Column / 2020 10,15

売却にかかる仲介手数料はいくら?自分で分かる計算方法も

仲介手数料は不動産売買を仲介する不動産会社に支払うもの。売却価格によっては高額になることもあり、不安に感じる人もいるでしょう。マンション売却にかかる仲介手数料にはいくらかかるのか、計算方法ついてご紹介します。

宮原裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ 所長。税理士。日本のみならず、東南アジアも含めた不動産にかかわる会計・税務に精通している。法人や個人向けの節税セミナーなども行っている。
https://www.miyatax.com/

仲介手数料への不安…解消するには?

マンション売却にかかる手数料の1つに「仲介手数料」があります。これは不動産売買を仲介する不動産会社に支払うものですが、「高額にならないか心配」「支払えるかな…」と不安になりますよね。
今回は、マンション売却にかかる仲介手数料の費用や計算式などについてお伝えします。

そこで今回は、そんな売主の不安を解消すべく、マンション売却にかかる仲介手数料についてご紹介します!仲介手数料について、よくある疑問にもお応えしますので、ぜひチェックしてくださいね。

パソコンを前に考える女性

そもそも、仲介手数料とは?

まずは、仲介手数料の基礎知識をご紹介します。

営業マンに相談する中年夫婦

不動産会社に成功報酬として支払うもの

マンション売却の際には、不動産会社に成功報酬として仲介手数料を支払う必要がありますが、仲介手数料の支払いが発生するのは、売買契約が成立したときのみです。

仲介手数料は、マンション売買を成立させるための経費になります。物件情報サイトに物件を掲載したり、新聞やウェブサイトに広告を出してくれたりしますよ。

新築や中古による金額の違いはない

仲介手数料を設定するのに、中古マンションなのか、新築戸建てなのか、という点は関係ありません。新築・中古といった状態や、戸建て・マンションといった種類によって決められるものではなく、仲介手数料の金額は、売却価格によって計算されます。

支払いは売買が成立したとき

仲介手数料は成功報酬なので、売買契約が成立したときに支払います。支払いのタイミングは、売買契約時と物件の引渡し時の2回に分けられ、半金ずつ支払うことが一般的です。

ただし、不動産会社によっては、物件の引渡し時に仲介手数料を全額支払う場合もあり、必ずしも上記のタイミングとは限りません。トラブルを防ぐためにも、支払うタイミングは事前に確認するのがおすすめですよ。

仲介手数料の仕組み|金額はこう決まる

仲介手数料で一番気になるのは、やっぱり金額ですよね。事前に仲介手数料の目安が分かれば「すごく高くなったらどうしよう」「住宅を売ることで損しないかな?」といった心配も軽減しそうです。
ここでは、仲介手数料の仕組みや、目安となる計算方法を知って、不安を払拭しましょう。

電卓と家の模型

仲介手数料の上限額は法律によって決められている

仲介手数料は、宅地建物取引業法による上限額が定められています。つまり、不動産会社は、この上限額を越える仲介手数料の請求はできないのです。仲介手数料の具体的な金額設定は業者によって異なりますが、上限額は計算式で求めることができますよ。この計算式を「速算式」といいます。

まず、速算式で仲介手数料の上限額を計算するには、物件の売却価格を確認しておく必要があります。無料査定や簡易査定などを利用し、だいたいの金額を把握しておきましょう。
また、速算式は3つあり、売却金額が200万円以下であれば5%を掛け、それ以上であれば4%、3%と、売却金額によって使い分けます。下記の早見表で、それぞれの速算式をチェックしてみましょう。

建物と土地の売却価格(税抜) 仲介手数料の上限
400万円超 売却価格(税抜)× 3% + 6万円 + 消費税
200万円超~400万円以下 売却価格(税抜)× 4% + 2万円 + 消費税
200万円以下 売却価格(税抜)× 5% + 消費税

仲介手数料の計算例

それでは上記の速算式を使って、仲介手数料の計算を実際に行ってみましょう。今回は売却価格が4000万円だった場合を想定して計算します。

<例>
売却価格4000万円の場合
売却価格が400万円超なので、速算式は「取引物件価格(税抜)× 3% + 6万円 + 消費税」を使用します。

仲介手数料 = 4000万円(売却価格)× 3% + 6万円 = 126万円(税抜)

消費税額(10%)を加えて、仲介手数料の合計額は138万6000円(税込)になります。

仲介手数料Q&A|気になる疑問を解決

ここまでは仲介手数料の基礎知識をご紹介しましたが、「なぜそういう計算になるの?」「仲介手数料を安くする方法はないの?」など疑問に感じることが出てきたのではないでしょうか?次からは仲介手数料の金額に関する、よくある疑問にお答えします。
多くの方が「なぜ?」と感じる、速算式の「+6万円」「+2万円」についても詳しく解説しますよ。

家の模型のそばで会話する夫婦

「+6万円」「+2万円」の根拠は?

速算式の「+6万円」「+2万円」は「どこから出てきた金額なんだろう?」と思った方もいるのではないでしょうか?実はこれ、手数料を多く取っているわけではなく、仲介手数料の計算を簡略化するために考えられた概算方法なのです。
速算式を使うときと使わないときの違いを、売却価格4000万円を例に見てみましょう。

<例>速算式を使う場合
売却価格が400万円以上なので、「売却価格(税抜)× 3% + 6万円 + 消費税」の速算式を使用します。

仲介手数料 = 4000万円 × 3% + 6万円 = 126万円(税抜)

<例>速算式を使わない場合
前章で説明したように、仲介手数料は200万円以下が5%、200万円超〜400万円以下が4%、400万円超が3%と分けて計算する仕組みになっています。速算式を使わない場合は、売却価格の4000万円を以下のように分けて計算し、出た金額を合算する必要があります。

まず、200万円以下の部分を計算します。
200万円 × 5% = 10万円

次に、200万円超~400万円以下の部分を計算します。
200万円 × 4% = 8万円

最後に400万円超の部分を計算します。
3600万円 × 3% = 108万円

仲介手数料 = 10万円 + 8万円 + 108万円 = 126万円(税抜)

このように「+6万円」「+2万円」とは、算出するのが面倒な仲介手数料を簡単に導き出すために考えられた数字なのです。速算式を使っても使わなくても、算出される総額に差額は生じません。「+6万円」「+2万円」は、あくまで金額を調整するためのものなので、安心してくださいね。

電卓を叩く手

売却をやめた場合は?

不動産会社に売却の相談をしていたけれど、途中で売却をやめたいと思うこともあるかもしれません。途中で売却をキャンセルした場合、売買契約の前であれば仲介手数料の支払いは不要です。ただし、買主と売買契約が成立した後で、売却をやめる場合は、仲介手数料だけでなく、賠償金が発生することもあります。注意してくださいね。

こうしたトラブル時の取り決めは、不動産会社との媒介契約書に記載されています。万が一に備えて、契約書の内容はしっかりと目を通しましょう!

仲介手数料の特例とは?

特殊なケースにはなりますが、仲介手数料には「低廉(ていれん)な空家等の売買取引における媒介報酬額(仲介手数料)の特例」があります。低廉な空き家とは、売却価格が400万円以下の建物や土地のことです。このような空き家の多くは、都市部から離れた場所にあったり、相続が絡んでいたりするケースが多くあります。そのため、通常の不動産売却に比べて現地調査や人件費などのコストが高く、採算が合わないことも多くあるのです。

こうした空き家の売却を推進するためにできたのがこの特例です。特例が適用されれば、売主の仲介手数料と現地調査にかかる費用の上限額を「18万円+消費税」までに抑えられます。納得のいく利益を生むためにも、仲介手数料について、事前にチェックしておくとよいですよ。

詳しい要件については国税庁のホームページで確認できますよ。

仲介手数料の安さだけで業者を選ぶのはNG

リビングでくつろぐミドル夫婦

マンション売却では、仲介手数料以外にも登録免許税や印紙税など、課税対象となる税金は必ず支払う必要があります。売却時は多くの初期費用がかかるので「抑えられる費用は、なるべく安価に抑えておきたい」と考える人は多いかもしれません。

しかし、仲介手数料は本来、売却活動に必要な費用です。仲介手数料の安さだけで不動産会社を選ぶと、必要な広告活動や不動産取引、アフターフォローをきちんと行ってくれない業者に当たる可能性があります。

仲介手数料が安くても、肝心の営業活動や仲介業務にに力を入れてもらえないと、納得のいく条件でマンションを売却することは難しいでしょう。不動産会社を選ぶときは、親身に話を聞いてくれたり、早く高く売るための販売戦略を考えてくれたりなど、総合的なサポートに視野を広げて判断することがポイントです。複数の業者を比較し、検討するとよいですよ。

仲介手数料に関する正しい知識を持って、信頼できる不動産会社を選んでくださいね!

この記事のポイント<Q&A>

  • Q仲介手数料とは、何のために支払うお金ですか? A不動産売却の媒介契約を結んだ不動産会社に、成功報酬として支払うお金です。詳しくはこちらをご覧ください。
  • Q仲介手数料は、いくらくらいかかりますか? A仲介手数料の金額は売却価格に応じて決まります。また、上限額が法で定められています。詳しくはこちらをご覧ください。
  • Q仲介手数料を支払わなくてよい場合はありますか? A売買契約が成立しなかった場合は、支払う必要はありません。詳しくはこちらをご覧ください。