ガイドとめぐるジモト旅 Part.1
おしゃれな新店もディープな老舗店も集結!「大井町」の魅力を体感

品川区のほぼ中央に位置しながら、風情ある街並みが残る大井町。レトロな立ち飲み屋が軒を連ね、ディープな雰囲気が呑兵衛を中心に親しまれている。一方で駅周辺には大型商業施設が並び、利便性と住みやすさで地元民から愛される街でもあります。そんな新旧の文化が緩やかに融合する大井町には、まだまだ知られていない魅力がいっぱい。そこで、大井町に詳しい「品川経済新聞」編集長の宮脇淳さんをガイドに迎え、モデルの村上奈菜さんとともにさまざまな大井町の飲食店をめぐり、その魅力を体感していただきました。

記事カテゴリ 首都圏 東京23区
2018.03.06 /Part.1

逸品の肉料理が驚きの価格で味わえる! せんべろの聖地『肉のまえかわ』

Chapter.04

prof_img2宮脇さん
結局、デカ盛りを始めた理由は何だったんでしょうね……(笑)? ところで村上さん、昔「品川縣(県)」があったのをご存じですか?
prof_img1村上さん
品川縣? 聞いたことがないです。
prof_img2宮脇さん
品川縣は、現在の神奈川県の一部から多摩の方までの広いエリアを誇る県で、品川区もその一部だったんです。明治2年にできたものの、廃藩置県によって3年足らずで廃止となりましたけどね。ただ、当時では珍しいビール造りを手掛けていて、その製造所が大井町にあったんです。
prof_img1村上さん
知りませんでした! 大井町に飲み屋が多いのもその名残なのでしょうか?
prof_img2宮脇さん
それはどうかわかりませんが(笑)、大井町は「1,000円でべろべろに酔える」という”せんべろ”の街としても有名です。とくにここ『肉のまえかわ』は、”せんべろの聖地”とも言われているんですよ。

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先ほどの『ブルドック』から徒歩10秒ほどにある立ち飲み店『肉のまえかわ』。ショーウィンドウをよく見ると、揚げ物や牛のタタキといった商品がズラリ。テイクアウトも可能ですが、店先で飲みながら楽しむことができます。

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prof_img1村上さん
私、立ち飲み屋さんって初めてなんです!
prof_img2宮脇さん
それは楽しみですね。

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prof_img1村上さん
どれもおいしそう! では早速、私は「角ハイボール(360円)」と「サラダ(100円)」、「カレーコロッケ(80円)」と「ポテトコロッケ(80円)」をください!
prof_img2宮脇さん
ぼくは「金麦(生)(260円)」と「和牛ランプ牛タタキ(650円)」。あ、あと、「ササミ(250円)」もお願いします!

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prof_img5店長
はい、じゃあ620円と1,160円ね。
prof_img1村上さん
本当に1,000円でべろべろになれそうな安さ(笑)。でも、ひとりで来ていたら仕組みがわからなくて戸惑ってしまっていたかも。
prof_img5店長
大丈夫。初めてのお客さんには、常連さんたちがシステムを教えてくれますから。
prof_img2宮脇さん
居合わせた人たちと自然に仲良くなれるのが立ち飲みのいいところですね。

そして、さりげなく隣客に声をかける宮脇さん。すると、まるで旧知の仲のように気さくな返事が返ってきます。

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お客さん1
その通り! 一期一会の交流も楽しみのひとつ。大井町は立ち飲み屋が多いから、酒の楽しみ方も広がりますよ!
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お客さん2
僕は彼に連れられてはじめて大井町で飲んでいるのですが、街並みも雰囲気も味も価格も、どれをとっても最高です!

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店主や居合わせた人たちとの会話を楽しんだ宮脇さんと村上さん。初対面とは思えないほど、すっかり意気投合したようです。

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prof_img1村上さん
立ち飲みやひとり飲みは抵抗がありましたが、なんだか落ち着くし、たしかに楽しいです! それに、価格も信じられないくらい安くて、どれもおいしくて感激でした。
prof_img2宮脇さん
ササミも鮮度が高く、プリッとした歯ごたえがたまりませんね。和牛ランプ牛タタキも、すごく繊細であとを引く旨さです。
prof_img5店長
元々は肉屋だったんですよ。今もそのルートで仕入れた肉を使っているから、肉の質や鮮度は高いですよ。
prof_img2宮脇さん
どおりで。でも、なぜ肉屋から立ち飲み屋に?
prof_img5店長
肉屋の店先で持ち帰りのコロッケや焼き鳥を始めたら、酒屋で買ってきた缶ビール片手に、その場で食べるお客さんが結構いてね。「ビールも置いてよ」っていうから置くようにしたらもっとお客さんが増えちゃって。通行人の邪魔になるから、店の一角に立ち飲みスペースを設けたのが始まりです。でも、どんどん増えていって、立ち飲みスペースを3回くらい広げたよ。

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prof_img1村上さん
お客様のニーズに合わせてお店を変えていくなんて、ステキですね。創業はどれくらい前なんですか?
prof_img5店長
肉屋をはじめたのはもっと昔だけれど、店を会社にしたのは68年前。立ち飲みスペースを設けてからは、20年くらいかな。
prof_img1村上さん
68年! それだけの間、大井町という場所で店を開いて、街の移り変わりなど何か感じることはありますか?
prof_img5店長
最近は、若い女性がひとりで来る姿を見かけることも多くなったのが一番の驚きかな(笑)。立ち飲みスペースを設けた当時は、この辺りで立ち飲み屋はウチだけだったんですよ。近所には商店も多かったけど、オーナーが高齢になって亡くなったり、スーパーなんかに客を取られたりして、どんどんなくなっていってしまってね。それはちょっとさみしく思います。僕も60歳になったら店を閉めようと思っていたのだけれど、なかなかそうはいかなかったね。
prof_img2宮脇さん
お客さんが許さないでしょう(笑)。
prof_img5店長
そうだね(笑)。それに、お客さんとのやりとりや、お客さん同士のようすを見ていると楽しくて。そこにこの街ならではの魅力を感じるし、これからもマイペースにやっていこうと思っていますよ。

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prof_img2宮脇さん
実際に大井町のお店に行ってみていかがでしたか?
prof_img1村上さん
来る前はサラリーマンの街といったイメージが強かったのですが、親しみやすく、同世代の女性でも楽しめて、安心して暮らせる環境だと知りました! 初めての立ち飲みも楽しかったし、改めて『肉のまえかわ』さんでひとり飲みデビューしてみようと思います(笑)。
prof_img2宮脇さん
それはぜひ。どの店もサービス精神にあふれていて、地元を大切に思う気持ちが伝わってきましたよね。客との距離の近さから、地元民に愛されていることもひしひしと感じました。今日は3店舗しか紹介できませんでしたが、魅力的な店はまだまだたくさんあります。また遊びに来てみてくださいね!
prof_img1村上さん
はい、絶対来ます! 今日はありがとうございました!

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まだまだある!本日紹介しきれなかった大井町のおすすめ店

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