金銭の投資から心の投資へ…セカンドライフにはセカンドハウスを

目次
  1. リゾートマンションをセカンドハウスに…そのメリットと注意点
2016.10.24

年齢を重ねるにつれ、ビジネスでは重要なポストを任されることなどで責任や苦労が増え、家庭においても子どもの教育、両親の介護、自身の老後などに対する不安感が強くなっていくものです。

そのため、ストレスが原因とされる病気などに中高年が悩まされるといったケースも少なくありません。

そこで、わずかな期間でもさまざまなプレッシャーから解放されたいとして、ホテルよりさらにゆったりできるセカンドハウスを探すシニア層は増えているようです。

しかし、「マイホームも購入できないのに、セカンドハウスなんてとても無理」とお思いの方もいるでしょう。確かに別荘でバカンスを過ごせるのは、経済的に豊かな層に限られた特権である、との認識は幅広い世代に共通しています。

事実、軽井沢、那須、蓼科、勝浦、伊東、南紀白浜、湯布院、沖縄といった人気のリゾート地で、敷地面積の大きな別荘であれば数千万円という物件も珍しくありません。

それでも、多額の投資をしなくても、かなりお手頃な価格で別荘を購入する方法をいくつか見つけることができます。

リゾートマンションをセカンドハウスに…そのメリットと注意点

かなり以前からあり、利用者がもっとも多い方法とされるのが、別荘の権利を共同で所有する、いわゆるリゾート会員権の購入です。たとえばA家、B家、C家という3家族が別荘やリゾートマンションの会員権を買って、8月1日から10日まではA家、8月11日からはB家が使用するなどとスケジュールがぶつからないようにして利用します。

実際は1つの物件あたり10家族以上が利用する場合が多いようですが、家族が多ければ多いほど、購入価格が下がるため負担が少なくてすみます。それから、個人所有とは違って清掃や修理など管理する手間がかからない点はメリットといえるでしょう。

しかし、逆に利用する家族が増えれば、年末年始や夏休みなどの希望が集中する時期には利用が難しくなります。また、その物件だけの会員権なので、別のリゾート地にある別荘でゆっくりしたいとなれば、新たな会員権の購入が必要でした。

最近では、そうしたデメリットを補う、リゾート地に建つ別荘の利用方法が注目を浴びています。それは、これまでのように物件ごとの会員権を購入するのではなく、運営会社に施設使用料を支払うと、全国各地のリゾート地に所有している物件をどれでも利用できるというものです。

利用希望日がほかの利用者と重なれば抽選になるのは、従来のリゾート会員権での別荘利用と変わりませんが、抽選に外れても他のリゾート地にある別荘から選べるのは大きな違いでしょう。

また、運営会社が物件を増やしていけば、それらも使用することができるようになるため、利用者らには将来的な楽しみもあります。

リゾート会員権に比べ初期費用が数百万円と少々高めですが、終身利用が基本のうえ、海外のリゾート地にも物件を持つ運営会社もあるなど、コストパフォーマンスは決して悪くはないと思われます。

それから、異常なまでの低価格で販売されているリゾートマンションには十分に注意が必要です。バブル期に投機目的で熱海や苗場、越後湯沢などのリゾート地に建てられ、売り出し価格は数千万円だったにもかかわらず、現在の販売価格は100万円を切っていることも珍しくありません。

激安価格に引かれ物件に飛びついても、前オーナーが管理費を滞納していれば、購入した途端、滞納金の支払いを要求されることがあります。また、リゾートマンションの大半が、30年近く前のバブル期に建設されているため、多額の修繕費用がかかる恐れがあります。

それらの費用を合計するとなかには数百万円に達する物件もあり、予算をはるかにオーバーする危険も含んでいます。もし、購入を検討されるなら、事前によく下調べすることをおすすめします。

別荘やリゾートと聞くと、つい気持ちが開放的になって、物件を厳しい目で審査することを忘れるかもしれません。しかし、あとあと悲しい思いをしないためにも、セカンドライフのためのセカンドハウス探しは、最初の第1歩こそが大切である、と肝に銘じたほうがいいでしょう。