マンションリフォームの費用相場は?リフォームのポイントや注意点も併せて解説

マンションリフォームは基本的に、壁紙や浴室などの専有部分であれば行えます。費用は、その規模によって異なりますが、内装全体を変更するとなると相場はおよそ600万〜1,000万円です。今回は、マンションリフォームの費用やタイミングなどについてご紹介します。

目次
  1. マンションリフォーム費用の相場
  2. 水回りのリフォーム費用相場
  3. 空間別リフォーム費用の相場
  4. マンションリフォームを行うタイミングは?
  5. マンションリフォームをスムーズに進めるポイントは?
  6. リフォーム費用以外の注意点
  7. 費用を踏まえたリフォーム業者の選び方
  8. 費用を踏まえて、マンションのリフォームを検討しよう
記事カテゴリ マンション
2023.12.12

マンションリフォーム費用の相場

納得して購入した家であっても、経年劣化したり、ライフスタイルが変化したりすると、不満や気になる箇所が出てくるものです。分譲マンションの場合も例外ではなく、内装や設備のリフォームを検討する方は多いのではないでしょうか?

マンションにおけるリフォーム費用の相場は、フルリフォームで予算は600万〜1,000万円ほどで、部分的にリフォームする場合は、部屋ごとに費用相場は異なります。たとえば、洗面室のリフォーム費用は10万円程度からが目安ですが、リビング・ダイニングのリフォームだと、内容によっては500万円ほどになることもあります。

今回は、マンションをリフォームしたい、あるいは将来リフォームをするときのために知っておきたいという方に向けて、マンションリフォームにかかる費用の目安だけでなく、各費用で可能なリフォーム内容、間取りの変更、そのほか注意点などについて、詳しく解説していきます。

マンションのリフォーム費用について調べる夫婦

水回りのリフォーム費用相場

劣化が生じやすい水回りの設備は、特にリフォームの必要性が高い箇所です。また、水回りのリフォームは「風呂場だけ」「トイレだけ」のように1点ずつ行うよりも、まとめてリフォームしたほうがお得になるケースもあるため、施工業者に確認するとよいでしょう。

水回りの設備ごとのリフォーム予算は次の通りです。

キッチン|50万~150万円

キッチンのリフォームには、キッチン本体を交換する方法と、レンジフードやガスコンロといった一部の部品のみを交換する方法があります。キッチン本体を交換する場合は、多めに見積もっても150万円以内に収まることがほとんどです。ただし、デザイン性の高いキッチンを選択した場合には、150万円程度の費用が掛かる場合もあります。

浴室|100万~200万円

浴室のリフォームは、給湯器の交換とユニットバスの交換に分けられます。給湯器の寿命は一般的に10年程度、ユニットバスの寿命は15年程度が目安です。

給湯器の交換は30万円以内、ユニットバスの交換は100万〜150万円が目安とされており、合計すると200万円以内でリフォームを行うことが可能とみてよいでしょう。

トイレ|15万~40万円

トイレのリフォームは、温水洗浄便座の交換や、壁や床材の張り替えが中心となります。便座本体が破損することはあまりないものの、使用10年をすぎたあたりからパッキンをはじめとする各部の劣化が目立ってきます。また、節水やお手入れのしやすさなど機能面の観点からも、10年以上たったら最新のトイレに交換するのがおすすめです。

洗面室|10万~50万円

洗面室のリフォームでは、洗面台の交換と併せて壁と床材の張り替えも多く行われます。壁や床材は耐水性の高い素材、洗面台は収納力のあるものを選ぶとよいでしょう。

バリアフリーリフォームを検討する車椅子の老夫婦と男性

空間別リフォーム費用の相場

次は、水回り以外の空間や、部屋全体をリフォームする場合の費用相場をご紹介します。

フルリフォーム(スケルトンリフォーム)

まずはフルリフォームについてご紹介します。マンションのフルリフォームとは、マンションの専有部分のリフォーム可能な部分を全て撤去して、構造を支える柱や梁、床のみを残した状態にした後にリフォームを行うことを指し、別名「スケルトンリフォーム」とも呼ばれます。

フルリフォームを行う場合、間取りの変更を同時に行うケースも多くなっています。これは、間取りを変えることで、より広々とした空間にできたり、生活動線を確保できたり、配線・配管周りを改めて確認できたりするからです。3LDKから1LDKにしたり、部屋数を増やしたり、間取りの変え方は居住者の求めるものによりそれぞれ異なります。

予算は600万~1,000万円が相場となっており、間取りを変更する場合は変更を加えない場合よりも費用が多くかかる傾向です。

このフルリフォームの例には、住まいのバリアフリー化が挙げられます。入居時から時間がたち、家族が高齢になった際、手すりを設けたり、床の段差をなくしたりすることで、安全かつ快適な生活を続けることができるでしょう。

また、工事内容によっては仮住まいを用意する必要もあります。その場合は、仮住まいの家賃や引越し代など、リフォームそのもの以外の予算も想定しておくと安心です。

リビング・ダイニング

リビング・ダイニングのリフォームは内容が多岐にわたるため、予算は50万~500万円と幅があります。間取り変更を伴う工事や、床暖房の設置などを行うと費用は高くなりますが、一般的には天井・壁のクロスの張り替えや、フローリングの張り替えといった内容が中心です。間仕切りを撤去したり、追加したりする工事については、1か所につき20万円前後が目安となります。

3LDKで間取り変更を行う場合は、間仕切り壁の設置や撤去、フローリングやクロスの張り替えなどを考慮すると、400万~700万円程度になります。

和室

和室のリフォームには、和室から洋室に変更する、または洋室から和室に変更するパターンと、和室をそのまま残すパターンが挙げられます。和室のままリフォームを行う場合は、畳やふすまといった細部にこだわるとコストが高くなるので、予算は20万~100万円をみておくとよいでしょう。

以上、それぞれの場所のリフォーム費用についてご紹介しました。上記の価格はあくまで相場であり、物件の築年数や広さによって差が出る点に注意が必要です。

マンションリフォームを行うタイミングは?

マンションのリフォームを行うタイミングは、築年数がおおまかな目安となります。便利で清潔な暮らしを守るためには、築何年でどのようなリフォームを行うとよいのか、具体的にご紹介しましょう。

リフォームを行った車いす女性と男性

築5~10年

壁や天井のクロスは、住み始めて5年をすぎたあたりから汚れや小さな破損が目に付きやすくなってきます。また、床も細かい汚れや傷がどうしても付いてしまうため、新品のような清潔感は感じられなくなってしまうこともあるでしょう。

現段階では実用に困るほどでなくとも、清潔感のある住環境を長く保つためには、これらのリフォームを行うのが理想的だといえます。

築10~15年

浴室やキッチンなどの水回りに不具合が出てきやすい年数にあたります。浴室乾燥機や備え付け食洗機に不具合が出てくる、蛇口やシャワーヘッドの締まりが悪くなるといったトラブルが発生することがあります。この時期が来たら水回りの点検を行い、問題があればリフォームするのがおすすめです。

築15~20年

住宅設備や住宅の見える部分に、不具合・腐食などが生じる時期です。設備に関しては、新築時に備え付けられていたさまざまな設備の耐用年数が終了し、交換時期を迎えます。また、クロスや床に関しては、結露によるカビの発生や腐食、太陽光による日焼けなどが生じる場合もあります。

丁寧に使っていても、経年劣化が自然と発生する時期であるため、ある程度のリフォームを検討することがおすすめです。台所やトイレ、風呂といった設備は、故障が起きて日常生活に支障を来す前に、設備の交換を意識しておくとよいでしょう。

浴室を点検するスタッフ

一方、築年数がかなり経過しているマンションで、リフォームを行って住み続けるか、売却して築年数が浅い物件に引越すか悩んでいる方は、以下の記事を参考にしてみてください。

●築50年以上のマンションに関する記事はこちら
築50年のマンションって大丈夫?いつまで住めるか、売却は可能なのかを詳しく解説

マンションリフォームをスムーズに進めるポイントは?

マンションのリフォームは、規模や内容によって予算も工期も大きく異なってきます。スムーズかつ納得のいく形でリフォームを進めるには、次のようなポイントを意識しましょう。

リフォーム箇所を明確にする

マンションをリフォームする際は、まず現在の不満な点を洗い出してリフォームしたい箇所を明確にしておく必要があります。そして、変更規模は一部なのか全体なのか、希望する箇所はそもそもリフォームしてよい部分なのかについて確認したうえで、リフォーム会社と相談し、契約に臨むようにしましょう。

優先順位を決める

現在の住まいの状態に対する不満な点を明確にしたら、リフォームを行う優先順位も決めておくとよいでしょう。リフォームを施せる部分は幅広く、理想を追い求めていくと費用はどんどん膨らんでしまいます

そのため、予算と相談して「リフォームで絶対に譲れない箇所」「予算オーバーならやらなくてよい箇所」など、優先順位を明確にしておけば、後悔するリスクを減らせますよ。

リフォーム箇所を相談するスタッフと女性

予算を明確に伝える

リフォーム会社に見積もりを依頼する際に、予算を明確に伝えることは大切です。金額の上限を最初にはっきり提示することで、想定外の費用がかかるのを抑えられます。リフォーム会社にとっても要望を把握しやすく、予算内で適切なプランを提案してくれるでしょう。

リノベーションとの違いを確認する

リフォームとリノベーションでは業者が異なることもあります。リフォームとは、老朽化したものを新築時の状態に戻すことを指します。一方で、リノベーションが意味するのは工事によって付加価値を加えることです。自分が希望しているのはどちらなのかを明確にしたうえで相談先を決めると、スムーズに進むでしょう。

ローンや補助金を利用する

高額なリフォームを行う場合は、ローンや補助金を利用することを検討しましょう。リフォームで使えるローンには、「住宅ローン」と「リフォームローン」の2種類があります。住宅ローンは、住宅購入費用とリフォーム費用の両方をまとめて借りる際に使われるもので、中古マンションを購入してリフォームをしたい場合に便利です。

一方、リフォームローンはリフォーム費用単体で組めるローンで、借入額によっては担保が不要となり、審査も住宅ローンと比べると通りやすいというメリットがあります。ただし、無担保の場合は金利が高くなることが一般的です。

また、リフォームの内容によっては、国や自治体からの補助金や、「リフォーム減税」「住宅ローン減税」といった減税制度を利用できる場合があります。

●住宅ローン審査に関する記事はこちら
住宅ローンの審査基準とは?対策を詳しく解説!

リフォーム費用以外の注意点

マンションのリフォームを行う際には、費用以外にも知っておきたいことがあります。トラブルや失敗を避けるために、あらかじめ以下の注意点を把握しておきましょう。

マンションと虫眼鏡と電卓

マンションのリフォームは専有部分のみ可能

マンションでは、共用部分のリフォームは基本的にできません。共用部分には、マンションのエントランスやエレベーター、階段などに加え、居室周りのベランダや玄関ドアの外側部分、窓といった箇所も該当します。そのため、基本的には区分所有者(その物件の所有者)やその家族しかほぼ使う機会がないベランダや窓であっても、これらの箇所のリフォームは難しいと考えてよいでしょう。そのため、リフォームを検討する際はどこが専有部分でどこが共用部分なのかを確認しておくことがおすすめです。

逆に、専有部分については基本的にリフォームが可能です。壁・天井のクロスの張り替えや、キッチンや浴室の交換などは、比較的自由に行えます。また、玄関ドアでも内側部分であればリフォームできることもあります。ただし、専有部分であっても、リフォームで使用できる建材は管理規約に定められたものに限られるので、事前に内容を確かめておきましょう。

間取り変更も専有部分であれば可能ですが、建物の梁や柱の位置関係などによっては、お好みの間取りに変更できない場合もあります。間取り変更を検討する際には、まず梁や柱の位置を確認すること、そして何のために変更するのかを明確にすることが必要です。生活動線の確保のためなのか、子どもの成長に応じて部屋を増やす、または減らすためなのかなど、目的を明確にすることで納得のいくリフォーム案が固まるでしょう。

また、水回りの位置は変更しない方が無難です。新築時の水回りの位置は排水管のルートが最適に設計されており、位置を動かしてしまうと詰まりの原因となることもあります。

管理組合への届け出が必要

マンションのリフォームは、管理規約によってできること、できないことが決まっているため、事前に管理組合への申請が必要です。申請せずに無許可でリフォームを行うと、規約違反で管理組合や周囲の住人とのトラブルが発生する恐れがあります。申請書の内容や提出時期はマンションによって異なるので、それらを管理組合に確認してみましょう。

近所へのあいさつ回りも必要

リフォームが決まったらご近所へのあいさつ回りをしましょう。工事の騒音や振動が迷惑になるかもしれず、トラブルにならないためにもこうした配慮は必要不可欠です。

工事日程や時間帯といった情報をあらかじめ伝えておくことで、トラブルやクレームを回避できます。マンションの場合、少なくとも上下左右の居住者には伝えておくようにしましょう。

マンションリフォーム

費用を踏まえたリフォーム業者の選び方

リフォームを成功させるポイントとなるのは、リフォーム業者選びです。

リフォーム業者を選ぶ際は、まず施工実績を基準にしてみましょう。施工実績の豊富さは、それだけ多くの人から選ばれ、かつリフォームに関するノウハウも培われている証拠といえます。加えて、希望するリフォーム箇所の事例を見てみるのもおすすめです。自分の好みを反映できそうかどうか、費用は自分の想定する予算に収まりそうかなどをチェックしてみるとよいでしょう。

三井のリフォームは、豊富な施工実績を誇る、三井不動産グループのリフォーム専業会社です。豊富な実績に基づくきめ細かな提案力で、一人ひとりのご要望やライフスタイルに合ったリフォームをお手伝いします。リフォームを検討している方はぜひ一度、三井のリフォームへお気軽にお問い合わせください。ご相談、お見積もりは無料です。

●三井のリフォームへのお問い合わせはこちら

費用を踏まえて、マンションのリフォームを検討しよう

マンションのリフォームに必要となる費用は、リフォーム内容によって大きく異なります。予算が限られている場合は、優先したい箇所を明確にして納得のいくリフォームに近づけましょう。

しかし、どうしても希望と予算が折り合わない場合は、今の家をリフォームして住むという考えにこだわらず、思い切って売却し、新しい家に買い替えるという選択肢もおすすめです。まずは、現在のマンションの査定価格を調べ、住宅ローンの残債と比較して検討してくださいね。

三井のリハウスでは、マンションの無料査定を受付中です。こちらからお気軽にお申し込みください。

●無料査定のお申し込みはこちら

●売却をご検討中の方はこちら

●住み替えの費用や費用に関する記事はこちら
住み替えの方法や費用など、戸建て・マンション別に解説

不動産鑑定士 竹内英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
https://grow-profit.net/