Lifestyle / 2019 11,15 /Vol.2

【私が長距離通勤をする理由 Vol.2】
 〜自分にとってストレスがなく、グッドバランスが保てる小諸での暮らし~

昨今は職場の近くに住む「職住近接」のライフスタイルが注目されているが、一方で、何らかの理由で長距離通勤を選んだ人もいる。高速バスや特急電車、なかには新幹線を使い、都内へ2時間近くかけて通勤する長距離通勤者たち。なぜ、そうまでしてそこに住んでいるのだろうか?単純にその街が好きということもあるだろうし、あるいは何かやむにやまれぬ事情、知られざるドラマがあるのかもしれない。

連載第1回では、神奈川県逗子市の風景に魅了され、家を購入した女性を紹介。今回は、長野県の東部に位置する小諸市で暮らし、東京都内に勤務する小山剛さんに、約2時間の長距離通勤と引き換えに手に入れた暮らしについてお話を伺った。

小野洋平(やじろべえ)

1991年、埼玉県生まれ。東京の編集プロダクション「やじろべえ」所属。今までの実家引っ越し回数は4回です。
【やじろべえ株式会社】https://www.yajirobe.me/
【小野洋平/Twitter】https://twitter.com/onoberkon

■定期代は3カ月で40万越え!新幹線で通勤する小山さんの1日

都心の在来線であれば、電車を1本逃してもすぐに次が来る。しかし、地方の新幹線の場合はそうはいかない。朝の1本に乗り遅れることが、大きな痛手となってしまう。そんな“時間厳守”な通勤を6年間も続けている小山さん。その1日のスケジュールを見ていこう。

――通勤ルートを教えてください。

「自宅から新幹線が止まる佐久平駅までは車で行きます。だいたい15分くらいですかね。そこから新幹線で東京駅に行き、山手線に乗り換えます。恵比寿駅で降りたら、代官山の職場まで歩いて向かっています。トータルで、だいたい2時間15分くらいですね」

――毎日、往復4時間半の通勤時間。もはや小旅行ですね。

「そうですね(笑)。帰りは午後6時過ぎの新幹線に乗っても、自宅に着くのは9時前ですからね。ちなみに終電は22時8分で、自宅に着くのが24時前になります。そのため、仕事や会食で帰りが遅くなる日はゲストハウスに泊まっています。最近はリノベした変わった宿に安く泊まれる上に、インバウンドの影響もあってちょっとした海外気分が味わえるんです」

――それは楽しそう。ただ、通勤の負担によって仕事に悪影響が出ることはないのでしょうか?

「いえ、逆にメリハリがついたので仕事の効率は上がりましたよ。今思うと、横浜に住んでいた頃は会社に長くいられる分、ダラダラと仕事していたように思います。でも、長野在住となると時間も限られてくるため、より仕事に責任感が生まれましたし、より仕事をこなせる自負がつきました。それに、この生活を自ら選んでおきながら、パフォーマンスが落ちたら会社に申し訳ないですし、遠いから仕方ないって思われるのも自分の中では納得できなかったですから」

――むしろ、長距離通勤がモチベーションにつながっていると。ちなみに、長い通勤時間はどんなふうに過ごされているのでしょうか?

「朝は基本的に頭の整理です。todoリストを整理しながら、今日なにすべきか予定を組んでいます。あとは、コーヒーを飲みながら新聞を斜め読みして、新しい情報をインプットしています。帰りの新幹線ではやり残した仕事を片付けることが多いですね」

――やはり有意義な使い方をされているんですね。

「感覚的には、出勤前にカフェに入るのと変わらないです。新幹線は電源もWi-Fiも完備されているため、移動型オフィスだと思えば何ら不思議じゃないと思いますよ。むしろ、ぎゅうぎゅうの満員電車ではできないことだと思います(笑)」

――ちなみに定期代っていくらになるのでしょうか?

「3ヶ月で40万3640円ですね。よく聞かれては、引かれています(笑)。この内、会社が六割を負担してくれています。1ヶ月に換算すると、6万くらいは自己負担していることになるんですが、家賃もしくは住宅ローンだと思えば、むしろ安いと思っています。小諸には交通費を自己負担しようとも、通勤に2時間以上かかかっても、それ以上に得られるものがありますから」