土地の売却相場の調べ方は?どのくらいで売れるか調べる方法や価格の計算、費用も解説

土地の売却を検討している場合、まずは相場を知ることが重要です。相場を調べるには、さまざまな方法があります。この記事では土地の売却相場を調べる方法や注意点に加えて、土地売却にかかる費用や税金などを解説します。

目次
  1. 土地を売却するなら金額の相場を知ろう!
  2. 土地の売却相場の調べ方:実際の取引価格から知る
  3. 土地の売却相場の調べ方:公的機関の評価から知る
  4. 土地の売却相場の調べ方:査定価格から知る
  5. 土地の売却相場を調べるときの注意点
  6. 土地を売却するときにかかる費用は?
  7. 土地の売却金額について、リアルな実態をプロにインタビュー
  8. 土地売却の金額を知りたいときは不動産査定がおすすめ
記事カテゴリ 売却 土地
2024.03.22

土地を売却するなら金額の相場を知ろう!

土地売却を検討し始めた方のなかには、「いくらで売り出せばよいだろう?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?土地を売り出す金額は高過ぎると買い手が付きにくくなり、安過ぎると損をしてしまうため、適切な金額を設定することが大切です。

適切な売り出し価格を設定するには、土地の相場を正確に把握することが重要です。土地の相場を把握するには、以下のような方法があります。

実際の取引価格から知る
公的機関の評価から知る
査定価格から知る

この記事では土地の売却相場を調べる3つの方法について詳しく解説します。また、記事の後半では、土地の売却相場を調べる際の注意点や、土地の売却にかかる費用・税金についてもお伝えするので参考にしてくださいね。

住宅街にある空いた土地

土地の売却相場の調べ方:実際の取引価格から知る

実際に取引されている不動産の情報から相場を知るには、「実勢価格」を調べましょう。実勢価格とは、実際に土地の売買が成立した価格のことです。 

実勢価格は、国土交通省が運営するホームページ「土地総合情報システム」内の「不動産取引価格情報検索 」にアクセスすると確認できます。取引時期や土地の種類、地域などの条件を選択した後、表示されるリストにある取引総額を見てみましょう。公共事業から民間での売買まで、リアルな土地の取引価格を知ることが可能です。ただし、情報のボリュームが少ない、情報が古いといった場合があるので、あくまで相場価格の傾向をつかむ際の参考にするとよいでしょう。

三井のリハウスのホームページでは、地域ごとの相場を公開しています。ぜひご利用ください。

●土地の相場を知りたい方はこちら

土地の売却相場の調べ方:公的機関の評価から知る

相場の参考になる公的機関の評価は主に以下の4つです。

・公示地価
・基準地価
・路線価
・固定資産税評価額

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

家と隣接した空地

公示地価

公示地価は公示価格の1つで、国土交通省が発表する土地の価格を指し、対象区域は都市およびその周辺地域です。毎年1月1日時点における都市部の標準地点(基準地点)の1㎡あたりの評価額を、国から委託された不動産鑑定士が算出し、3月の下旬に発表します。

基準地価

基準地価も公示価格の1つで、都道府県が主体となって調査し、発表する土地の価格のことです。基準地価は公示地価の補完的な役割を果たします。対象区域は、都市部や、そのほかの住宅地、商業地、工業地、林地などで、毎年7月1日に標準地点の1㎡あたりの評価額が毎年9月の下旬に発表されます。

公示地価や基準地価といった公示価格は、「土地総合情報システム」内の「標準地・基準値検索システム 」にアクセスすることで確認可能です。所有している土地の都道府県を選択した後、条件を入力すると公示地価が表示されます。上記でお伝えした実勢価格は、公示価格の1.1倍が目安とされているため、それらの価格からも相場をつかめますよ。ただし、都市部の実勢価格は公示価格の2倍以上になる場合もある点に注意しましょう。

●公示価格に関する記事はこちら
公示価格とは?調べ方や路線価・実勢価格との違いをわかりやすく解説

路線価

路線価とは、道路に面した1㎡あたりの土地を1,000円単位で評価した価格のことで、国税庁のホームページ「財産評価基準書」で確認ができます。主に「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があり、毎年1月1日時点での評価額が7月1日に発表されます。

路線価は公示地価と基準地価などを参考にして算出され、相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税路線価は公示地価の7割程度になります。なお、土地の相場を知る際は相続税路線価を利用しましょう。人やものの流れとなる道路を基準に土地を評価することで、土地の本質的な価値や、将来性も鑑みることができます。

相続税路線価は公示地価の8割程度で、実勢価格は公示地価の1.1倍程度とされているので、相続税路線価から相場を予測するには、以下のように計算します。

実勢価格 = 相続税路線価 ÷ 0.8 × 1.1

ただし、この計算式から導き出される金額は、あくまで目安である点に注意してください。

帳簿と現金、電卓

固定資産税評価額

固定資産税評価額は、固定資産税や不動産取得税の算出に使われる評価額のことで、各市町村(都内23区は東京都)が不動産ごとに算出します。郵送される固定資産税の納税通知書や、各市町村の役所での閲覧や窓口での申請で、その土地の評価額を知ることが可能です。なお、固定資産税評価額は、3年に1度見直しがされています。

固定資産税評価額は公示価格の7割程度で、実勢価格は公示価格の1.1倍程度とされているので、固定資産税評価額から相場を予測するには、以下のように計算します。

実勢価格 = 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1

ただし、こちらもあくまで目安であり、実勢価格は土地の条件や不動産市場の状況により変動します。売却のためのより詳細な相場価格を把握したい場合は、次にご紹介する不動産査定がおすすめです。

赤い道路と空地

土地の売却相場の調べ方:査定価格から知る

査定価格(査定額)とは、不動産会社が算出する売却推定価格のことです。不動産会社に依頼すれば無料で受けられます。土地の売り出し価格の設定に直結するため、ぜひ基礎知識を知っておきましょう。土地査定には「簡易査定」「訪問査定」の2種類があります。ここからはそれぞれについて解説しましょう。

簡易査定

簡易査定とは、基本的な物件情報に加えて、類似物件の取引価格や公示価格、路線価なども加味して不動産会社が査定価格を算出する方法です。不動産会社を招かずに、手軽に査定を受けられる点がメリットといえるでしょう。ただし、訪問査定に比べると精度が下がるため、簡易査定で算出された査定価格はあくまで参考として考えるのがおすすめです。

パソコンで土地の相場金額を検索する夫婦

訪問査定

訪問査定とは、不動産会社が実際に土地を訪れて詳細な調査を行い、査定価格を算出する方法です。簡易査定に比べて精度の高い査定結果が得られるため、土地を売却する意思が固まっている方におすすめです。

三井のリハウスでは豊富な実績を生かした簡易査定と訪問査定を実施しています。精度の高い土地の相場を知りたいという方は、ぜひご利用ください。

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周辺に住宅のある空地

土地の売却相場を調べるときの注意点

ここまで土地の売却相場の調べ方についてお伝えしましたが、相場を調べる際には気を付けたいこともあります。あらかじめ、以下の注意点を把握しておきましょう。

売り出し価格と成約価格は異なる

売り出し価格は、土地が実際に売却された価格を意味する「成約価格」とは異なるので、売却相場を調べる際は、混同しないように注意しましょう。不動産会社のホームページやチラシに掲載されているのは売り出し価格であり、実際に土地が売れた価格とは必ずしも一致するとは限りません。購入希望者からの値下げ交渉があった場合に備えて、売り出し価格を高めに設定している
可能性もあるため、相場情報を集めるときは掲載されている価格が売り出し価格と成約価格のどちらなのかをよく確認しましょう。

自分で調べた相場は参考程度に捉える

土地の細かな条件によっても成約価格は異なります。そのため、自分で調べた相場をうのみにせず、参考程度に捉えることが大切です。また、自分で調べた相場のみだと情報が不十分なこともあるため、売却の意思が固まったら、売却のプロである不動産会社に相談し、査定を依頼しましょう。

造成地から市街地を臨む

最新の査定を受ける

過去に土地の査定を受けたことがあっても、売却する場合は再度査定を受けるようにしましょう。土地の価格は常に変動します。前回の査定から時間がたっている場合は、もう一度査定を受けて最新の相場をつかみましょう。

土地を売却するときにかかる費用は?

土地の売却を検討している方のなかには、「売却時にどんな費用が発生するの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?ここからは土地の売却にかかる費用と、税金について解説します。

測量費用

測量費用とは、土地の「地積測量図」や「境界確認書面」の作成を依頼した土地家屋調査士に支払う費用のことです。地積測量図とは、所有する土地の面積を明確にする図面のことであり、境界確認書面は、隣地境界線を明確に記した書面です。費用の目安は40万~50万円になります。

仲介手数料

仲介手数料とは、土地の売却が成功した際に仲介を依頼した不動産会社に支払う手数料のことです。仲介手数料は上限が決められています。たとえば、取引額が400万円を超える場合、仲介手数料は「取引物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税」で計算されます。

●仲介手数料に関する記事はこちら
不動産売却の仲介手数料はいくら?そのほかの売却費用を抑える方法についても解説

解体費用

土地にマンションや一戸建てなどの建物が建っている場合は、解体費用が発生します。解体費用は建物によって異なりますが、150万円前後が目安です。

●解体費用に関する記事はこちら
家の解体費用の相場は?費用を左右するポイントや安く抑える方法について詳しく解説

繰り上げ返済手数料

繰り上げ返済手数料とは、住宅ローンを繰り上げで返済する際に金融機関に支払う手数料のことです。売却する際に住宅ローンが残っている場合は、一括返済する必要があります。繰り上げ返済手数料としてかかる費用の目安は5,000~3万円前後が多いでしょう。金融機関によっては無料の場合もあるため、借り入れ先に確認することをおすすめします。

家の模型とお金と「LOAN」の英字ブロック

税金

土地を売却して利益が出た場合、その譲渡所得(売却益)に対して所得税と住民税が発生し、税額は売却益の20〜40%程度と定められています。そのほか売買契約書の作成にかかる印紙税や、抵当権を抹消する際にかかる登録免許税などの税金も発生します。詳しくは以下の記事をご覧ください。

●不動産売却にかかる税金に関する記事はこちら
不動産売却にかかる税金にはどんなものがある?計算方法と節税対策について解説

TAXの英字模型と電卓

土地の売却金額について、リアルな実態をプロにインタビュー

土地の売却金額について、リアルな実態を三井のリハウス社員に聞いてみました!気になる疑問について、不動産売却のプロの見解をご紹介します。

相場よりも高く売れやすい土地の特徴は?

相場よりも高く売れやすい土地の特徴は「希少性の高さ」です。主に以下の特徴が挙げられます。

【高く売れやすい土地の特徴】
・エリア内でめったに売り出されない
・人気の学区
・駅から近い
・角地
・接道面が広い
・整形地(長方形や正方形など形が整っている土地)
・前面道路から駐車しやすい(十分な道幅のある整備された道路に面している)

一方、近隣に騒音や振動、悪臭を発生させたり、危険物を取り扱ったりする「嫌悪施設」がある場合は、査定額が下がる可能性があります。ただし、あくまでも主観的な判断となることが多いため、実際に現地に足を運び、騒音や振動などがどの程度かを確認することになります。

【査定額を下げるポイント】
・近くにごみ集積場がある
・近くに焼却施設がある
・高速道路や幹線道路に近く、車の騒音がする
・線路に近く、電車の通過音がする
・付近に高圧線がある

土地の売却相場の調べ方は?

相場の調べ方はさまざまな方法がありますが、三井のリハウスのWEBサイトでは、土地の相場価格や購入検討者情報を地域ごとに調べることができます。ぜひ下記からご自身のエリアの土地の相場を把握してみてください。

【エリアごとの土地の相場価格をを調べる】
・首都圏
東京都神奈川県埼玉県千葉県茨城県
・関西
大阪府兵庫県京都府滋賀県奈良県
・中部
愛知県岐阜県三重県
・他のエリア
北海道宮城県広島県岡山県福岡県

土地売却の金額を知りたいときは不動産査定がおすすめ

ここまで土地の売却相場を調べる方法や注意点、土地の売却にかかる費用や税金について解説してきました。土地売却において、売り出し価格を最終的に決めるのは売主であり、適切な判断を下すためには、売却前にできるだけ詳細な売却相場を把握しておく必要があります。

また、売却活動のパートナーとなる不動産会社選びも、売却を成功させるために重要なポイントです。信頼できる不動産会社を選ぶには査定価格の妥当性のほか、土地売却の実績は豊富か、親身に相談に乗ってくれる担当者がいるかといった点をチェックしてみるとよいでしょう。

三井のリハウスでは、土地の無料査定をご用意しております。まだ土地の売却を迷っている場合でも、査定を受けてから売却するかどうかを判断していただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。

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村田洋一

らくだ不動産 不動産コンサルタント。宅地建物取引士、行政書士。消費者にとっての最良の不動産取引を目指し、多岐にわたる不動産トラブルの相談を受ける。
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