オーダーメイドかコスパ重視か?「建売住宅」向きの人と「注文住宅」向きの人

目次
  1. 価格、便利さ、自由度、理想的…建売住宅と注文住宅はココが違う
2016.12.26

新築一戸建ての購入を検討している人にとって、「建売住宅」にすべきか、「注文住宅」にすべきかというのは非常に悩むポイントではないでしょうか。

そこで、ここでは両者のメリットとデメリットを比較して、それぞれがどのような人に向いているのかということを明らかにしていきましょう。

建売住宅とはご存知のように、土地と住宅がセットになって販売される新築分譲住宅のことで、計画段階から販売されることもありますが、すでに建築済みの建物が売られるケースも多くあります。

一般的には、ひとつの土地を何区画に分けて、そこに似たような間取り、仕様の建売住宅を複数建てます。規模が大きい場合は、「ニュータウン」と呼ばれるような住宅街全体の開発になることもあります。

一方、注文住宅というのは、まず自分で土地を購入するか、すでに所有している土地に住宅を建てます、建築士やハウスメーカーに設計を依頼し、それをもとにした施工会社に建築してもらう形態です。価格から間取り、内装、などすべてにおいて自分の予算に見合ったかたちで家を建てることができます。

それでは、建売住宅と注文住宅の双方を価格面から比較していきましょう。

建売住宅のメリットはまずはなんといっても、コストパフォーマンスでしょう。間取りや設備などの同じ建物を複数建てることで、コストダウンが図れるので、個人が同スペックの家を建てた場合よりも価格は割安になります。土地と住宅を一括購入するために、契約手続き等の時間や手間がかからないというメリットもあります。

これに対して、注文住宅のメリットは自由度です。間取りから設備、壁紙などのグレードもすべて自分で選ぶことができるので、価格面に関しては自分の予算に合わせて、削れる部分はかなり削れるというのは強みでしょう。

しかし、その一方で、自分自身が選択したものの、できあがりのイメージが違うということもあるので、設計や建築過程の段階で、自分自身の目で細かくチェックしなければなりません。

また、ハウスメーカーや工務店に設計と施工をまとめて依頼したり、建築事務所に設計と施工監理を依頼し、そこから工務店へ発注したりなど、家を建てていくまでのプロセスがやや手間がかかるというデメリットもあります。

価格、便利さ、自由度、理想的…建売住宅と注文住宅はココが違う

次に、「できあがった家」について比較してみましょう。

建売住宅はすでに家が建っている場合もありますので、実物もチェックできますので、ほぼイメージしていたどおりの家を購入することができます。その一方で、設備や間取りなどはごく一般的なもので、オリジナリティ性に欠けるというデメリットもあります。

注文住宅の場合は、自身の予算が許す限り内装や外装、そして間取りなどにも自由にこだわることができます。もちろん、その区画や土地の大きさによって、そのエリアの法制等がありますので、なにもかもが好きなようにできるわけではありませんが、まさしく「世界にひとつだけの自分の城」をつくることができます。これは何物に代え難い幸せでしょう。

ただ、これも先ほどのデメリットと同じで、こだわりの家をつくろうと思えば思うほど、建築士や施工会社と綿密な打ち合わせ繰り返し、自分のイメージを正しく伝える必要があります。

また、いざ施工をしてみたら、設計段階で自分の頭のなかでイメージしていたものとは違っていて、方針転換が迫られるというようなケースも想定できます。「注文主」として、足繁く現場に通って進捗の確認をしなくてはいけません。

最後に周辺の「環境」をみてみましょう。

建売住宅の場合、周囲には同じような家が並び、似たような家族構成が想定できますので、近所つきあいも比較的楽にいくということがあります。

また、ニュータウンのような大規模開発の場合は、スーパーや公共施設など暮らしに便利な環境であることも考慮されているので、生活しやすいというメリットがあります。

注文住宅で土地も自分で探して購入をする場合、スーパーや駅から距離などの住環境についても自分自身で確認し、実際にどれくらいの住みやすさなのかを検討を重ねる苦労がありますが、一方で妥協なく自分の住みたい理想的な街を探せるというメリットもあります。

以上のポイントでまとめてみると、それぞれに向いているのは以下のようなタイプの人なのではないでしょうか。

・建売住宅
暮らしは「個性」より「便利さ」を重視。手続きの煩わしさや時間などよりもコストパフォーマンスのよさを選ぶ人向け

・注文住宅
ライフスタイルにこだわりがあって、街探しから家を建てるまでのプロセスまで、責任をもって自ら確認できる気力のある人向け

いずれにしても、自分がどんな家で、どんな生活をしたいのかをよく考えて、後悔のない選択をしていただきたいと思います。