不動産売却にかかる費用は?目安や計算方法まで解説
不動産売却時にかかる費用には、仲介手数料や税金などがあります。今回は、家を売るときに必要な費用や負担を抑える方法について詳しく解説します。事前に把握しておき、不動産売却をスムーズに進めましょう。
目次
不動産売却にかかる費用
不動産を売却する際には不動産会社に支払う仲介手数料や税金などの費用がかかり、一般的には成約価格の3%~6%ほどの金額となります。また、売却によって譲渡益(利益)が出た場合には、譲渡所得にも課税されるので、事前にこれらの費用を考慮して資金計画を立てておくと安心です。
この記事では、不動産売却にかかる費用の種類と目安、また費用の負担を抑える方法についても詳しく解説していきます。

不動産売却の費用一覧
不動産売却に必要な費用一覧は以下の通りです。
・仲介手数料
・印紙税
・譲渡所得にかかる税金
・登記費用
・住宅ローンの返済手数料
・その他費用
家や土地を売るときにかかる基本的な費用は、仲介手数料と税金です。仲介手数料と税金は、不動産の成約価格に応じて変動します。各費用の計算方法や金額の目安について、1つずつ詳しく解説していきます。

仲介手数料
仲介手数料は、不動産売却が成立したときに仲介を依頼した不動産会社に支払う費用です。仲介手数料の上限額は、特例を除いて法律で以下のように定められています。
| 成約価格(税抜) | 仲介手数料 |
|---|---|
| 200万円以下 | (成約価格×5%)+消費税 |
| 200万円超400万円以下 | (成約価格×4%+2万円)+消費税 |
| 400万円超 | (成約価格×3%+6万円)+消費税 |
仲介手数料は決して小さな金額とはいえませんが、不動産会社は価格査定や販売活動、契約条件の調整、重要事項説明、契約書の作成、引渡しまでの進行管理など、重要な過程を担います。売主個人では対応が難しい専門業務をサポートし、トラブルを防ぎながら取引を円滑に進めるためには、仲介手数料も大切な費用の1つといえるでしょう。
なお、特例として、物件価格が800万円以下の「低廉な空家等」と定義される物件を売買する際、不動産会社が受領できる仲介手数料の上限は30万円(+消費税)となりました。ただし、この特例が適用されるのは、媒介契約の締結前に不動産会社と依頼者間で合意を得られたときのみとされています。
●仲介手数料についてはこちら

印紙税
印紙税とは、売買契約書や領収書といった文書に課税される税金です。収入印紙を購入し、文書に貼り付けて捺印することで、納税したと見なされます。
不動産売却では、売主分と買主分の売買契約書を2通作成し、それぞれ印紙税を納めるのが一般的です。なお、不動産売買契約書の印紙税額については、2014(平成26)年4月1日から2027(令和9)年3月31日までの期間において軽減措置が適用されます(※1)。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
なお、個人が売主となる不動産の売却で発行する領収書に印紙税は課税されません。理由は、営利目的の取引ではないからです。一方、個人が売主であっても、収益用のマンションのように営利目的の不動産売買については、印紙税がかかる場合があります。
また、2022(令和4年)年5月より、宅地建物取引業法が改正され、電子契約による不動産売買が可能になりました。電子契約を利用する場合、紙でのやりとりがなくなるため、印紙税がかかりません。ただし、買主の同意がないと電子契約を行うことはできません。なお、電子契約を利用する際は、データの改ざんや漏えいといったセキュリティー面に注意が必要です。
譲渡所得にかかる税金
不動産が売れて「譲渡益(利益)」が出た際には、譲渡所得にかかる所得税や住民税などの納税が必要です。これらの税金は、譲渡収入金額が売却した物件の取得費と譲渡費用を上回り、利益が発生した際にかかる税金で、譲渡所得税と呼ばれることもあります。譲渡所得は以下の計算式で求められます。
譲渡所得=物件を売却した金額(譲渡収入金額)-(物件の購入費用(取得費)+売却時の諸費用(譲渡費用))-特別控除
なお、取得費とは、売却した土地や建物の購入代金のほか設備費や改良費なども含めた諸費用の合計です。このうち、建物の購入代金については、その建物を「使用したこと」「年月が経過したこと」によって価値が減少した分を「減価償却費相当額」として差し引いて取得費を算出します。計算式は以下の通りです。
建物の減価償却費相当額=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数
このように譲渡所得を計算したうえで、所得税と住民税を計算しますが、売却する不動産の所有期間によって税率が異なります。所有期間に応じた税率の詳細は以下の表の通りです。
| 対象 | 税率 |
|---|---|
| 短期譲渡所得 (所有期間が5年以下の土地・建物) | 39.63% (所得税30.63%、住民税9%)※復興特別所得税を含む |
| 長期譲渡所得 (所有期間が5年超の土地・建物) | 20.315% (所得税15.315%、住民税5%)※復興特別所得税を含む |
三井のリハウスでは、不動産売却にかかる税金についてまとめた手引きをご用意しております。これまでご紹介してきた各種税金について詳しく知りたい方は、ぜひご利用ください。
●税金の手引きはこちら

登記費用
登記とは、不動産の現状や権利情報を登記簿に明記することを指します。不動産売買の際に必要な登記は主に、抵当権抹消登記と所有権移転登記の2つです。抵当権抹消にかかる費用は売主が負担し、所有権移転登記にかかる費用は買主が負担します。
抵当権抹消登記を司法書士に依頼する際の相場は、1万5,000円~2万円程度、住所変更登記を合わせると3万円~5万円程度になることもあります。自分で登記手続きを行うことも可能ですが、専門の知識が求められるため、時間や手間をかけたくない方は司法書士に依頼するのがよいでしょう。
住宅ローンの返済手数料
不動産売却をする場合、抵当権を抹消しなくてはなりません。抵当権とは、不動産を購入するために住宅ローンを組んだ場合、返済が滞ったら金融機関がその不動産を売って優先的に残債を回収する権利のことです。抵当権を抹消しなければ第三者に不動産を譲渡できないため、売却の際に住宅ローンの残債がある場合は、売却代金や自己資金を充ててローンを一括返済する必要があります。
住宅ローン返済手数料とは、その一括返済時に金融機関に支払うもので、金額の目安は窓口での手続きで3.5万円程度です。金額は金融機関や取引の方法(ネットまたは窓口)によっても異なるため、詳細は住宅ローンを組んでいる金融機関に確認しましょう。
●住宅ローン返済中の家を売る方法についてはこちら
その他費用
そのほかの家を売るときにかかる費用としては、引越し費用や測量費用、家電や家具といった家財の処分費用、任意のハウスクリーニング費用が挙げられます。
測量費用とは、土地の測量を行った場合にかかる費用のことです。測量は必須ではありませんが、一戸建てや土地の取引では隣地との境界や土地面積が明確になり、隣人とのトラブルを回避できるメリットがあります。ただし、測量には費用がかかるため、実施するかどうかは不動産会社に相談して判断しましょう。
また、建物を解体して土地として売る場合は解体費用も必要です。解体費用の相場は、不動産の構造や坪数、立地条件によって異なります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
●解体費用に関してはこちら
●ハウスクリーニングの費用に関してはこちら

家を売るときにかかる税金の負担を軽減する特別控除
不動産売却には高額な税金がかかることもあるため、金銭的な不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、不動産売却にかかる税の負担は、特例や特別控除を利用することで抑えられます。ここからは、譲渡所得に関する3つの特例について解説します。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
この特例は、居住用財産を売ったときの譲渡所得から、3,000万円まで控除されるというものです。つまり、最高で3,000万円までは課税されないため、不動産売却の費用を大幅に抑えられるでしょう。ただし、この特例を利用するためには、物件に住まなくなってから3年を経過する年の12月31日までに売却したマイホームであることや、前年と前々年にこの特別控除を利用していないなど、複数の要件を満たさなければなりません(※2)。
●居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例についてはこちら
マイホームを売ったときの軽減税率の特例
10年を超えて居住したマイホームを売却する場合、課税譲渡所得の6,000万円以下の部分に課税される税率が軽減される特例です(※3)。3,000万円の特別控除と併用できるため、併用した場合は3,000万円を差し引いた譲渡所得に軽減税率が適用されます。この特例にも、満たさなければならない要件があるため、利用を検討する場合は確認しておきましょう。

特定のマイホームを買い換えたときの特例
特定のマイホームを買い換えたときの特例とは、不動産を売却して新しいマイホームに買い換えた場合、譲渡所得にかかる税金を将来に繰り延べできる措置です(※4)。あくまで将来に繰り延べできるものであり、税額が控除されるわけではない点をあらかじめ理解しておきましょう。この特例が適用されるには、売る家、買う家どちらにも特定の要件があるため、詳細を確認しておきましょう。
またこの特例は、上記でご紹介したほかの2つの特例とは併用できません。同年だけでなく、前年や前々年にほかの特例を受けた場合も、特定のマイホームを買い換えたときの特例は受けられないため気を付けましょう。
【シミュレーション】4,000万円で不動産を売却する際の費用の目安
不動産売却にかかる実際の金額について、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
・成約価格:4,000万円
・取得費:2,800万円(減価償却費相当額を差し引いた金額)
・譲渡費:140万円
・所有期間:9年
・抵当権:あり
・居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例:適用なし
成約価格4,000万円でかかる費用の内訳は、次の表の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 仲介手数料の上限額 | 138万6,000円 |
| 印紙税 | 1万円(軽減税率適用) |
| 譲渡所得にかかる税金 | 215万3,390円 |
| 登記費用(抵当権抹消) | 4万円(司法書士に依頼) |
| 住宅ローンの返済手数料 | 3万3,000円 |
| 費用の合計 | 362万2,390円 |
このケースでは、売却にかかる費用は約362万円です。成約価格が同じでも、所有期間や抵当権の有無によってかかる費用は変化します。抵当権がなければ、登記費用(抵当権抹消)や住宅ローンの返済手数料はかかりません。
実際にどのくらいの費用がかかるのか気になる場合は、不動産会社に査定を依頼し、推定成約価格を算出してもらったうえでシミュレーションしてみるとよいでしょう。
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不動産売却後の確定申告
不動産売却によって譲渡益が出た場合や、特別控除を受ける場合には、確定申告が必要です。申告期間は、原則として家を売却した翌年の2月16日から3月15日までで、期間中に申告を完了させなければなりません。ただし、申告期限が土日祝日に重なる場合は翌平日が期限です。開始日や期限日が原則と異なる年もあるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
また、不動産売却によって譲渡損失が発生した場合には確定申告は不要ですが、その際に利用できる税金の軽減措置を受ける場合は必要です。

よくある質問
ここでは、不動産売却にかかる費用について、よくある質問を見ていきます。税金の負担を抑える方法や、売却後に実際に手元に残る金額など、事前に知っておきたいポイントについて確認しましょう。
不動産売却にかかる費用のうち経費として計上できるものはある?
不動産売却における経費とは、売却によって得た利益(譲渡益)を計算する際に差し引ける費用のことを指します。経費となるのは、取得費および譲渡費用です。
取得費、譲渡費用にあたる主な費用は、以下の通りです。
| 取得費 | 譲渡費用 |
|---|---|
| ・土地や建物の購入費用 ・建築費用 ・仲介手数料 ・設備費、改良費 ・登録免許税(登記費用含む) ・不動産取得税 ・印紙税 ・造成費用 ・測量費用 ・土地の利用を目的として建物付き土地を購入した場合の、建物の解体費用 | ・土地や建物を売るために支払った仲介手数料 ・印紙税 ・土地を売るために建物を取り壊した場合の解体費用 |
取得費や譲渡費用を計上することで、譲渡益を減らせるため、結果として節税につながります。ただし、経費として計上するには、支払ったことを証明できる書類が必要です。
家を売却して手元に残る金額はどのくらい?
「成約価格=そのまま手元に残る金額」ではありません。実際に手元に残るのは、成約価格から仲介手数料や登記費用などの諸費用を差し引いた額です。住宅ローンの残債がある場合は、その返済額も差し引く必要があります。
一般的な仲介による売却で、ローン残債がなく、解体や確定測量などの追加費用が発生しない場合は、仲介手数料を中心に、成約価格の約3%~6%が諸費用の目安とされています。
たとえば、4,000万円で家を売却した場合、諸費用は約120万円~240万円となり、手元に残る金額は約3,760万円~3,880万円が1つの目安となるでしょう。
一方で、建物の解体や測量などが必要な場合は、数十万円~数百万円の費用がかかることもあり、諸費用が成約価格の10%を超えるケースもあります。住宅ローンの残債がある場合は、その返済後に残った金額が、最終的な手取り額となります。
なお、売却によって利益が出た場合は税金がかかりますが、マイホームであれば、一定の要件を満たすことで「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の特例が適用されます。譲渡所得が3,000万円以下であれば、税額は発生しません。
いずれにしても、手元に残る金額は状況によって大きく異なる点は理解しておきましょう。
【体験談あり】家を売るときは信頼できる不動産会社に依頼しよう
家を売るときは、成約価格だけでなく税金の負担をどれだけ抑えられるかも重要なポイントです。税理士と連携している信頼できる不動産会社に依頼することで、譲渡所得の詳細な説明や、特例の適用についてアドバイスを受けられるでしょう。
ここからは、三井のリハウスで実際に不動産を売却した方の体験談を一部抜粋してご紹介します。
| 【体験談の集計概要】 三井のリハウスが独自に集計した体験談を掲載しています。 募集期間:2024年3月1日~2024年3月31日 対象者:三井のリハウスで不動産売買をしたことがある方 回答人数:14,281人 調査方法:Webでのアンケート |
【30代・三井のリハウスで不動産を売却した方の体験談】
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私たちは「平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除」を受けました。マンションの売却でも土地部分は利用可能ということが分かり、自信を持って手続きができました。祖母宅の空き家は一部店舗になっていて手続きが複雑でしたが、その対策のヒントも冊子から得ることができ、無事控除が認められました。次回また何かあれば、三井のリハウスにお願いするつもりです。
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※1出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
(最終確認:2026年03月31日)
※2出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
(最終確認:2026年03月31日)
※3出典:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm
(最終確認:2026年03月31日)
※4出典:国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm
(最終確認:2026年03月31日)

三上隆太郎
株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/





