不動産の匿名査定とは?メリットや注意点などを解説

気軽に不動産査定をしたいという方には、物件情報を入力するだけでおおよその相場を知ることができる匿名査定がおすすめです。この記事では、匿名査定のメリットや注意点、そのほかの査定方法についてお伝えします。

目次
  1. 匿名査定は不動産査定の一種
  2. 不動産の匿名査定を受ける際に必要な情報一覧
  3. 不動産匿名査定のメリット
  4. 不動産売却における匿名査定の注意点
  5. 不動産売却のための匿名査定は気軽に行おう
  6. ネットでできる不動産AI査定の流れをチェック
  7. 匿名査定だけでなく不動産売却のために相場を調べよう
  8. 不動産売却の匿名査定について、リアルな実態をプロにインタビュー
  9. 匿名に限らず自分にあった不動産査定を依頼しよう
記事カテゴリ 売却 マンション 一戸建て
2024.03.22

匿名査定は不動産査定の一種

不動産の匿名査定とは、「AI査定」ともいわれ、過去の成約事例のデータをもとにして、AI(人工知能)が査定額(査定価格)を算出する方法です。

不動産を売却するとき、「どのくらいの価格で売れるか」は、誰もが気になりますよね。また、査定額は知りたいけれど、売却を決めていない段階で、不動産会社とやりとりをしたり、個人情報を入力したりすることに抵抗がある方もいるのではないでしょうか?

そのような方にぴったりなのが匿名査定です。不動産会社とやりとりをしなくても、簡単な手続きだけで査定結果が分かり、気軽な方法で査定額の目安や相場が知りたい場合に適しています。

この記事では、匿名査定の特徴やメリット、注意点、申し込み方法などについて解説します。まずは、不動産会社が行う「匿名査定」「簡易査定」「訪問査定」の特徴と違いを見ていきましょう。

匿名査定

匿名査定は、一般的に不動産会社のサイトで受けることができ、基本的な物件情報とメールアドレスを入力することで気軽に査定額を知ることが可能です。査定結果を即時に得られるため、おおよその価格を気軽に知りたいときにぴったりといえます。また、電話番号の入力が不要なため、不動産会社から営業の電話がかかってきたり、やりとりをしたりする必要がないことも匿名査定のメリットの1つです。ただし、この匿名査定は、過去の成約事例といった限られた情報をもとにして査定額を算出するため、ほか2つの査定よりも精度が低い傾向にあります。

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家の模型を拡大鏡で見るビジネスマン

簡易査定と訪問査定

匿名査定のほかには、簡易査定と訪問査定があります。簡易査定とは、物件の所在地や築年数、間取りなどの情報に加え、類似物件の取引価格や公示価格、路線価をもとに査定額を算出する方法で、「机上査定」とも呼ばれます。簡易査定では不動産会社を家に招きませんが、匿名査定と異なり、不動産会社とのやりとりが発生します。

訪問査定は、不動産会社の営業担当者が実際に物件を見て、建物の状況や土地の状態、近隣の環境などを含めて査定する方法です。訪問査定では、不動産会社の担当者が現地を訪れて物件の細かい部分まで調査するため、匿名査定や簡易査定に比べて精度の高い査定額が算出されます。

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説明を行う不動産会社の営業担当と説明を聴く女性

以上、3つの査定方法をご紹介しましたが、前述の通り、不動産売却に興味を持ち始めたばかりの方や、査定額を知ってから売却するかを決めたいという方には、最も手軽に査定結果が得られる匿名査定がおすすめです。では、匿名査定では具体的にどんな情報が必要になるのでしょうか?次項でご紹介します。

不動産の匿名査定を受ける際に必要な情報一覧

匿名査定は、一般的に不動産会社のサイトから依頼できます。物件の基本的な情報とメールアドレスを入力するだけで査定額を算出してもらえるので、名前や電話番号などの個人情報を入力する必要はありません。匿名査定に必要となる物件情報には、以下のような項目が挙げられます。

・住所
・建物名
・階数
・間取り
・広さ
・築年数 など

家の模型と拡大鏡

不動産匿名査定のメリット

匿名査定のメリットとして、簡易査定や訪問査定に比べて気軽に依頼できることに加えて、以下の2点が挙げられます。

・24時間365日査定額が分かる
・不動産会社とのやりとりが発生しない

たとえば、家を売ることを決めていない段階で不動産会社に査定を依頼するのは気が引けたり、そこまでの手間や時間をかけたくないと感じたりすることがあるかもしれません。そのようなときでも、匿名査定であれば、24時間、知りたいタイミングで査定結果を得られます。

また、匿名査定は前述の通り、電話番号を入力しないで依頼できるため、その後も不動産会社から営業電話がかかってこないというメリットもあります。なかにはメールアドレスの入力を求められるサイトもありますが、システム上で情報を受け、査定額を送信するためであることがほとんどです。

●リハウスAI査定はこちら

スマホで匿名査定を申し込む若い女性

不動産売却における匿名査定の注意点

匿名査定のメリットについてお伝えしてきましたが、その一方で匿名査定を依頼する際には知っておきたい注意点もあります。注意すべき点は、前述したように、簡易査定や訪問査定に比べて査定結果の精度が下がることに加えて、以下の2点です。

・一戸建てに不向き
・不動産会社やエリアによって査定の精度が異なる

一戸建てに不向き

匿名査定は、過去の成約事例から査定額を導き出すため、類似の成約事例が多いマンションの査定に適しています。たとえば、同じマンション内で過去に取引された事例がある場合、立地や建物の品質などに差が少ないことから、機械的な計算によって適切な価格を算出しやすくなります。ただし、戸数の少ないマンションや築後間もないマンションの場合は、過去の取引事例が少ないことから査定の精度が低いこともあります。

一方、一戸建ては、過去の取引事例のデータから機械的に査定額を導き出すことが難しく、匿名査定にあまり向いていません。なぜなら、一戸建ての物件は、広さや間取り、施工会社など、物件によってそれぞれ異なる要素が多く、事例と単純な比較をしにくいからです。また、一戸建ては匿名査定に不向きな面があることから、一戸建ての匿名査定システム自体が多くありません。一戸建ての売却を検討していて、おおよその査定額を知りたい場合は、不動産会社を家に招かなくても依頼できる簡易査定を利用するとよいでしょう。

家の模型と売り出し中の看板

不動産会社やエリアによって査定の精度が異なる

蓄積されたデータをもとにAIが査定額を算出する匿名査定では、特にデータの少ないエリアに物件がある場合、精度が落ちやすくなってしまいます。

また、査定に使用しているデータベースがサイトごとに異なることから査定を依頼する不動産会社によって査定結果に大きな差が出る場合もあります。これは、不動産会社が持つ実績の数が会社によって異なり、査定の精度に大きな影響を及ぼすためです。

不動産売却のための匿名査定は気軽に行おう

「不動産査定を依頼したら、物件を売却しなければならないの?」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。不動産査定を依頼したからといって、査定した物件を売却しなければいけないわけではありません。たとえば、自宅のマンションや一戸建ての売却を検討している段階で査定のみを依頼して、査定額を見てから売却するかどうかの判断を行うことも可能です。

売却するか、賃貸住宅として利用するかを迷っている場合は、不動産査定の結果を検討材料とすることもできます。検討するための材料を増やすという意味で、気軽に査定の依頼をしてみてはいかがでしょうか?

ネットでできる不動産AI査定の流れをチェック

不動産査定には3つの種類があるとお伝えしましたが、三井のリハウスでは、「AI査定」「簡易査定」「訪問査定」、これら3つの査定を受けられます。ここでは、インターネットでできるAI査定の流れを見ていきましょう。

三井のリハウスの「リハウスAI査定」では、マンションの立地や階数といった条件を入力することで瞬時に査定結果を得ることが可能です。以下の手順に従って記入を行い、査定結果の確認をたった数分で行えます。

[ 1 ] マンション名または住所から物件を検索する

マンション名で検索する方法と住所から検索する方法があり、好きなほうを選んで必要情報を入力し検索します。

AI査定でのマンション名または住所記入欄

[ 2 ] 階数や部屋番号を記入

分譲時の情報をもとに、階数や部屋番号を選択します。

AI査定での所在階数と部屋番号記入欄

[ 3 ] メールアドレスを入力

三井のリハウスのAI査定では、メールアドレスと氏名を入力しますが、電話番号の入力は必要ありません。

AI査定でのオーナー情報登録欄

[ 4 ] メールで届いた査定結果をチェック

入力したメールアドレス宛てに査定結果が届きます。

●リハウスAI査定はこちら

簡易査定もインターネットで申し込むことができます。担当者とやりとりすることもできますので、AI査定よりも精度の高い査定結果を知りたい方はぜひご利用ください。

●簡易査定のお申し込みはこちら

匿名査定だけでなく不動産売却のために相場を調べよう

物件を売却する際に提示する「売り出し価格」は、査定額をもとに設定されます。そのため、不動産売却を検討している場合は、所有する不動産の相場を知ることが最初のステップです。ここでは、不動産の相場を知る方法を3つご紹介します。

査定を依頼して確認する

不動産会社に査定を依頼すれば、査定額から不動産がどのくらいの価格で売却できそうなのか目安が分かります。査定額は過去の取引事例といった情報から導かれたものであるため、実際に物件を売り出すときの参考となります。ご紹介した3つの査定から売却の検討度に合ったものを選びましょう。

自分で相場を調べる

売却相場は、自分で調べることもできます。その際に役立つのが国土交通省の提供する「土地総合情報システム」です。このサイトでは、実際に取引された不動産の価格や、基準地の価格を調べることができます。ただし、土地総合情報システムで得られる売却相場は、あくまで目安であるため、売却目的であれば多くの売買を仲介する不動産会社に査定を依頼しましょう。

●土地総合情報システムはこちら
国土交通省 | 土地総合情報システム

周辺相場・購入検討者情報の確認

三井のリハウスのWEBサイトでは、周辺の相場や購入検討者数を簡単に知ることができ、売りどきの見極めに役立ちます。また、マンションや一戸建てのほかに、土地の周辺相場や、指定した地域の購入検討者数、購入希望価格帯などの情報も知ることができます。具体的な手順は以下の通りです。

[ 1 ] エリアと物件の種類を選ぶ
都道府県と、「一戸建て」「マンション」「土地」から不動産の種別を選択します。

周辺相場を調べるためのエリアと物件種類の選択画面

[ 2 ] 行政区または沿線から物件のある地域を選択
次に、行政区または沿線から物件のある地域を選択します。

行政区から物件のある地域を選択する画面

[ 3 ] 周辺相場を確認
選択したエリア内で、三井のリハウスによって売り出されている物件の価格相場や、購入検討者情報が表示されるので、チェックしておきましょう。確認後、同じページから無料査定に進むことも可能です。

東京都千代田区の周辺相場情報

※2023年12月時点の相場情報

●周辺相場や購入検討者の確認はこちら

登記簿謄本等の書類と模型の家

不動産売却の匿名査定について、リアルな実態をプロにインタビュー

不動産売却の匿名査定について、リアルな実態を三井のリハウス社員に聞いてみました!気になる疑問について、不動産売却のプロの見解をご紹介します。

結果はどのように届きますか?

三井のリハウスに査定を依頼した場合、メールと郵送それぞれ以下の内容が届きます。

【メールの場合】
・売却サポートページのURL(売主さま向けのサイト、所有する不動産の近隣の売り出し物件の確認や、諸費用の計算、査定書の確認ができるページ)
・近隣の売り出し事例や成約物件の資料一式

【郵送の場合】
・査定書
・パンフレット一式(『売却の手引き』『税金の手引き』『360°サポート(設備保証サービス)』)

訪問査定の場合は、当日簡易査定結果をお渡しし、後日訪問査定を踏まえた査定結果をお渡しすることもあります。

●三井のリハウスへの相談はこちら

家の査定で注意すべきことは?

売主さまが一番注意すべきことは、売主さまご自身でも売却相場を調べることだと思います。特に匿名査定の場合、訪問査定とは異なり、限られた情報から査定結果を算出するため、訪問査定より精度が落ちるケースがあります。だからこそ、ご自身で相場感を把握し、匿名査定の結果が妥当であるか確認する視点が重要です。

不動産の売却相場を調べる方法はさまざまありますが、三井のリハウスのWEBサイトでは、エリアごとにマンションの相場価格や購入検討者情報を調べることできます。ぜひ下記からご自身のエリアを選択してみてください。

【マンションの相場価格をを調べる】
・首都圏
東京都神奈川県埼玉県千葉県茨城県
・関西
大阪府兵庫県京都府滋賀県奈良県
・中部
愛知県岐阜県三重県
・他のエリア
北海道宮城県広島県岡山県福岡県

匿名に限らず自分にあった不動産査定を依頼しよう

ここまで匿名査定のメリットや注意点、使い方などについてご紹介してきました。売却の意思が固まっておらず、不動産会社とやりとりをしたくない場合には匿名査定がおすすめですが、売却の意思が固まっている場合には、初めから訪問査定を依頼することをおすすめします。

また、訪問査定であれば、不動産会社や担当者と査定時に対面するため、安心して任せられるかどうかを見極めることができます。不動産を売却する際、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することも重要です。訪問査定を受ける際には、担当者の対応が適切かどうかもぜひチェックしてみてください。

三井のリハウスでは、今回ご紹介したAI査定、簡易査定、訪問査定を行っております。不動産売却を検討中の方だけでなく、不動産の資産価値を知りたい方はぜひご自身の状況に合った査定を受けてみてくださいね。

●リハウスAI査定はこちら

●無料査定 はこちら

不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/