Column / 2018 10,12 /Part.3

ガイドとめぐるジモト旅 Part.3 新旧の魅力が融合した街「武蔵小杉」

この十数年で、工業地帯からタワーマンションの立ち並ぶニュータウンへと変貌を遂げた「武蔵小杉」。駅周辺にはショッピングモールが充実しており、東急東横線・目黒線、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ラインの5路線が乗り入れる利便性の良さも相まって注目のエリアです。
洗練された街のイメージが強い武蔵小杉ですが、一歩奥へ入ると再開発前の面影を残す街並みも健在。ぬくもりを感じる商店や路地裏の隠れ家風レストランなども点在しているので、思いがけないお気に入りの店が見つかることも。
そんな武蔵小杉の魅力を体感しにいくのは、ジモト旅のレポーターを務めるモデルの村上奈菜さん。武蔵小杉のまちづくりに取り組んでいる「NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント」の広報グループでデザインを担当している本平基さんをガイドに迎え、 武蔵小杉の街に出かけました。

  • 村上奈菜さん

    福岡県出身のモデル。大学進学を機に上京し、現在はCMや広告のモデルを中心に活動中。

  • 本平基さん

    NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメントの制作物デザインやイベント企画等を担当している。株式会社fawn代表。

村上さん
武蔵小杉にはよくショッピングに来るんです。いつも決まったお店ばかり巡ってしまうので、今日は新規開拓できるのを楽しみに来ました!
本平さん
武蔵小杉は、新しさと昔ながらの場所が共存する素敵な街です。駅周辺以外にも魅力的なお店がたくさんあるんですよ。
村上さん
それは期待しちゃいます! ところで、「NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント」とは、どのような団体なのですか?
本平さん
地域住民や市民活動団体、行政や企業などと連携を図りながら、まちづくりを推進していく団体です。再開発によって武蔵小杉にはタワーマンションが増えましたが、タワーマンションは1棟あたりの住民数が多く、マンションごとに組織化されています。そのため、町内会とのつながりが薄くなってしまいがちなんです。そこで、イベントや子育て支援、地域清掃などを通じて、新旧住民の交流を手助けしているんです。ようは、ハブのような存在ですね。
村上さん
素敵な取り組みですね。イベントはどのようなものがあるのですか?
本平さん
春はオープンカフェ、夏は盆踊り、秋は10万人以上が来場するコスギフェスタ、冬は商店街主催の餅つき大会など、もりだくさんですよ。
村上さん
1年中イベントだらけで楽しそう! 子どもたちも喜びそうですね。

再開発以前は工業都市だった武蔵小杉。工場に勤める人たちで活気に満ちていた時代もあったのだとか。工場の撤退などで一時は人口が減ったものの、再開発でこれまで以上のにぎわいを取り戻した現在は、古くからのお店にも客足が増え、駅周辺や交通機関の利便性も向上するなどして、「旧来の住民からも再開発にポジティブな声が聞かれますよ」と本平さん。それもきっと、新旧住民をつなぐ活動の賜物なのかもしれません。

 

◆武蔵小杉の人情が生んだ『おやつ研究所』

本平さんたちの活動から武蔵小杉の歴史を振り返っていた2人が最初に向かったのは、2016年にオープンした『おやつ研究所』。一体どんなお店なのでしょうか?

本平さん
ここは、武蔵小杉の中でも比較的新しいお店です。看板メニューのスコーンは、各地から買いに訪れるほど絶品なんですよ。
村上さん
駅から少し離れた住宅街にあるのも、隠れた名店っぽくて素敵です。店名から工場のようなところを想像していたけど、カフェなんですね。店内もすごくおしゃれです。

ここからは店主の大谷佳子さんを交えて、お話を伺うことに。

本平さん
『おやつ研究所』というのは、なかなか変わった店名ですよね。由来はなんだったのでしょうか?

大谷さん
昔からお菓子作りが好きで、いろいろ食べ歩いて研究してはその味を再現していたんです。それで、いつか自分のお店を持てたら『おやつ研究所』にしようと決めていたんです。
村上さん
食べただけで再現できるなんてすごいですね。一番人気の商品はなんですか?
大谷さん
一番人気は、北海道産チーズに数種類のヨーグルトや生クリームなどを合わせた「ベイクドレアチーズ」(350円・税込)です。蒸し焼きにすることでとろけるような舌触りに仕上げています。あとは、「全粒粉のスコーン」(350円・税込)。石臼で挽いた粒子の細かい粉を使用しているので、食感はザクッとしているのに口どけはまろやかなんですよ。季節の食材などを取り入れているので、時期によっていろいろなバリエーションが楽しめます。
村上さん
どれもすごくこだわっているんですね。
大谷さん
武蔵小杉は小さなお子さまも多いので、安心して口にできるものを提供したいと思いまして。発酵バターや国産小麦、きび砂糖など、使用する材料には特に気を使っています。
村上さん
それにしても、なぜ武蔵小杉にお店を出そうと思われたんですか?

大谷さん
そもそもは奈良県明日香村の日本料理屋で15年ほどパティシエをしていたのですが、都内の和菓子店から商品開発に協力してほしいと声がかかって上京しました。そして、そのとき住んだのが武蔵小杉だったんです。田舎から出てきた私に近所の人がとても親切にしてくれたことから、「いつか自分のお店を出すならこの街に」と思っていました。
村上さん
人情味を感じるエピソードですね。
大谷さん
関東の人は冷たいと聞いていたので驚いた反面、すごくうれしかったのを覚えています。お店をオープンしてからも、近所の人が常に気にかけてくださるし。SNSに疎い私を見かねてお店のアカウントを設定してくれたり、体調が悪いときにおかゆや豚汁を届けてくれるお客様もいたりして、本当に温かい街だと感じています。

お話を伺いながらいただいたのは、「Coffee(HOT)」(580円・税込)。メニューとの相性を考えて調合されたオリジナルブレンドです。

実は、奈良の日本料理屋で働いていたときに使用していたコーヒー豆を取り寄せているそう。武蔵小杉の住民の方々から愛されているお店は、昔からの縁も大事にしているようです。

『おやつ研究所』 住所/神奈川県川崎市中原区今井西町15-23 グランドール2 1F
電話番号/044-387-7803
営業時間/[水・木]11:30~18:30(売り切れ次第終了)
[土]11:00~18:30(売り切れ次第終了)
[日・祝] 11:00~17:30(売り切れ次第終了)
定休日/月・火・金、その他不定休あり