Column / 2021 12,03

築50年のマンションどうする?いつまで住めるかや売却するときのコツをご紹介!

築50年のマンションは、メンテナンスが必要ですが住み続けられるマンションが多いです。また、売却できる可能性も十分あります。今回は、築50年のマンションの耐久性や売却時の需要、より高く売るためにできることをご紹介します。

山本直彌

さくら事務所 マンション管理士。マンション管理士、管理業務主任者、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。マンション・ビル管理、不動産仲介、マンション管理コンサルタントなど、不動産の多岐にわたる業務に従事している。
https://www.sakurajimusyo.com/

築50年のマンションはいつまで住めるのか?

現在築50年以上になるマンションに住んでいるという人や、もうすぐ築50年になるマンションに住んでいる人で、「あとどれくらいここに住めるのだろう?」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか?

今回は、「築50年のマンションに住み続けることができるのか?」「これから売却することは可能なのか?」などの疑問に対する答えや、売却するときのコツをご紹介して行きます。

団地

物理的には住めるマンションが多い

国土交通省の研究によると、多くのマンションで見られる鉄筋コンクリートでできた建物の物理的な寿命は推定117年以上といわれています。そのため、鉄筋コンクリートでできているマンションは築50年以上たっていても住み続けられる可能性が高いです。

しかし、実際に建て替えになったマンションの平均築年数は東京都だと40年、全国だと33.4年となっています。これは、マンションの法定耐用年数が47年とされているためです。法定耐用年数とは、税務上の資産価値が0になるまでの期間を指し、建物自体の物理的な寿命を示すものではありません。そのため、物理的にはまだ住めるが、資産価値の観点から築50年を前にして建て替えに踏み切るマンションもあるということになります。

定期的なメンテナンスは必要

建物の寿命の面から見ると、築50年以上たっているマンションにこれからも住み続けることは可能です。しかし、快適に安心感を持って生活をするためには定期的なメンテナンスが必要です。たとえば、水道管やガス配管などの配管設備の寿命は25~30年といわれています。マンションによっては、長期修繕計画や修繕履歴を備えていることもあるので、これまでの修繕内容や今後の修繕計画を確認するようにしましょう。

また、耐震性の点では、築50年以上のマンションは阪神淡路大震災より前の旧耐震基準に沿って建てられている可能性が高いです。旧耐震基準を満たしていると、震度5強程度の揺れが起こっても建物は倒壊せず、破損したとしても補修することが可能ですが、それ以上の揺れについては安全性が保証されていません。

ただし、物件によっては耐震改修や耐震補強工事を行っている、あるいは新耐震基準になってから改めて耐震診断を行い、新耐震基準を満たしているという場合もあります。気になったら、マンションの管理会社や不動産会社に確認しましょう。確認の結果、耐震性を満たしていないことが発覚した場合には、住宅ローンが利用できない場合があります。その場合には、売却の際にも買い手が付きづらくなる可能性がありますので、注意しましょう。

点検をする女性

築50年のマンションでも売却できる可能性がある

マンションは築年数が古くなればなるほど資産価値は低下していくため、売却は難しくなるといわれています。新築で購入しても、住み始めるとすぐに価格は落ち始め、築20年ほどたつとようやく横ばいになります。しかし、その頃には築5年以下の物件の半分以下の価格になるのが一般的です。

また、設備が古く不便である可能性や、法定耐用年数が47年であることから住宅ローンの借入審査が通らない可能性もあります。そのため、築50年のマンションは築浅のマンションと比べると売れにくい、あるいは売れたとしても安い価格になってしまいがちという面があります。

だからといって買い手が付かないというわけではありません。むしろ、古いマンションだからこその需要もあります。ここでは、築50年のマンションが売却できる可能性がある理由についてご紹介します。

築年数別の成約率は伸びている

近年、築年数が古いマンションの成約件数は伸びています。首都圏にある築31年以上の中古マンションの成約件数は2010年では年間4828件でした。しかし、2017年には年間9000件を超え、2020年では年間9692件となっています。このことから、築年数の古い中古マンションへの需要は年々増えてきていることが分かります。

買い手へのメリットがある

築年数の古いマンションを購入することで得られるメリットもあります。以下では築50年のマンションの主な3つのメリットについてご紹介します。

不動産会社と内見にきたカップル

新築マンションよりも安い価格で購入できる
築年数の古いマンションを購入する最大のメリットは価格の安さです。特に築50年のマンションの場合、立地や間取りの条件が同等なら築浅のマンションの半分くらいの価格で購入することができます。また、資産価値の下落についてもほぼ横ばい状態になっていることから、この先大幅に価値が下落する可能性も少ないといえます。

築50年のマンションは「マンションを購入したいが、費用は抑えたい」という人に向けて、魅力的な価格で提供できる物件の1つなのです。

立地が優れている物件が多い
築50年のマンションは優れた立地に建っている物件が多くあります。なぜなら、50年ほど前から住宅購入用の融資制度が新設されたことをきっかけに、建築会社が競うように次々と好立地にマンションを建て始めたからです。駅から近く生活をするのに便利な物件も多くあります。そのため、賃貸として運用しても借り手が付きやすいです。賃貸であれば築年数をそれほど重要視せずに借りる人がいるので、物件の所有者は賃貸運用から安定した収入を得られる可能性があります。

リノベーション・リフォームがしやすい
築年数が古いマンションはリノベーションやリフォームをして「自分好みの生活空間を作っていきたい」という人にも人気です。古いマンションであれば新築の分譲マンションよりも安い価格で購入できるため、買い手からすればその分リノベーションやリフォームにお金をかけやすくなります。リノベーションやリフォームを行う際には、柱や梁の位置が重要な要素となりますので、間取り変更ができるかを不動産会社やリフォーム会社に確認するようにしましょう。

DYIを楽しむ男女

築50年のマンションをより高く売るコツ

前述のように魅力のある築50年のマンションですが、売却する際、より高く売るためにやっておくとよいことがあります。売却を検討している人にはぜひ知ってほしい4つのコツをご紹介しましょう。

ターゲットを確認する

改めて、築年数が古いマンションはどんな人に人気なのか押さえておきましょう。今所有している物件はこれらのなかでどの層に一番響くか考えてみると、売却のイメージがより鮮明になりますよ。築50年のマンションは以下のような希望を持っている人たちが買い手になる可能性が高いです。

・マンションをなるべく低価格で購入したい
・好立地のマンションを購入したい
・購入価格を抑え、自由にリノベーションしたい
・賃貸として貸し出すための物件が欲しい

たとえば、リノベーションをしたい人にとって魅力的な物件であれば、売却前にリフォームや修繕を行うと逆効果になってしまう恐れがあります。逆に、賃貸用としての需要が大きいのであれば、修繕を行ったほうが買い手が付きやすい可能性があります。より高く売却するための最適な策を考えるために、ターゲットになる人を明らかにしておくとよいでしょう。

模型を眺めるカップル

複数の不動産会社に査定を依頼する

なるべく高く売るためには、複数の不動産会社に依頼し、中古マンションの売却が得意なところを見付けるのも大切です。不動産の査定価格は不動産会社によって異なります。それは、各会社によって得意な地域・ジャンルがあるためです。特に築50年のマンションの売却経験があり、知識・ノウハウを持っている不動産会社を見付けることができれば、より高く売却できる可能性が上がります。

●不動産査定に関する記事はこちら
家の査定とは?スムーズな売却のために知っておきたい基礎知識

建て替えが終わってから売却する

もし、現在住んでいる築50年のマンションに近々建て替えや大規模改修工事の予定がある場合、それが終わってから売却するのがよいでしょう。建て替え後は新築物件として扱われるため、高値で売れる可能性が高まります。

内覧に向けてハウスクリーニングをする

本格的に売却活動をしていて、内覧の可能性が出てきたときはハウスクリーニングをしておくのがおすすめです。ハウスクリーニングを頼むと掃除の専門業者が風呂場のカビやキッチンの油汚れまできれいにしてくれます。内覧時に細部まできれいにされていると、購入希望の人も物件に対して好印象を持ちやすく、購入につながりやすくなります。

部屋の入口

売却をするときはまず不動産査定から

現在築50年のマンションに住んでいて、売却を考えているという人は、まず不動産査定から始めてみましょう。不動産査定では「いくらくらいで売却できそうか」を多くの場合は無料で不動産会社が見積もってくれます。インターネットでも簡易的な見積もりができるので、ぜひ調べてみてください。

もし、築50年のマンションを売却しようとして本格的に動いていたけれど、なかなか買い手が付かないという場合は、不動産会社に売却の「仲介」ではなく「買い取り」を依頼することも検討しましょう。仲介は不動産会社が売り手と買い手の間に入り売却までをサポートする方法です。一方、買い取りは売りたい物件を直接不動産会社に買い取ってもらう方法です。

買い取りを利用すると、不動産会社は買い取り後の利益を見越して値段を出すため、市場価格よりも安くなってしまう可能性はありますが、仲介手数料なしで早く手放すことができるというメリットもあります。ただし、不動産仲介会社へ買い取り会社を探すように依頼した場合には、仲介手数料が発生するときもあります。

いずれにしても築50年のマンションを売却する際には、その物件自体の魅力をよく理解したうえで、買い手が付くかどうかを判断し納得できる売却にするようにしましょう。

●不動産買い取りに関する記事はこちら
あなたは不動産買取に向いてる?仲介との違いや買取の流れを紹介