Interview / 2018 05,01

祖師ヶ谷大蔵で38年間お店を続ける青山さんご夫婦

長年夫婦でお店を営む二人の記憶に残る、ある日の出来事をお聞きする企画「おじいちゃんとおばあちゃんが一番しあわせだった日」。
今回お伺いしたのは、祖師ヶ谷大蔵で自家製ハムやソーセージを販売している、創業38年「ホームメードソーセージ エッセン」の青山さんご夫婦。世田谷区で長年お店を営んで、近所の人々と交流してきた方だからこそわかる、その土地の魅力やお店のこと、お二人のご関係などをお聞きしました。

世田谷区砧 ホームメードソーセージ エッセン

右:青山幸雄さん(71)
左:青山節子さん(67)

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—お二人の一番しあわせだった日を教えてください。

prof_oj幸雄さん
エッセンの開店の日は一番しあわせだったね。もとは大手のハム会社で商品開発をしていたんだけど、人付き合いも組織をまとめるのも苦手で脱サラすることを決意してね。最初は自分のお店を持つために小さなお店で修行を始めたんだけど、給料は格段に下がるし、将来は不透明で会社を辞めなければと何度も後悔したよ。でも、家内の親にまで借金をして開店までこぎつけたし、味を知ってさえもらえばお客さんが来てくれる自信はあったから、自分で決めたことをやり通そうと思ったよ。開店日の前から私と家内とで駅前に手作りのビラ配りをしたり、いろいろ手は尽くしたね。不安と自信とが入り交じった心境でお店を開店すると…、すぐにレジはパンク状態! 300人ものお客さんが来てくれたんだよ。「これで大丈夫」と手応えを掴めたね。今でもあのときの喜びが私の支えだね。

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prof_ob節子さん
私がしあわせだったのは娘の入園式の日ですね。今、お店を手伝ってくれている長女は、生まれたときは超未熟児で、生まれても泣き声一つ上げず、そのまま大病院へ運ばれて行きました。そのときの娘の姿を見るのが怖くて、初めて姿を見たのは出産してから数日経ってからだったかしら。保育器の中で治療を受ける娘は、とても小さかった…。お医者さんには「普通には育たない」と言われていたから、かわいそうでしかたなかったのを覚えてるわ。苦労するのはこの子だから。生まれて一カ月で網膜症の手術を受けたし、母乳を直接与えてあげることもできなくて…。でも、幸運なことにその後すくすくと育ってくれて、よく熱を出すのはむしろお兄ちゃんのほう。そんな頃を思い出しながら娘の入園式に参加していました。普通には育たないと言われた娘が、周りの子と同じように返事をする姿がとてもうれしかった!

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