Interview / 2018 07,24 /Part.3

神楽坂で息子夫婦と一緒に喫茶店を営む平岡さんご夫婦

夫婦でお店を営む二人の記憶に残る、ある日の出来事をお聞きする企画「おじいちゃんとおばあちゃんが一番しあわせだった日」。
今回お伺いしたのは、神楽坂で喫茶店を営む、創業20年「トンボロ」の平岡さんご夫婦。長年お店を営んできた二人だからこそわかる、その土地の魅力からお店のこと、お二人の関係などをお聞きしました。

—お店を営んでいて嬉しかったことはなんですか?

好美さん
いろんな人と話せるのは嬉しいですね。「お店があって本当に良かった」「コーヒーがおいしかった」とか話の中でポロッとお客さんから言われることがあるんです。それを聞くとしあわせですね。
伸三さん
喫茶店はケーキを食べたり、コーヒーを飲んだりするだけじゃなくて、ここで時間を過ごすことも含めて、お客さんの目的になりますからね。
好美さん
自然に話ができる雰囲気づくりを心がけていますし、そういう話をしたくて来てくれるお客さんがほとんどですからね。
伸三さん
あと、ここでお店を何年もやっていると、若いお母さんが子どもを連れてきて、その子どもが成長していく姿も見ていけるんです。そういった成長の姿を見守れるのは、喫茶店を営業しているからこそだと思うよ。
好美さん
お客さんとして通ってくれていた子がうちの息子と結婚して、最近孫が生まれたの。本当にかわいくてしょうがないわ。

—お客さんにはどんな人が多いですか?

伸三さん
神楽坂を観光したあとに初めてお店に来る人や常連客の人まで幅広く来てくれます。中にはお店に来るのが生活の一部になっている人もいて、「ここに来られなくなったらおしまいじゃ」なんて言ってくれるんです。
好美さん
最初は神楽坂の人ってすました人が多いと勝手に思っていたんですけど、そういったところはなくて……。みなさん本当にきさくに話してくれます。
伸三さん
彼女がお客さんと話しているときに洗い物が溜まっていて、奥に行っても話を続けるお客さんもいるんです。最初はびっくりしたけれど、お店をやっているうちにだんだんわかってきましたね。
好美さん
それだけここで話をすることを楽しみにしてくれている人がいるんですよね。

—神楽坂のいいところは?

好美さん
どこへ行くにも交通の便が良くて、スーパーやおいしい飲食店がたくさんありますね。
伸三さん
ほかにも出版社や有名大学、歴史なども豊富ですね。
好美さん
昔は花街だったから、江戸情緒の名残みたいな部分もあります。
伸三さん
そういった多様性があって変わり続ける街だけど、昔のものも大切に守り続ける屈強な街だね。
好美さん
だけど、開発が進み高層ビルがどんどん増えてきていますね。
伸三さん
人気な街だから近代化や企業の商品化が進んでいくけれど、そういったことはいずれ賞味期限みたいに限界が来ると思うからね。僕はここでお店をやりながら、この街の歴史や文化を守っていきたいね。

—夫婦としてのこれからの夢はなんですか?

伸三さん
今は定休日の木曜日しか休みがないから、いつかスタイルを変えて、ゆくゆくはゆっくりしたいね。
好美さん
今まで二人で出かけることはあまりしてこなかったから、できれば自然のあるところに一緒に行きたいですね。

 

変わり続けていく街だけれど、その中にもしっかりと情緒が残っている。そんな神楽坂でお店を長年営んでいるからこそ、この街の歴史や文化を守っていきたいとおっしゃっていた姿が印象的で、街との素敵な繋がりになんだかほっこりしました。

トンボロ 住所:東京都新宿区神楽坂6-16
03-3267-4538
定休日:木曜日、第一水曜日
営業時間:10:00am〜11:00pm(月〜水、金)、10:00am〜7:30pm(土日祝)