お金がないときに家を売る場合の注意点は?不動産の売却方法やお金の入る時期を解説!

「住宅ローンや債務が払えない」といった場合、お金を調達するために家を売る方法は、「仲介」と「買取」の2つの方法が一般的で、売却や現金化までの期間が異なります。この記事ではお金がない時にした売却方法や、不動産を売却するのにかかる諸費用などを解説していきます。

目次
  1. お金がないときに家を売る方法は2種類
  2. お金がないときに家を売る方法:仲介
  3. お金がないときに家を売る方法:買取
  4. 古い家を売るのにおすすめの方法は?
  5. 家を売る際に発生する諸費用
  6. 家の売却でやってはいけないこと
  7. お金がないときに家を売るなら不動産査定を受けよう!
記事カテゴリ 売却 マンション 一戸建て
2023.12.12

お金がないときに家を売る方法は2種類

病気やケガで収入が減ってしまったり、何らかの事情でまとまったお金が必要になったりする場合、大きな財産である家を売ることを検討する方もいるのではないでしょうか?家を売る方法には主に「仲介」と「買取」の2種類があり、所有者が現金化までのスピードを優先するのか、金額を優先するのかによって、どちらが適しているかは異なります

ただしどちらの売却方法でも、住宅ローンを借り入れている場合は、原則完済し、抵当権を抹消する必要があります。抵当権とは、住宅ローンを借りた債務者の返済が滞った際に、金融機関が担保にした不動産を売却し、優先的に弁済を受けられる権利のことです。例外として、住宅ローンが完済できない場合でも「任意売却」という方法で売却できる可能性もありますので、興味のある方は以下の記事をご覧ください。

●抵当権に関する記事はこちら
抵当権抹消手続きを自分で行う方法を4つのステップで解説!

●任意売却に関する記事はこちら
任意売却とは?住宅ローンの支払いが厳しくなったら知っておくべき基礎知識を解説

この記事では、お金を工面するために家の売却を検討している方へ向けて、売却方法や自分の状況に合った方法を選択するポイント、家を売るのにかかる税金について解説していきます。

買取か仲介かを秤にかけている様子

お金がないときに家を売る方法:仲介

仲介とは、不動産会社に仲介を依頼して一般の個人に向けて家を売る方法であり、不動産売却では最も一般的な方法です。ここでは仲介の特徴を見ていきましょう。

相場に近い価格で売却できる

仲介には、家を相場に近い価格、もしくは相場より高く売却しやすいというメリットがあります。不動産会社がノウハウを駆使して物件の広告・販売活動を行ってくれるので、よりよい条件で購入してくれる買主に出会える可能性が高いためです。このことから、できるだけ多くのお金が必要な場合に適した売却方法といえます。

ちなみに不動産売却では、家を売り出す価格となる「売り出し価格」の設定が重要です。売り出し価格を高く設定し過ぎれば買い手が見つかりにくく、反対に低く設定し過ぎても損をしかねません。不動産売却のプロである不動産会社に査定を依頼し、適切な売り出し価格を設定することで、スムーズな取引につなげられるでしょう。

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不動産仲介を依頼する様子

売却までに時間がかかる

上記のように、仲介では家を高く売却しやすい一方で、さまざまなステップを踏むため売却まで時間がかかるという特徴があります。仲介で家を売る場合の主な流れは以下の通りです。

[ 1 ] 売却の準備
[ 2 ] 査定
[ 3 ] 媒介契約の締結
[ 4 ] 売却活動
[ 5 ] 売買契約の締結
[ 6 ] 決済・引越し

このように、仲介には多くのステップがあるため、家を売却できるまで3か月前後かかるのが一般的とされます。つまり、仲介で家を現金化するには少なくとも3か月程度かかるということです。加えて、買主がなかなか見つからない場合には、さらに長引くケースもあります。

そのため、仲介はなるべく高値で家を売りたい方や、お金が必要であっても現金化を急いでいない方におすすめの売却方法です。

お金がないときに家を売る方法:買取

買取とは、不動産会社や不動産買取業者に家を買い取ってもらう方法です。以下で買取について、仲介と比較しながらご紹介していきます。

短期間で売却できる

買取は仲介に比べて早く家を売ることができます。なぜなら、一般の個人から買主を探す仲介に対して、買取条件に合意できれば、不動産会社や買取業者がすぐに買い取ってくれるためです。そのため、売主が買取価格に納得できれば、すぐに現金化できるスピード感がメリットといえるでしょう。

不動産買取を行う男性

相場よりも安くなる

買取を選択した場合、成約価格は仲介の約6~8割程度になるケースが一般的で、相場よりも成約価格が安くなる傾向があります。理由としては、不動産会社や買取業者が第三者に家を売却して利益を得るまでに、自社で買い取った家の維持費やリフォームといった修繕費を負担しなくてはならないためです。

そのため、買取は売却の期限が決まっている方や、一刻も早く家を現金化したい方におすすめの売却方法といえます。

ちなみに住宅ローンを借り入れている場合、仲介でも買取でも売却代金でローンを完済する必要があります。ローン残債がある方は、買取を選ぶと手元に残る現金が減りやすい点にも注意しましょう。

●不動産買取に関する記事はこちら
不動産買取とは?仲介との違いや基礎知識をメリット・注意点と併せて解説!

古い家を売るのにおすすめの方法は?

資金調達のために売却を検討している家が古い場合、「家が売れるか心配…」と、不安に思っている方もいるのではないでしょうか?たしかに、築年数が経つほど建物の価値は減少します。ただし不動産流通機構によれば、2023年7~9月期の首都圏における中古物件の成約件数のうち、築31年以上の一戸建・マンションの割合はそれぞれ約27%・約33%となっており、大きな割合を占めることが分かります。※1

従って、築年数が経った古い家でも、仲介や買取によって売却できる可能性は十分にあるといえます。加えて、好立地であったり、人気が上昇しているエリアの家であれば好条件で売ることも可能です。現金化のスピードを優先するなら買取、売却額を優先するなら仲介といったように、ご自身の状況に応じた売却方法を選ぶとよいでしょう。

「自分の物件に合った売却方法が分からない」という方は、不動産会社に相談してみましょう。自分にとって最適な売却方法を教えてくれるほか、ハウスクリーニングや修繕をするべきかどうかといった家の価値を高めるためのアドバイスもしてもらえます。

三井のリハウスでも、家を売りたい皆さまに寄り添った相談窓口をご用意していますので、お気軽にお問い合わせくださいね。

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築年数が経った古い家

家を売る際に発生する諸費用

家を売るとまとまった金額を得ることができますが、成約価格の全額が手元に残るわけではありません。諸費用を把握しておくことで、売却後の資金計画の見通しを立てやすくなりますよ。以下で成約価格から引かれる税金や手数料といった諸費用を見ていきましょう。

税金

家を売る場合にかかる税金は以下の通りです。

・印紙税
・登録免許税
・仲介手数料にかかる消費税
・譲渡所得にかかる所得税・住民税

印紙税や仲介手数料にかかる消費税は、売却した家の価格によって金額が異なります。また、登録免許税は、登記を司法書士に依頼した場合、報酬や書類の取得といった実費とともに、登録費用として請求される場合が多いでしょう。譲渡所得にかかる所得税や住民税は、家を売った際に得た資金から、家を売る際にかかった費用や取得費などを控除してプラスになると、利益があると判断され課税されます。

家は金額が大きいため、譲渡所得にかかる税金の額も大きくなりやすいといえます。しかし確定申告を行い、住居に適用される特例を利用できれば、税金を抑えられる場合があるため、調べてみることがおすすめです。

譲渡所得にかかる税金は、以下のページでシミュレーションできるほか、その他の税金についても詳しく解説しています。かかる税金をしっかりと把握し、売却後の資金計画に生かしましょう!

●譲渡所得税のシミュレーションはこちらから

●不動産売却にかかる税金に関する記事はこちら
不動産売却にかかる税金にはどんなものがある?計算方法と節税対策について解説

家の売却にかかる税金を計算する様子

家の売却でやってはいけないこと

お金の用意に焦っていても、やってはいけない失敗は「事前準備を怠ること」です。具体的には以下のようなものが挙げられます。

・売却相場を調べない
・自分に合った売却方法を選ばない
・住宅ローンの残債を確認しない
・売却計画を立てない

上記のようなことをしてしまうと、相場より安く売ってしまったり、住宅ローンの返済負担が大きくなってしまったりといった失敗を引き起こす場合もあります。焦らず着実に売却前の準備を行うことで、速さと価格の両方で納得がいくような取引に近づけましょう。

不動産査定

お金がないときに家を売るなら不動産査定を受けよう!

ここまで、家の売却方法や家を売るのにかかる税金などについてご紹介しました。先ほども述べた通り、仲介と買取には異なる特徴があるため、売却の目的、売却の期限、売却金額など、さまざまな要素を考慮して検討するとよいでしょう。

不動産の売却には、これらのほかにも「リースバック」や「リバースモーゲージ」などの選択肢があります。

リースバックは不動産会社に家を売り、その不動産会社と賃貸契約を結ぶことで自宅に住み続けられるサービスで、リバースモーゲージは自宅を担保としてお金を借り入れ、契約者が死亡したら家を売却して借り入れたお金を返済するというものです。これらも参考に、自分の状況に合う売却方法を見つけてくださいね。

●リースバックに関する記事はこちら
住まいのリースバックとは?メリットやよくあるトラブルへの対策を解説

家を売ると決まったら、まずは不動産会社に査定を依頼しましょう。手軽に査定額が分かるほか、家の売却相場を知ることも可能です。

三井のリハウスでは、手軽に受けられる「AI査定」と「簡易査定」、精度の高い結果が期待できる「訪問査定」を受け付けているほか、エリアや駅ごとの相場の目安を検索することも可能です。お気軽にご利用くださいね。

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※1:季報 Market Watch サマリーレポート 2023 年 7~9 月期,東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/
(最終確認:2023/10/27)

監修者:ファイナンシャル・プランナー 大石泉