Home / 2021 06,29

介護サービスにはどんな種類がある?介護保険サービスの基本情報を解説

要介護度に応じて提供される「介護サービス」には、多くの種類があります。今回は、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分けて、それぞれどのようなサービスがあるのかを紹介していきます。

介護が必要なときに利用できるサービスはある?

介護が必要になったとき、家族だけで介護しようとしても、負担が大きすぎてうまくいかないことがあります。そんなときに役立つのが「介護サービス」です。

介護サービスを利用すれば、プロのサポートのもと、介護する側もされる側も安心して生活を続けていくことができます。

今回は、いざというときのために知っておきたい介護サービスの基本について、分かりやすくご紹介しましょう。

エプロンを着けた女性

要介護度に応じた介護サービスがある
介護サービスは、介護保険制度に基づいて利用するサービスです。要介護度に応じて利用できる種類や、1か月に利用できるサービスの量が決まっています。

そのため、利用するには要介護認定の申請が必要です。自治体の窓口で申し込むと、要介護度を判定してもらうことができます。

その後、ケアマネジャー(介護支援専門員)に介護サービス計画書(ケアプラン)を作成してもらい、計画書に沿って介護サービスを受けることになります。

介護サービスは、大きく「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分類されます。

●要介護認定に関する記事はこちら

1〜3割の費用負担で利用できる
介護サービスには介護保険が適用されるため、利用者は費用の一部のみを負担する形で利用できます。負担の割合は、所得に応じて1〜3割と定められています。

ただし、1か月あたりの支給限度額が要介護度に応じて決まっており、超過分は全額自己負担(10割負担)となる点には注意が必要です。

介護サービスごとに、対象となる要介護度や費用は異なります。詳しくは、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で見ることができます。

それでは、介護サービスでは具体的にどのようなことをしてもらえるのか、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分類して、次項から詳しく見ていきましょう。

居宅サービスとは?

居宅サービスとは、自宅で日常生活を送る人を対象とした介護サービス全般を指します。居宅サービスには、大きく分けて次の4種類があります。

白衣の女性とシニア男性

訪問サービス
担当者が自宅を訪問して提供してくれる介護サービスです。利用者は、家にいながらにしてサービスを受けることができます。主な訪問サービスは以下の通りです。

・訪問介護(ホームヘルプ)
介護福祉士やホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護(排せつや入浴など)、生活支援(買い物や調理、洗濯・掃除など)を行ってくれます。

・訪問入浴介護
浴槽を積んだ入浴車が自宅を訪問し、介護職員と看護師が入浴の介助を行ってくれます。

・訪問看護
看護師や保健師が自宅を訪問し、健康状態のチェック(病気や障害の状態、血圧・体温・脈拍など)や医療ケア(人工肛門や人工膀胱の管理、点滴の管理など)を行ってくれます。

・訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、リハビリテーション(起き上がりや歩行の訓練、関節の拘縮予防など)を行ってくれます。

訪問介護

通所サービス
利用者が施設に通う形で受けられる介護サービスです。介護に携わる家族の負担を軽くするほか、介護を受ける人の社会的な孤立感を解消することにも役立ちます。

・通所介護(デイサービス)
デイサービスセンター等で日中を過ごすサービスです。センターでは介護職員や看護師が、食事や入浴、リハビリテーション、レクリエーションなどを行ってくれます。

・通所リハビリテーション
介護老人保健施設(老健)、病院、診療所などの施設が、通所する利用者に対して、食事や入浴の介護に加えてリハビリテーションを行ってくれます。

短期入所サービス(ショートステイ)

数日〜数週間程度の間、利用者が施設に入所して介護を受けられるサービスです。家族が家を留守にしなければならなくなった、病気になってしまったなど、短期間の利用に適しています。

短期入所サービスは、利用者が医療を必要としているかどうかで次の2つに分かれます。

・短期入所生活介護
特別養護老人ホームや短期入所施設などの職員が、短期間入所する利用者に対して、食事や入浴などの介護、レクリエーションやリハビリなどを行ってくれます。

・短期入所療養介護
介護老人保健施設(老健)、病院、診療所などの職員が、短期間入所する利用者に対して、医療管理に基づく介護、医療ケアを一定期間行ってくれます。

そのほかのサービス
上記のほかに、介護用ベッドや車椅子などの「福祉用具貸与(レンタル)」、腰掛便座や入浴補助用具などの「福祉用具購入費の支給」、自宅に手すりやスロープを付けるなどの「住宅改修費の支給」、指定を受けた施設(介護付有料老人ホームなど)が日常生活支援や機能訓練などを提供する「特定施設入居者生活介護」なども居宅サービスに含まれます。

施設サービスとは?

施設サービスとは、施設に入居する形で受けられる介護サービスのことです。施設サービスが受けられる施設には、次の4種類が指定されています。

介護されているシニア女性

特別養護老人ホーム
自宅での生活が困難で、常に介護を必要とする人を対象とした施設です。食事・排せつ・入浴といった日常生活の介護、さらにリハビリテーションやレクリエーションが受けられます。

介護老人保健施設(老健)
在宅復帰を目指す人を対象とした施設です。リハビリテーションや医療ケアのほか、食事・排せつ・入浴といった日常生活の介護も受けられます。

在宅復帰を前提としているため、利用期間は3か月〜6か月程度が目安で、終身利用には対応していません。

介護療養型医療施設
長期にわたって療養を必要とする人を対象とした施設です。食事・排せつ・入浴といった日常生活の介護に加え、医療ケアが受けられます。ただし、2024年3月末までに完全廃止されることが決定しており、次の受け皿として「介護医療院」が新設されています(次項)。

介護医療院
介護療養型医療施設に代わって新設され、生活する場により重きを置いた施設です。介護療養型医療施設と同じく、長期にわたって療養を必要とする人を対象としていますが、プライバシーに配慮した居室、レクリエーションなど、日常生活の豊かさも考慮した施設となっています。

地域密着型サービスとは?

地域密着型サービスとは、自治体に指定された事業所が、その地域に住む高齢者を対象に提供する介護サービスです。高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるよう、支援することを目的としています。

地域密着型サービスには、次の5種類が挙げられます。

エプロンを着けた女性とシニア女性

小規模多機能型居宅介護
「通い(デイサービス)」「短期間の宿泊(ショートステイ)」「自宅への訪問(ホームヘルプ)」という3つのサービスを、1つの事業所が提供するものです。

通いを中心に、状況に応じて短期間の宿泊や訪問を組み合わせることで、家での暮らしと社会的な交流を両立させた介護を受けることができます。

認知症対応型通所介護
認知症の高齢者が、通所施設(デイサービスセンター、グループホームなど)に通って認知症に配慮した日常生活の支援や機能訓練を受けられるサービスです。

夜間対応型訪問介護
利用者が24時間安心して生活できるように、夜間帯にホームヘルパーが自宅を訪問してくれるサービスです。

18時〜翌朝8時の間にホームヘルパーが定期的に自宅を巡回する「定期巡回」と、夜間に突然体調を崩したり、ベッドから転落して自力で起き上がれないときなど、利用者の求めに応じて対応してくれる「随時対応」を組み合わせています。

夜間の介護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護
ホームヘルパーや看護師が、定期的な巡回と随時通報への対応を行ってくれます。入浴、排せつ、食事など日常生活の介護と、緊急時への柔軟な対応という、介護・看護が一体化したサービスです。

グループホーム
認知症の高齢者が少人数での共同生活を送りながら、日常生活の支援や介護、認知症ケアを受けることができるサービスです。

状況に応じて介護サービスを活用しよう!

ここまでご紹介した通り、介護サービスにはさまざまな種類があります。たくさんのサービスがあるのは、介護を受ける人やその家族の状況には、それぞれ違いがあるからです。

今回ご紹介した、介護保険で利用できるサービス以外にも「自治体の福祉サービス」、家事代行や配食、送迎といった要介護度にかかわらず利用できる「保険外」のサービスもあります。料金や利用要件は自治体や運営会社によりますが、状況に応じて保険外のサービスも組み合わせると、介護の負担をより軽減することができるでしょう。

シニアと家族

これから介護が必要になるかもしれないと考えている人は、実際に介護が必要になったときに自分がどのような生活を送りたいかをイメージして、どういう介護サービスがあるのかを調べておきましょう。

また、介護を行う可能性がある人は、サービスを利用してできる介護や費用について整理して、自分の暮らしを守りつつ本人の希望もかなえられるように、よく話し合って介護形態を決めることが大切です。

もし、自分や家族が施設介護と在宅介護のどちらが適しているのか分からない場合は、下の記事も参考にご覧くださいね。

●在宅・施設それぞれの介護サービスに関する記事はこちら

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三井不動産株式会社 ケアデザイン室

監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。