Column / 2019 01,29 /Vol.2

THE・裏スポット探訪 Vol.2
店主の人生を具現化したカフェ!怪しい喫茶「パブレスト百万ドル」は今も進化し続ける

全国各地にある、さまざまな観光地やレジャースポット。王道の観光地巡りも楽しいですが、たまにはちょっと変わった体験をしてみるのも思い出に残るものです。
情報誌が取り上げないニッチな情報を紹介する「東京別視点ガイド」代表の松澤茂信さんが、さまざまな裏スポットを紹介していきます。

●サービスが過剰すぎる

人気の秘訣は「異常に出てくる無限ごはん」だ。
愛知のカフェといえば、気合いの入ったモーニングサービスが有名。コーヒーを頼んだだけなのに、トーストやゆで卵が付いてくるのは当たり前。店によってはサラダやお菓子も出してくれる。はじめて愛知でお茶したら、びっくりすることうけあいのサービスだ。

そんな愛知にあって、パブレスト百万ドルはひとまわりもふたまわりも上回る常軌を逸したサービスっぷりなのだ。

これまでに訪れた際のサービスを見ていただこう。

【はじめての来店。ナポリタンを頼んだだけなのに……】

はじめて来店したときのこと。サラダ付きナポリタンスパゲティーを注文するやいなや「うれしいからサービスね」とスイカを2切れ持ってきてくれた。
「さすがは愛知の喫茶店、サービス精神がスゴイな」と感心していたら

運ばれてきたセットメニューのサラダ。
よくあるセットサラダとは別格の存在感で、メロンやパイナップルが突き刺さってるわ、三色団子が入ってるわで「サラダとは?」とその定義から揺さぶってくるレジスタンスなひと皿だった。

スイカにサラダと腹もやや膨れてきたころにようやくメインのナポリタン登場。
ガーリックが効いたガッツリ系パスタだ。
「いやあ。いろいろサービスいただいてすみません」と頭を下げたら

「これもサービスだから!」とすかさずパフェを置いてった。
なんたるサービスのわんこそば!
暴力的なまでのサービスの連打! サービスの確率変動だ!
喰らえども喰らえども、抜け出すことのない無限サービスの沼にハマってしまった。

「こんな店、見たことも聞いたこともない……」と放心状態でパフェを食べていたら「はい、サービスのコーヒーね」と、食後のコーヒーまでサービスされた。
サービスという単語を聞きすぎて、耳がゲシュタルト崩壊した。

会計を済ませたら(もちろんナポリタン代だけ! 当時780円だった)「サービスだよ」とお土産に缶コーヒーまで与えてくれた。
どうなってるんだ、このお店!

 

【2度目の来店。コーヒーしか頼んでないのに……】

「あのサービスは異常だ。さすがにあれはイレギュラーだったのかも」
そんなふうに考えつつ、数カ月後に再訪した。

すでに名古屋メシを堪能していて満腹だったので今回はコーヒーだけを注文。
ところが運ばれてきたのはサラダとワインとコーヒーだった。
「サービスだから一緒に飲もう!」と店主。
やっぱり1度目のあれは平常運行だったのか……。

動きはじめたサービスは、誰にも止められない。
お団子とチーズとサンドイッチがサービスで出てきた。
カマンベールチーズをまるごと1つ食べたことなんて、いままで一度だってない。
「腹いっぱいだからコーヒーだけ」、そんな甘い願いはパブレスト百万ドルのサービスの前では無慈悲に破られる。

お土産もパワーアップしていた。
サンドイッチにチーズかまぼこ、トリュフチョコにマカダミアチョコ。夕飯すら食べられなくなった。