実家じまいとは?具体的な手順や方法、かかる費用をまとめて解説

実家じまいとは、親が住んでいた家を整理・処分する一連のプロセスのことです。相続や不動産売却を伴うことが多く、家族でしっかり話し合い、専門家の力を借りて進めることが重要です。この記事では実家じまいの具体的な手順や方法、かかる費用について解説します。

目次
  1. 実家じまいとは
  2. 実家じまいの具体的な手順
  3. 実家じまいの3つの方法
  4. 実家じまいにかかる費用
  5. 実家じまいを放置したときのリスク
  6. よくある質問
  7. 【体験談あり】実家じまいの相談は三井のリハウスへ
記事カテゴリ 売却 費用 土地
2026.04.28

実家じまいとは

実家じまいとは、子どもや孫が、親や祖父母の家を整理して処分する一連の活動のことを指します。実家の家財の片付けだけではなく、相続や不動産売却など、全ての作業を総称しています。家族で共に過ごした思い出や歴史とも向き合うため、寂しいと感じる人も少なくありません。

注目されている背景

実家じまいが注目されている背景には、高齢化の進行によって親世代の死亡者数が増え、実家が空き家になるケースが増加していることにあります。これに伴い、相続後に登記がされないまま放置される不動産が増え、所有者不明の土地の増加が社会問題とされています。この問題への対策として、2024年4月から相続登記が義務化されました。具体的には、相続によって不動産を取得した相続人は、所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。なお、2024年4月1日以前に相続し、未登記の不動産も対象です。正当な理由なく、相続登記を怠ると、10万円以下の過料(ペナルティ)の対象となります。

●相続登記についてはこちら

さらに、空き家についても国による厳しい管理が行われています。たとえば、「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定され、勧告を受けると固定資産税の軽減措置が受けられなくなることがあります。

●空き家の税金についてはこちら

実家じまいを始めた人

検討するタイミング

実家じまいが検討されやすいのは、主に次のようなタイミングです。

・親が亡くなって相続が発生した
・親が施設に入居した
・実家を管理する経済的・精神的負担が大きくなった

実家じまいには、親の存命中に行う生前整理と、親の死後に行う遺品整理があります。生前整理は親の意思を確認できる一方で、親子関係が悪化することもあるため、慎重に進めることがポイントです。遺品整理は子どもだけで計画を立てられますが、相続手続きと並行して進めなければならない点には留意しましょう。

実家じまいの具体的な手順

実家じまいを進めるときは、いきなり片付けを始めないことが重要です。まずは、家族でしっかり話し合いをして、状況に応じて適切な専門家へ相談しましょう。この段階を踏んでから片付けを行うという順番を守ることが、実家じまいをスムーズに進めるためのポイントです。

実家じまいの具体的な流れは、以下の通りです。

1.家族で話し合う
2.専門家へ相談する
3.家を片付ける
4.実家を処分する

ここからは基本的な進め方や、それぞれのステップで行うことについてご紹介します。

家族で話し合う

実家じまいで最も大切なプロセスは、家族での話し合いです。親がいるうちは、親の意思を尊重して決めていきましょう。親がいない場合は、相続人全員が集まって話すことをおすすめします。なぜなら、相続人が1人でも欠けた状態での話し合いや、作成された遺産分割協議書は無効となるためです。

実家は「家族全員の家」であることを念頭に置きながら、丁寧なコミュニケーションを取ることが大切です。主に次のような内容を、納得できるまで話し合って決めましょう。

・親が健在の場合は、今後の居住形態(同居、高齢者施設への入居など)
・相続人になる人
・実家の処分方法(売却、解体、賃貸など)
・費用の負担割合
・手続きを進めるための役割分担

話し合いで決定した内容を書面に残しておくことで、「いった・いわなかった」のトラブルを防げます。強引に進めてしまうと家族の関係性が悪化する恐れもあるため、焦らずじっくりと対話を重ねましょう。

専門家へ相談する

家族での話し合いがまとまったら、次に専門家へ相談します。実家じまいは、各分野の専門家と協力して進めることがポイントです。

主な相談先は、相続なら司法書士、不動産なら不動産会社、家財の片付けなら不用品回収業者などです。家を解体するのであれば、解体業者にも連絡を入れましょう。相談するときは複数の業者に依頼して、見積もりを取り、比較・検討することをおすすめします。

三井のリハウスでも、実家じまいに伴う不動産のご相談を承っています。まずは、無料査定からお気軽にご相談ください。

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実家じまいの相談を受ける専門家

家を片付ける

実家じまいで、時間と労力がかかるのは家財の片付けでしょう。家の中にある全てのものを「残す」「売る・譲る」「捨てる」に分けていきます。思い出の品は、家族で相談しながら慎重に進めていきましょう。状況によっては、最初から不用品回収業者や遺品(生前)整理業者などに依頼をして、効率的に進めていくことも1つの方法です。

家を片付ける際、扱いに気を付けたいのは、仏壇や神棚と各種重要書類です。仏壇や神棚にはさまざまな考え方があり、ただのものとして処分するのは抵抗がある方も多いでしょう。その場合は、お寺や神社に連絡して処分方法を相談することをおすすめします。不動産の権利証や預金通帳などの重要書類は、紛失しないように1か所にまとめて管理しておきましょう。

実家を処分する

家の片付けの目途が立ったら、「家族で話し合う」で決めた方針に則り、実家を処分するための手続きを進めましょう。実家の主な処分方法には、建物付きのまま売却、解体して更地を売却、賃貸に出すという3つがあります。次の章で詳しく説明します。

実家じまいの3つの方法

実家じまいの方法には、大きく分けて売却、解体、賃貸の3つがあります。売却を検討する場合は、仲介と買取のどちらで売るか、建物を残すか壊すかなどを決める必要があります。それぞれのメリットと注意点を比較・検討したうえで、自身の状況に合う方法を選びましょう。

実家じまいの3つの方法

実家じまいの方法メリット注意点
仲介で売却する相場での売却が期待できる売却活動には3か月~6か月程度かかり、長引く可能性もある
買取で売却するスピーディーに売却できる成約価格は仲介を利用した場合の約6割~8割程度になる
解体して更地を売却する土地の利用目的の幅が広がるため、買い手が見つかりやすい売れない期間が長引くと税金の負担が大きくなる
賃貸に出す実家の所有権を残しながら、家賃収入が得られる入居者募集や管理に手間がかかる

仲介で売却する

実家じまいの選択肢として、まず不動産会社による仲介を検討してみましょう。相場での売却が期待できるため、まとまった額の現金になりやすく、相続人同士で持ち分に応じて分けやすい方法です。さらに、固定資産税や実家を管理する手間など、全ての負担から完全に解放されるというメリットもあります。ただし、仲介での売却活動は3か月~6か月程度かかり、物件の条件によってはそれ以上に長引く可能性があることに気を付けましょう。

売却するかどうか迷っている段階でも、不動産会社の査定は無料なので気軽に依頼できます。査定方法にはAI査定、簡易査定、訪問査定があり、精度の高い査定を受けたいなら訪問査定がおすすめです。三井のリハウスでも無料査定を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

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買取で売却する

事故や事件などの「心理的瑕疵」がある、または、エリアの居住ニーズが低いなどの理由で仲介による売却が難しい場合は、不動産買取業者による買取という方法もあります。買取は個人ではなく業者に売るため、2週間から1.5か月程度で売却活動が完了することもあります。

ただし、買取での成約価格は、仲介の約6割~8割程度になることが一般的です。これは、買取業者が物件を再販するにあたり、リフォーム・修繕費や再販の利益分を差し引くためです。

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実家じまいをしている家

解体して更地を売却する

建物の老朽化が激しく、資産価値が見込めないときは、解体して更地にした土地を売却する方法もあります。建物がない状態であれば、土地活用の選択肢が増えて、買い手が見つかりやすくなることも考えられます。ただし、更地には住宅用地の特例が適用されないため、売却活動が長引くと固定資産税や、地域によっては都市計画税の負担が増えることを覚えておきましょう。

賃貸に出す

実家じまいとはいえ、家そのものを残しておきたい場合は、賃貸に出す方法があります。実家の所有権を残しつつ、家賃収入を得られることがメリットです。しかし、家の管理は引き続き必要で、リフォームをしなければ入居者が見つからない可能性もあります。さらに、常に空室リスクが伴う点も覚えておきましょう。空室期間が長引けば家賃収入が得られないばかりか、リフォーム費用の回収が難しくなることもあります。そのため、賃貸に出すにあたっても不動産会社への相談はしたほうがよいでしょう。

●実家を貸すことについてはこちら

実家じまいにかかる費用

実家じまいには、家の広さや家財の状況に応じてさまざまな費用がかかります。主なものは、不動産売却や不用品の処分にかかる費用、建物の解体費用などです。公的な補助金や制度も上手に活用しましょう。

不動産売却にかかる費用

不動産売却にかかる主な費用は、仲介手数料と税金です。

費用詳細
仲介手数料売買契約が成立したときに不動産会社に支払う報酬
印紙税売買契約書をはじめとした文書に課税される税金
抵当権抹消登記費用住宅ローンの完済後、抵当権を抹消するときにかかる費用
譲渡所得にかかる税金不動産を売却して譲渡所得(利益)が出たとき、譲渡所得にかかる所得税と住民税のこと

●不動産売却の費用についてはこちら

仲介手数料には宅地建物取引業法で定められた上限があります。ただし、物件価格が800万円以下の「低廉な空家等」は特例の適用が可能で、不動産会社と依頼者の間で媒介契約時に合意が得られた場合に仲介手数料の上限が「30万円+消費税」に引き上げられます。これは不動産会社の業務負担を減らし、空き家問題の解消を促すための取り組みです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

●仲介手数料についてはこちら

不用品の処分にかかる費用

片付けを自分で行うか、あるいは、最初から不用品回収業者に依頼するかによって費用は大きく変わります。自分で行えば費用は抑えられ、主な出費は自治体の粗大ごみの処理手数料やごみ袋代などに納まるでしょう。業者に全て依頼する場合は、一戸建てで数十万円になることもあるため、見積もりを取って、サービス内容を比較・検討することをおすすめします。

実家じまいで思い出に浸る人

建物の解体費用

解体にかかる費用は、建物の構造や坪数、前面道路の幅などによって異なります。

建物の構造20坪程度の場合
木造60万円~100万円
鉄骨造80万円~140万円
鉄筋コンクリート造(RC造)100万円~160万円

ほかにも、廃棄物処理費用や整地費用などがかかることがあります。詳しい金額は見積もりを取って確認してください。

●解体費用についてはこちら

活用できる補助金や制度

実家じまいをするときは、国の補助金や制度を上手に活用しましょう。自治体によって名称や条件が異なるため、実家がある自治体で詳細を確認してください。

たとえば、倒壊の危険がある住宅の解体費用を一部補助する補助金は、多くの自治体で導入されています。ほかにも、自治体によっては空き家バンクに登録してマッチングが成立すると、リフォーム費用の一部を補助してもらえる制度があります。

実家じまいを放置したときのリスク

実家じまいはやることが多いうえ、気持ちの整理がつきにくいため、つい先延ばしにしてしまうこともあるでしょう。しかし、実家じまいを放置すると、経済的な負担が増えたり、近隣トラブルに発展したりというマイナスの影響が大きいものです。生じ得るリスクについて、1つ1つ解説します。

相続手続きの期限が過ぎてしまう

親が逝去した場合は、相続人の確定と相続登記、遺産分割協議などが必要です。特に、相続には期限が決められており、相続放棄は相続開始から3か月以内、相続税の申告・納付は被相続人が死亡したことを知った日から10か月以内というルールがあります。

売却して得たお金を相続税に充てたい場合は、期限内に進めなければなりません。延納制度もありますが、期限までに税務署に申請して許可を得る必要があるため、不動産を相続するときは迅速な手続きが重要です。

経済的な負担が増える

不動産を所有していると誰も住んでいなくても維持費がかかり続け、経済的な負担が増えていきます。その内訳は固定資産税、火災保険料、電気・ガス・水道などの光熱費、修繕費などです。これらに加えて、実家が遠方にある場合は交通費も発生します。

管理状態が悪い空き家の場合、固定資産税の軽減措置から外れるリスクもあります。かかるコストと管理の手間を総合的に考慮して、実家を手放すかどうか早めに判断しましょう。

資産価値が低下する

定期的な換気や清掃を怠ると、建物は老朽化して資産価値が低下します。たとえば、湿気やカビによる木材の腐食や設備の劣化をはじめ、きちんと管理されていないと不法投棄や害虫の温床となって近隣トラブルに発展する恐れもあります。建物付きのままの売却を検討しているのであれば、状態が悪くなる前に手続きを進めることが望ましいでしょう。

放置した実家の扱いに悩む人

よくある質問

ここからは実家じまいに関するよくある質問をご紹介します。

実家じまいは何から始めればいいですか?

実家じまいをするには、家族との話し合いから始めましょう。誰が相続人になるのか、実家の処分方法は売却・解体・賃貸のどれにするのか、実家じまいにかかる費用をどのような割合で負担するかなどについて、納得できるまで話し合いましょう。

実家じまいの相談はどこにしたらいいですか?

実家の処分方法として、売却や買取、賃貸などのいずれかを考えているのであれば不動産会社に相談するとよいでしょう。空き家の場合は、自治体の空き家バンクや相談窓口を利用することも選択肢の1つです。実家を解体する場合は、解体業者にも相談します。

そのほかの相談先としては、相続登記や名義変更については司法書士、家財の片付けについては不用品回収業者です。最初に不動産会社に相談していれば、司法書士や各種業者を紹介してもらえることもあるため、何から対応したらよいか分からない方は不動産会社への相談がおすすめです。

実家じまいでやってはいけないことは何ですか?

実家じまいでやってはいけないことは、家族間で何も話さずに放置することです。相続登記は義務化されているため、放置するとペナルティの対象になるほか、権利関係が複雑になる恐れがあります。放置する年月が増えるほど、特定空家等や管理不全空家になるリスクが高まり、税金や維持費の負担も増える懸念があります。

実家の片付け

【体験談あり】実家じまいの相談は三井のリハウスへ

ここまで実家じまいの手順や方法、費用などについて詳しく解説してきました。実家じまいにはまとまったお金や時間がかかるため、負担に感じる方がいるかもしれません。大変だからこそ、1人で抱えず、専門家に頼り、丁寧に手続きを進めていきましょう。

ここからは、三井のリハウスで実際に査定をし、不動産売却をした方の体験談や口コミを一部抜粋してご紹介します。

【体験談の集計概要】
三井のリハウスが独自に集計した体験談を掲載しています。
募集期間:2024年3月1日~2024年3月31日
対象者:三井のリハウスで不動産売買をしたことがある方
回答人数:14,281人
調査方法:Webでのアンケート

【50代で実家の売却に成功した方の体験談】
誰も住まなくなった実家の売却をお願いしました。この家は当時、三井のリハウスで購入したものでしたが、築40年程たっており売却は難航するものと覚悟しておりました。案の定、最初のうちは数件の問い合わせがありましたが、契約までには至らず1年が過ぎました。この時点で、もういっそのこと家を解体して土地で売ったほうがよいかとも思い始めました。そもそも当物件は新建築基準法では建ぺい率違反となっており、再建築時は同等の広さの家は建てられないのです。

このような感じで悩んでいたところ、同じ市内に住む方から購入の連絡がありました。この方は非常に購入意欲が旺盛で、聞くところによると子どもが同じ学区に通学しており、転校はしたくないので近くの物件を探していたとのことでした。その後とんとん拍子で話が進み、無事売却できました。これも担当の方が諦めず動いてくださったおかげです。誰も住まない、いわゆる空き家は、庭には雑草が生い茂り家の中もカビ臭くなり、あっという間に劣化してしまいます。この状態で放置しているのも非常に心苦しい心境でした。

実家じまいをご検討中の方は、取扱実績100万件以上の三井のリハウスにおまかせください。まずは無料査定から、ご相談をお待ちしております。

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監修者:三上隆太郎

株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/