住みながら家を売却するメリットと注意点は?居住中に不動産を売る成功のポイントを解説

自宅の住み替えを考える場合、今住んでいる家に住みながら売却を進めることが可能です。今回は、住んでいる状態で家を売るメリットや注意点に加え、売却を成功させるコツを解説します。

目次
  1. 住みながらでも売却はできる!
  2. 住みながら家を売るメリットとは?
  3. 住みながら家を売却する場合の注意点
  4. 住みながらの売却が向いている人
  5. 住みながらの売却を成功させるポイント
  6. 売却後もそのまま自宅に住み続けられる方法もある
  7. 自宅に住みながらの売却は不動産会社に相談してみよう
記事カテゴリ 売却 住み替え
2024.02.16

住みながらでも売却はできる!

持ち家を売却する際、空き家にしてから売る方法のほかに、住みながらでも売却できることをご存じでしょうか?

一般的に、空き家にしてからのほうが売却しやすい印象がありますが、住みながらでも売却は可能です。実際に中古の一戸建てやマンションには、居住中の状態で売り出されている物件が多くあります。今の住宅からすぐに引越しはできないけれど、先に売却活動を進めておきたいという方におすすめの方法といえますね。

この記事では、自宅の売却を検討している方のために、住みながら自宅を売却するコツについてご紹介します。

●住み替えに関する記事はこちら
住み替えの方法や費用など、戸建て・マンション別に解説

家の売却を考えている住まいの様子

住みながら家を売るメリットとは?

住みながらの売却は、自宅を売却してから新居を購入する方法で、「売却先行の住み替え」ということになります。逆に、新居を購入して引越しを済ませ、自宅を空き家にしてから売却することを「購入先行の住み替え」といいます。ここでは、売却先行の住み替えについて、メリットから詳しく解説しましょう。

資金計画が立てやすい

売却先行の住み替えのメリットは、購入先行の住み替えに比べて資金計画が立てやすい点にあります。住み替えを考える際、今住んでいる家の住宅ローンを完済していない方もいるでしょう。その場合、売却先行のケースでは、住宅ローンの残債を売却代金で返済できるというメリットがあります。住宅ローンを完済している場合であれば、新居の購入資金に充てられます。売却先行の住み替えは、お金の面の不安を最低限に抑えられる点が大きなメリットといえるでしょう。

余裕を持って売却できる

住みながら売却する場合、いつまでに売却しなければいけないという期日がないため、売り急ぐ必要がありません。そのため、売却期限が迫ったための焦りから、不本意な値下げをしてしまうことも回避できます

暮らしのイメージが伝わる

内覧時に実際の暮らしの様子が伝えやすいという点もメリットとして挙げられます。空き家に比べると、実際の家具の置き方や部屋の使い方をイメージしやすいですよね。購入検討者と売主が直接話す機会もあるため、そこで物件や近隣の魅力を伝えられれば、購入してもらえる可能性が高まるでしょう。

住みながら売却中の家

住みながら家を売却する場合の注意点

売却先行の住み替えは資金面での不安が少なく、メリットが多いものの、注意点もあります。スムーズに売却を進めるために、気を付けておきたい点をご紹介しましょう。

生活感が出過ぎないよう気を付ける

内覧の際、実際に住んでいる様子をイメージしやすいとお伝えしましたが、あまりにも生活感が出過ぎていると、購入検討者の購入意欲にも影響してしまうので注意してください。現在進行形で住んでいるとはいえ、内覧時にはしっかりと整理整頓と掃除をして、購入検討者によい印象を与えられるようにしましょう。その際にモデルルームの室内をイメージするとよいですね。内覧の予約はいつ入るか分からないため、売却期間中の室内は常にきれいな状態にしておく必要があります。

内覧の希望には優先して応える

住みながらの売却では、内覧予約に合わせて家にいなくてはならなかったり、室内をきれいに整えて迎えなくてはならなかったりと、日常生活のスケジュールも調整が必要です。内覧の希望者は複数の物件候補を検討していることが多いため、予定が合わないと貴重な売却機会を逃すことになりかねません。売却期間中は、いつ内覧の予約が入っても柔軟に対応できるよう準備をしておきましょう。

住みながら売却中の家をきれいに保つ様子

新居探しも同時に進める

売却のめどが立ったら、その時点で新居を探し始めることをおすすめします。売却した家の引渡しまでに、新居の引越しを完了しておくのが理想です。3月や9月などの引越しシーズンは引越し代が高くなりがちなため、少しでも節約したいという人は、その時期を避けて住み替えを行うとよいでしょう。

今住んでいる家が無事に売却できたとしても、引渡し日までに新居を見つけられないと、一時的に仮住まいに住む必要があります。仮住まいに住むとなれば、家賃のほかに敷金礼金、2回分の引越し代などの費用が必要です。また、仮住まいでの生活が長引くほど家賃の負担も大きくなります。もし仮住まいに荷物が入りきらない場合は、トランクルームやレンタル収納スペースなどを借りなければならなくなるでしょう。そのため、新居を早めに見つけておけば、仮住まいや引越しにかかるコストを抑えられますよ。

住みながらの売却が向いている人

住宅ローンの残債が多い人は、売却先行の住み替えが向いています。ローンの残債が多いと、新居購入の際に新たな住宅ローンを組むことが難しくなりますが、売却先行なら、売却代金で一括返済することも可能でしょう。

また、期間に余裕があり、売却を急いでいない人にも売却先行はおすすめです。期限に縛られず、自分の納得いく価格が付くまで売却先を探すことができるため、希望価格で家を売却できる可能性が高くなります。

インテリアに凝っていて部屋がおしゃれという人も、内覧の際によい印象を与えられるため、売却先行が向いているといえますね。

住みながら売却する際によい印象の部屋

住みながらの売却を成功させるポイント

住みながらの売却を成功させるにはいくつかのコツがあります。ここでは、特に重要なポイントについてまとめて解説します。

スケジュールを空ける

買い手を見つける可能性を高めるには、とにかく多くの購入検討者に内覧してもらうことが必要です。購入検討者の多くは平日に仕事をしているため、内覧は土日に集中しがちです。そのため、より多くの内覧に対応できるよう、売却期間中の土日はなるべくスケジュールを空けておきましょう。また、多くの購入検討者は日当たりのよさを気にするので、日中の時間帯を活用してスケジュールを調整できるとよりよいですね。

購入検討者は基本的に、複数の物件を比較検討しています。そのため、どれだけ内覧でよい印象を与えられたとしても、ほかの物件に購入を決めてしまうこともあります。内覧対応の質を上げるのも大事ですが、とにかく内覧数を増やすように意識することが、売却への近道といえるでしょう。

住みながら売却する際の内覧の様子

掃除・片付けを行う

内覧者に過度な生活感を与えさせないように、部屋の整理整頓や掃除をしっかりと行いましょう。水回りは特に入念に掃除をし、場合によっては専門の業者にハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。また、少しでも室内を広く見せるために、不要品は早めに処分しておくとよいでしょう。どうしても処分が難しい場合は、段ボールに入れたり、トランクルームに保管しておいたりするだけでも、大きく印象が変わりますよ。

内覧しやすい場を作る

内覧時、つい売り手が先頭に立って自宅の案内をしたくなりますが、なるべく購入検討者に自由に見てもらうようにしましょう。自由に見て回ったほうが、自分の目で確認したという納得感が強くなります。また、収納扉や引き出しなどの購入検討者が無断で開けにくいところを、あらかじめ開けておくとよいですよ。

売却後もそのまま自宅に住み続けられる方法もある

住み替えではなく資金獲得を目的として自宅の売却を考えている場合、自宅を売却した後もその家に住み続けられる「リースバック」という方法もあります。リースバックとは、自宅を不動産会社に売却し、その後は不動産会社に賃料を払いながら住むという仕組みです。売却後も今の家に住み続けたいという人や、まとまった資金を確保したいという人が利用します。

リースバックには、メリットとともに注意点も数多くあるため、リースバックの利用の際は慎重に検討してくださいね。

●リースバックに関する記事はこちら
リースバックとは?メリットや後悔しないための対策を分かりやすく解説!

住みながら売却する家の不動産契約イメージ

自宅に住みながらの売却は不動産会社に相談してみよう

これまで、自宅に住みながら売却する方法について説明してきました。売却先行の住み替えは、売却した家を引き渡しする日までに新居に引越しをしないといけないという注意点がありますが、売却と購入を同じ不動産会社に依頼すると、時期を調整しやすいですよ。

また、売却価格が分からないことには新居探しも進めにくいため、まずは不動産会社に査定を依頼して、相談してみましょう。査定の適切さや売却実績などから信頼性の高い不動産会社を選べば、売却成功により近付けるでしょう。

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不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/