Column / 2019 08,09

今、再注目されているお神輿を、この夏楽しむために知っておくべきこと

江戸のお祭りといったらお神輿ですよね。今、お神輿が再注目されているのを知っていますか?お神輿ってどうしても身内で盛り上がっている印象が強いものですが、今まで近寄りがたかったお神輿を、どうすれば楽しめるのか?全国各地でお神輿を担ぎ、海外にまでお神輿を持って現地の人たちと一緒に担いでいる宮田さんが、その真髄を紹介してくれます。

宮田宣也(みやたのぶや)

地方の祭礼支援や神輿や山車を使った祭の再生に関わる。祭を次世代へ繋ぐため、自身でも神輿・神棚の製作、修理を行いながら地方の祭礼との連携を積極的に行う明日襷(アシタスキ)という活動を行う。全国各地で、山車や神輿での演出を担当し、新たな祭の表現方法を探っている。2014年フランス・タイ、2015年タイ、2016年フランス・ドイツ、2017年ドイツ、2018年ドイツ・スロベニア2019年ドイツ・ポーランド・スロベニアでの神輿渡御を行い、海外での神輿文化創出にも関わっている。映画『Mikoshi Guy 祭の男』主演。

■お神輿ってそもそも何?

みなさんがお祭りでよく見かけるお神輿には、どんな意味があるか知っていますか?お神輿とは、「神様の輿」つまり乗り物です。神社が神様の家であるとするならば、お神輿は神様の車ということになります。お祭りの日、神様はお神輿にお乗りになり、里を巡ります。

お神輿デザインや作り方なども様々です。

代表的なお神輿の屋根は「てりむくり」と言って、膨らんだ曲線と反った曲線によって作られています。そのバランスにより印象が大きく変わります。

屋根には、神社の紋としては一番多いとされる巴紋(ともえもん)、神社の家紋である神紋(しんもん)特別な神社のお神輿には十六菊花紋(じゅうろくきくかもん)がつけられていたりします。

お神輿のデザインは時代や地域によって大きく変化し、鎌倉あたりの神輿は質実剛健、装飾も派手すぎず極めて丈夫に作られています。

映画『Mikoshi Guy 祭の男』より

湘南では相州神輿と呼ばれ「タンス」と呼ばれる環が両サイドに付き、鳴らして担ぐ「どっこい」という担ぎ方をします。
一方で江戸の神輿は江戸の粋文化を汲み、屋根が大きく胴が細く華奢に作られており、担ぎ方は「江戸前」です。

装飾は極めて緻密、彫刻や餝金物(かざりかなもの)は豪華絢爛、装飾は地域の神社を踏襲していたり地域性が現れている事があります。
その他綱の結び方、色、担ぎ棒の数、形、担ぎ手の衣装など一つ一つ違いや意味があり、じっくりと観察してみるのも一つの楽しみ方です。

 

また、神社には氏子地域、と言うものがあり、一つ一つの神社がお護りする範囲が決まっています。そこに住んでいる人達を「氏子」といい、それに対して神様を「氏神様」といいます。

お祭りの日、元々は一年に一度氏子達が自身の氏神様をお神輿に乗せて担ぎ上げ、地域に力を振り撒き、また氏子達が力を合わせ、思いを寄せることで神様の力を充電するといった意味があります。

宮城県石巻市雄勝町のお神輿

「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添う」は、約800年前、鎌倉時代に作られた御成敗式目に書かれた一文です。人がたくさんの思いを寄せることで力が強くなり、明日からまたより一層の力で見守ってくださる、といった内容です。ここに日本古来の神様と人の関係があると僕は考えています。なぜ氏子が氏神様を担いで街を巡るのか、その理由はここにあるのです。