でき売却するときに高値がつくこともあります。
しかし分譲価格や維持費が高いというデメリットもあります。

また日本の一戸建てではペントハウスの意味合いが変わります。階段室や機械室、倉庫など屋上に突き出た小さなスペースのことをペントハウスとよぶこともあるのです。

ラグジュアリーな暮らしに興味をお持ちの方は、三井のリハウスであなたの好みの最上級ペントハウスを探し、ぜひ最上階の暮らしを味わってみてください。

※この記事は2019年11月14日執筆時点での情報に基づいています。


参考URL:
【ペントハウスとはどんな家?】
【ペントハウスに住むメリット】
【ペントハウスにデメリットはある?】
https://myhome.nifty.com/column/ikkodate/181114265737/
https://kawlu.com/journal/2016/01/23/12181/
https://www.renosy.com/magazine/entries/149【海外とは異なる、日本のペントハウス】
【ペントハウスの建築基準】
https://smtrc.jp/useful/glossary/detail/n/625
https://www.berk.co.jp/lab/penthouse/
https://suumo.jp/yougo/h/penthouse/
https://www.megasoft.co.jp/3d/setback_regulation/height_street.php
https://www.megasoft.co.jp/3d/setback_regulation/height_adjacent.php
https://www.megasoft.co.jp/3d/setback_regulation/height_basic_north.php
https://www.megasoft.co.jp/3d/setback_regulation/height_basic.php
【ペントハウスの不動産登記】
https://re-gardens.com/archives/q_a/3232/